Thunderbit と Octoparse を徹底比較:実コスト・機能・結論

最終更新日 August 13, 2026
Thunderbit と Octoparse を徹底比較:実コスト・機能・結論
AI要約
  • Thunderbit は、ノーコードで素早くデータ抽出できるエージェント型ブラウザスクレイパー。一方、Octoparse はビジュアルなワークフロー、XPath 操作、クラウド実行に対応したデスクトップ型プラットフォームです。
  • この比較では、セットアップ時間、ログイン必須ページへの対応、ページネーション、定期実行、ブロック対策、エクスポート、保守性、そして最新の公式料金までを検証しています。
  • すぐに使える One Click Extract と自動実行を重視するビジネスユーザーには Thunderbit がより適しており、複雑な定期ジョブを細かく制御したい場合は Octoparse が有力です。
  • 最終的な結論として、両ツールを実務チーム、技術スキル、そして現実的なコスト感に当てはめて整理しています。

「Thunderbit vs Octoparse」の比較記事の多くは、両方のトップページを開いて、機能の箇条書きをコピーして終わり、という印象です。もしあなたが本当に知りたいのが「自分の業務フロー、予算、そして技術的な習熟度に合うのはどちらか」なら、この記事が役立つはずです。

私は両製品をかなり使い込んできました(ただし、Thunderbit チームの一員なので、その点は正直にお伝えします)。それでも、Octoparse の最新ドキュメント、料金ページ、ヘルプセンター、そして第三者レビューまで調べ、できるだけ公平な結論になるようにまとめました。Webスクレイピングツール市場は 2026年に約15.6億ドル規模 と推定されており、Thunderbit と Octoparse はどちらも有力な選択肢です。本当に重要なのは「どちらが絶対的に優れているか」ではなく、「あなたにとってどちらがより合っているか」です。この記事では、実際のコスト例、ワークフローの違い、そして最後に率直な結論まで掘り下げます。

Thunderbit と Octoparse とは?まずは概要から

Thunderbit は、Chrome と Edge のブラウザ拡張として動くエージェント型 Web スクレイパーです。営業、マーケティング、オペレーションなど、コードを書かずに Web ページから構造化データを取り出したいビジネスユーザー向けに設計されています。基本の流れは、ページを開いて One Click Extract を押し、エージェントにページを解析させるだけ。必要なら Run Now で即開始するか、自動で開始させ、その後は Excel、Google Sheets、Airtable、Notion に出力できます。Thunderbit は 世界で20万人以上のユーザー をうたっており、現在 Chrome Web Store では 4.2/5 の評価です。

Octoparse は、デスクトップアプリ型のビジュアル Web スクレイパーで、クラウド実行、スケジューリング、テンプレートライブラリ、回避対策ツールを備えています。現在のタグラインは「Easy Web Scraping for Anyone.」です。Windows と macOS(ベータではなく正式対応)で動作し、AI 支援の Auto-detect、ワークフローグラフ、XPath 編集、ループ、待機、分岐条件を使うビジュアルなポイント&クリック型の構成が中心です。Octoparse は G2 で 4.8/5、Capterra で 4.7/5 を獲得しています。

まずは比較をざっと見てみましょう。

比較項目ThunderbitOctoparse
製品タイプChrome/Edge ブラウザ拡張Windows/macOS デスクトップアプリ + クラウド
主な対象非技術系のビジネスユーザー初心者から上級者まで幅広く対応
基本の抽出方法AI によるフィールド提案AI 支援の Auto-detect + ビジュアル選択/XPath
対応環境すべての Chromium ベースブラウザ(Windows、Mac、Linux、ChromeOS)Windows 10 以降、macOS 10.15 以降
クラウド実行あり(公開ページ、有料プラン)あり(Standard プラン以上)

ブラウザ拡張かデスクトップアプリか:形態の違いが重要な理由

これは多くの記事が一応触れるものの、実際には深掘りしない比較ポイントです。ブラウザ拡張かデスクトップアプリかで、導入スピード、チーム内で使える人の広さ、そして今開いているページとの連携のしやすさまで変わります。

Thunderbit の始め方

Official Thunderbit website screenshot

インストールから最初の出力までの流れは次の通りです。

  1. Chrome ウェブストアから Thunderbit 拡張機能 を追加する(約 4.7 MiB)。
  2. ブラウザで任意の Web ページを開く。
  3. One Click Extract をクリックする。エージェントがページを検出・読解・分析し、構造化列を自動で判定する。
  4. 必要に応じてフィールドを調整したり、Field AI Prompt(例:「英語に翻訳」「High/Medium/Low に分類」)を追加して、より専門的な出力にする。
  5. Run Now は任意。押せばすぐ開始、押さなければ自動で抽出が始まる。
  6. Excel、Google Sheets、Airtable、Notion に出力する。

拡張機能は今使っているブラウザセッション内で動くため、すでにログイン済みの CRM、会員制ディレクトリ、サプライヤーポータルなどにも、別途ログイン設定なしでアクセスできます。認証が必要なページを扱うなら、これはかなり実用的な利点です。

Octoparse の始め方

Official Octoparse website screenshot

インストールから最初の出力までの流れは次の通りです。

  1. Octoparse のデスクトップクライアントをダウンロードする。サイズは Windows 版で約 117 MB、macOS 版で約 226 MB。
  2. インストールしてアカウントを作成する。
  3. Octoparse に URL を貼り付けるか、テンプレートを使う。
  4. Auto-detect で AI にリストや表を判定させるか、要素を手動でクリックしてセレクタを定義する。
  5. 必要に応じてページネーション、ループ、待機を設定する。
  6. ローカルまたはクラウドでタスクを実行する。
  7. Excel、CSV、JSON、または Professional では Google Sheets / クラウドストレージに出力する。

ログインが必要なページについては、Octoparse も Browse Mode、保存済み Cookie の利用、Cookie のインポート、そして 10.1.0 以降のローカルブラウザアクセスに対応しており、すでにログイン済みのセッションを使えます。なので、昔言われていた「Octoparse は自分専用ブラウザ内でログインを再現しないといけない」という説明は、もう正確ではありません。ただし、拡張機能ベースの方がやはり直感的です。Thunderbit は、あなたが今見ているタブの中にそのまま入っています。

UX を並べて比較

比較項目Thunderbit(拡張機能)Octoparse(デスクトップアプリ)
インストール容量約 4.7 MiB のブラウザ拡張約 117 MB(Win)/ 約 226 MB(Mac)のデスクトップクライアント
ログイン済みページでの動作あり — 現在のブラウザセッションを利用あり — Browse Mode、Cookie インポート、ローカルブラウザモード(v10.1+)
初回学習コストAI がフィールドを提案するため手順が少ない基本は Auto-detect、上級機能はビジュアルワークフロー/XPath
OS 要件すべての Chromium ブラウザ(Windows、Mac、Linux、ChromeOS)Windows 10 以降、または macOS 10.15 以降
抽出の実行場所ページ内(ブラウザタブ)別のデスクトップアプリ環境

実際のデータ抽出方法の違い:One Click Extract か、ポイント&クリックか

Parallel agentic one-click and point-and-click selector workflows

ここが最重要の違いです。機能一覧よりも、あなたの判断を左右するのはむしろこの部分でしょう。比較記事の中には、抽出方法をただの箇条書き扱いするものが多いですが、それは違います。これは、ツールを使うたびに必ず触れる中核部分です。

Thunderbit の One Click Extract ワークフロー

考え方はシンプルです。HTML 構造からではなく、「欲しいデータ」から始めます。

  1. ディレクトリ一覧や商品カタログなど、対象ページを開く。
  2. One Click Extract をクリックする。エージェントが表示中のページを検出・読解・分析し、列と抽出ロジックを自動判定する。
  3. 必要なら抽出結果のフィールドを調整し、用途に合わせる。
  4. 任意の列に Field AI Prompt を追加できる。たとえば「英語に翻訳」「数値価格だけ抽出」「B2B / B2C に分類」「1文で要約」など。これは後処理ではなく、抽出中 に行われる。
  5. Run Now は任意。押せば即開始、押さなければ自動で抽出が始まる。Thunderbit は対応ページでページネーションや無限スクロールも処理する。
  6. 詳細ページの情報を補完したい場合は subpage scraping を有効化する。Thunderbit がリンク先をたどり、追加項目を元の表に統合する(1 行あたり 2 クレジット)。

設計思想は「レイアウト変更に強いこと」です。AI がページを毎回意味的に読み直すため、サイトのリニューアルでハードコードした CSS セレクタのように壊れるとは限りません。ただし、これは設計目標であって保証ではありません。AI 抽出でも間違いは起こり得ますし、項目を取りこぼすこともあります。Thunderbit の利用規約でも、AI の出力にはレビューが必要であることが 明記されています

Octoparse のビジュアルセレクタ・ワークフロー

考え方は、要素を指し示しながら抽出フローを明示的に構築することです。

  1. URL を Octoparse に貼り付ける。
  2. Auto-detect で AI に表やリストを判定させ、たたき台のワークフローを生成する。あるいは Auto-detect を使わず手動で組む。
  3. 特定の要素をクリックしてセレクタを定義する。Octoparse は XPath を生成し、それを直接確認・編集できる。
  4. ページネーションを設定する。click-next、scroll、URL increment など、Octoparse は 6 種類のループに対応する。
  5. 別レイアウト対応の分岐条件、AJAX コンテンツの待機、ネストしたループなどを追加する。
  6. ローカルで実行するか、クラウドにスケジュールする。

この強みは、細かな制御ができることです。ポップアップ、別レイアウト、AJAX 読み込み、複雑な多段階ナビゲーションに対応する必要があるなら、Octoparse のビジュアルワークフローグラフは、それを組み立てるための部品を提供してくれます。代わりに、初回抽出までの手順は増え、XPath はサイトの DOM 構造が変わると壊れることがあります。

Octoparse の Auto-detect は AI 支援型です。今では完全手動ツールではありません。ただし、Octoparse の AI はワークフローの「開始」を助けるものであり、あなたは依然としてセレクタ、ループ、ワークフロー手順を操作します。Thunderbit の AI はより方針がはっきりしていて、スキーマ全体と抽出計画を提案し、そこから編集していく形です。

どちらの方式がチームに合うか?

要素ThunderbitOctoparse
最初の抽出までの手順少ない(One Click Extract → エージェント解析 → 自動開始)多い(Auto-detect または手動セレクタ → ページネーション/ループ設定 → 実行)
サイト改修への耐性AI が毎回ページ構造を読み直す(設計思想)固定セレクタは手動修正が必要になることがある
不規則・複雑なレイアウトAI が解析を試みるが、手動介入は少なめ分岐条件、代替 XPath、ループの細かな調整が可能
抽出中のデータ変換Field AI Prompt(翻訳、分類、整形)抽出中には不可。後処理が必要
非エンジニアの学習コスト低い — 選択肢が少ない基本は中程度、上級フローでは高め

タイムベンチマークを捏造するつもりはありません。ただ、「このデータが欲しい」から「スプレッドシートが手元にある」までの間に、手で決めることが少ないのは Thunderbit です。逆に、必要に応じて見える形で細かく制御できるのは Octoparse です。

Thunderbit vs Octoparse:本当の所有コストは?(表示価格だけではない)

Software setup maintenance and operator-time components flowing into validated data

どの比較記事も料金プランは載せていますが、実際にいくら払うことになるのかまでモデル化しているものはほとんどありません。フリーランスや小規模チームなら、「月額いくらから」と「年間の実コスト」には大きな差が出ます。とくにクレジット、アドオン、利用倍率が絡むと差が広がります。

Thunderbit の料金構成

Thunderbit はクレジット制です。標準のスクレイピングは 出力 1 行 = 1 クレジット。subpage scraping では 1 行あたり 2 クレジット。Personal Data Enrichment は 1 回成功するごとに 30 クレジット。Google Sheets、Airtable、Notion への出力はクレジット不要です。

現在の 年間料金(2026年8月確認)はこちらです。

プラン年間価格年間クレジットスケジュールスクレイパー
Free$0制限あり
Starter$108/年5,000最大 5
Pro Tier 1$288/年30,000最大 25
Pro Tier 2$576/年60,000最大 25
Pro Tier 3$1,152/年120,000最大 25
Pro Tier 4$2,304/年240,000最大 25
Businessカスタムカスタムカスタム

補足:年間枠は「月額枠 × 12」ではありません。Starter は 5,000/年であって 6,000 ではありません。拡張機能のクレジットと Open API のユニットは別システムなので、混同しないでください。

Octoparse の料金構成

Octoparse は、利用量ベースのアドオン付きサブスクリプションモデルです。公式の Octoparse 料金ページ の現行価格(2026年8月13日確認、期間限定キャンペーンは除外)はこちらです。

プラン月額年額(年払い)タスク数クラウド処理数
Free$0$0100(ローカルのみ)
Standard$83/月$69/月($828/年)1003
Professional$299/月$249/月($2,988/年)25020
Enterpriseカスタムカスタム750+40+

予想外に費用がかさむ可能性があるアドオンは以下です。

  • 住宅回線プロキシ: $3/GB
  • 標準 CAPTCHA 解決: 1,000 回あたり $1
  • Cloudflare 回避試行: 1,000 回あたり $1.50
  • テンプレート固有の課金: 1,000 結果あたり $0.001〜$3

Octoparse のプラン上限とアドオン料金の公式ソース: Octoparse Pricing、2026年8月13日確認。

CAPTCHA や Cloudflare の失敗試行でもクレジットを消費する場合があります。現時点では、一般的な「クラウド分の超過料金」に関する公式の根拠は見当たらないため、ここでは含めていません。

利用シナリオ別の総コスト

ここからが実務的です。3つのシナリオで、年間コストの概算と主なコスト要因を示します。以下はすべて現行公開価格に基づき、Thunderbit では特記のない限り通常の(subpage なし)スクレイピングを想定しています。

シナリオThunderbit の年間概算Octoparse の年間概算主なコスト要因
軽量(1,000 行/月、年 12,000 行)$288/年(Pro Tier 1、30K クレジット)$0(Free、ローカル手動、月 50K 行上限内)または $828/年(クラウド/スケジュールが必要なら Standard)Thunderbit: クレジット枠が合うかどうか。Octoparse: Free はローカルの手動・ファイル出力ジョブのみ。
中量(1万行/月、年 12万行)$1,152/年(Pro Tier 3、120K クレジット)または 全件 subpage なら $2,304/年$828/年(Standard、アドオン前)+ 対象サイトごとのプロキシ/CAPTCHA 費用Thunderbit: subpage でクレジットが 2 倍。Octoparse: 対象サイトの防御強度でアドオン費用が変動。
高負荷(5万行/月、年 60万行)カスタム/Business(公開最大枠を超過)$828〜$2,988/年(Standard または Professional、並列数次第)+ かなりのアドオン費用の可能性Thunderbit: 交渉が必要。Octoparse: 定額だが、プロキシ/CAPTCHA 費用は件数と難易度に応じて増える。

正直な注意点をいくつか挙げます。

  • Octoparse の $0 シナリオは本物ですが条件付きです。ローカルで手動実行するカスタムタスクで、ファイル出力だけの場合に限られます。スケジューリング、クラウド実行、自動出力が必要になった時点で、最低でも Standard($828/年)です。
  • Thunderbit のクレジットは 1 行単位で予測しやすい反面、subpage 補完(2倍)や Personal Data Enrichment(1回30クレジット)で一気に増えます。各行を enrich するなら、予算に織り込むべきです。
  • Octoparse のアドオン費用(プロキシ、CAPTCHA)は、対象サイトがわからないと予測できません。公開されている素直なカタログなら追加費用ゼロもありえますが、保護の強い EC サイトではプロキシ帯域だけで年間数百ドル増えることもあります。

重要な機能:機能比較表で一気に確認

以下は、両製品の現行公式ドキュメントに基づく包括的な機能比較です。対応済み、部分対応、未対応をできるだけ明確にしました。

機能ThunderbitOctoparse
エージェント型ページ解析✅ One Click Extract✅ AI 支援の Auto-detect
フィールド単位の指示(抽出中に翻訳/分類)✅ Field AI Prompts❌ 抽出中は不可
事前作成テンプレート50+500+(料金ページ記載)
ページネーション対応✅ ページネーション、無限スクロール✅ 6 種類のループ、スクロール、click-next、URL increment
subpage 補完✅(2 クレジット/行)✅ ワークフロー設定で対応
スケジューリング✅ Starter: 5、Pro: 25 の scheduled scrapers✅ Standard 以上: 分/時/日/週/月
クラウド実行✅ 最大 50 の同時ページ(公開ページ)✅ Standard: 3、Professional: 20、Enterprise: 40+ のクラウド処理
出力: Excel/CSV
出力: Google Sheets✅ ネイティブ直接保存✅ Professional で対応(OAuth 設定)
出力: Airtable✅ ネイティブ直接保存❌(API/代替手段)
出力: Notion✅ ネイティブ直接保存❌(API/代替手段)
出力: JSON/HTML/XML✅ JSON✅ JSON、HTML、XML
出力: データベースAPI 経由✅ API 経由 / 上位プランでは直接連携
ボット対策レンダリング管理、プロキシローテーション、地域ルーティング(ベンダー主張)IP ローテーション、住宅回線プロキシ($3/GB)、ユーザーエージェント、CAPTCHA/Cloudflare 解決(従量課金)
ログイン済みページ対応✅ ブラウザモード(アクティブセッション)✅ Browse Mode、Cookie インポート、ローカルブラウザモード(v10.1+)
ブラウザ拡張✅ Chrome/Edge
デスクトップアプリ✅ Windows/macOS
条件分岐(if/else)Branch conditions
XPath 編集

Thunderbit が優れている点

  • セレクタ設定なしで AI が抽出すること。 One Click Extract で、エージェントが抽出計画を決め、自動で開始します。必要に応じて細かな調整もできます。一般的な Web ページの一覧や表を抽出するケースでは、最初の出力までの速さがかなり魅力です。
  • 抽出しながら変換できる Field AI Prompts。 データを取りながら翻訳、分類、整形、要約まで行えるのは大きな差別化ポイントです。後処理も別ツールも不要です。
  • ブラウザ拡張としての手軽さ。 デスクトップアプリのインストールは不要で、どの Chromium ベース環境でも使え、しかも今開いているページでそのまま動きます。ログイン済みページにも余計な設定なしで対応します。

Octoparse が優れている点

  • 細かなワークフロー制御。 6 種類のループ、分岐条件、XPath 編集、AJAX 対応、待機処理。抽出ジョブが複雑なナビゲーション、別レイアウト、多段階の操作を含むなら、Octoparse にはそれを組み立てるための部品があります。
  • 標準搭載の回避対策。 IP ローテーション、住宅回線プロキシ、カスタムユーザーエージェント、リクエスト遅延、CAPTCHA/Cloudflare 解決を、タスク単位で設定できます。これらは従量課金ですが、機能として存在します。
  • テンプレート数が多い。 500+ のテンプレートは Thunderbit の 50+ を上回ります。対象サイトに既成テンプレートがあれば、手動設定より速く始められることもあります。

ノーコードの先へ:開発チーム向け API、MCP、CLI

「Thunderbit vs Octoparse」の比較を読む人の多くは非技術系ですが、チームに開発者、データエンジニア、パイプライン構築担当がいるなら、拡張性は重要です。どちらも現在はプログラム経由の操作に対応していますが、その形と範囲は異なります。

Thunderbit の開発者向けツール

  • Open API: Distill と Extract の各エンドポイント、非同期バッチ、ポーリング、完了 Webhook。Bearer API キー認証。バックエンド連携向けの HTTP/JSON アクセス。
  • MCP Server: @thunderbit/mcp-server npm パッケージにより、Thunderbit の機能を Claude、Cursor、Windsurf など対応 AI エージェントから使えます。Distill、抽出、フィールド提案、バッチ処理などを扱えます。
  • CLI: @thunderbit/thunderbit-cli npm パッケージは、ターミナルから distill、extract、suggest、batch コマンドを実行でき、JSON / テーブル / Markdown 形式で出力し、スキーマも保持できます。

これらはすべて設定と認証が必要です。ワンクリックのブラウザ操作ではなく、プログラム連携用の開発者ツールです。

Octoparse の高度な API

Octoparse の API(ベース: openapi.octoparse.com)は、タスク管理、ステータス照会、データ取得、エクスポートをサポートし、レート制限は 20 リクエスト/秒とされています。認証は API キーまたは bearer token。Standard ではデータ取得とエクスポートが利用でき、Professional / Enterprise ではタスクパラメータ更新、クラウドジョブの開始・停止、より高度なタスク制御が追加されます。Octoparse は AgentTools や MCP/CLI 系のワークフローも文書化していますが、現行ドキュメントは一般的な完了 Webhook よりも、タスク状態のポーリングを重視しています。

開発者向け機能の比較

機能ThunderbitOctoparse
REST API✅ Distill、Extract、バッチ、Webhook✅ タスク管理、データ取得、開始/停止
AI エージェント連携(MCP)✅ 公式 MCP Server✅ AgentTools/MCP の記載あり
CLI✅ 公式 CLI パッケージ✅ ドキュメントあり
完了時の Webhook / コールバック✅ 記載あり❌ ポーリング方式。Slack アラートは別機能
バッチ処理✅ 非同期バッチ✅ タスク/クラウドスケジューリング経由
API による高度なタスク制御限定的(抽出/Distill 中心)✅ Professional / Enterprise

率直にまとめると、Thunderbit の開発者向けツールは新しく、AI エージェントのエコシステム(MCP、Claude、Cursor)との統合が強いです。Octoparse の API は、特に大量の Octoparse タスクをクラウドで回しているなら、タスク管理面でより成熟しています。もし AI を使ったデータパイプライン を構築したいなら、Thunderbit の MCP と CLI は検討に値します。逆に、既存のスクレイピングタスク群を大量に運用管理したいなら、Octoparse の API の方がカバー範囲は深いです。

スケジューリング、出力、ワークフロー連携

スクレイピングは仕事の半分にすぎません。もう半分は、実際にチームが使うツールへ、忘れずに自動でデータを流し込むことです。

スケジューリング機能

  • Thunderbit: 有料プランで scheduled scrapers が利用可能。Starter は最大 5、Pro は最大 25。監視頻度は Pro で最短 5 分まで下げられます。スケジュールは公開ページに対してクラウドで実行されます。
  • Octoparse: Standard 以上でクラウド実行のスケジューリングが可能。分、時、日、週、月単位をサポート。プランの同時クラウド処理数を超えるとタスクはキューに入ります。Free ではスケジューリング不可。

Octoparse は間隔オプションが細かく、しかも自分の PC を起動したままにしなくても実行できます(クラウド実行)。一方、Thunderbit は設定がシンプルですが、クレジット消費と連動します。

出力先とデータ形式

出力先ThunderbitOctoparse
Excel/XLSX
CSV
JSON
Google Sheets✅ ネイティブ、クレジット不要✅ Professional で対応(OAuth 設定)
Airtable✅ ネイティブ、クレジット不要
Notion✅ ネイティブ、クレジット不要
HTML/XML
データベース(直接連携)API 経由✅ API 経由 / 上位プランでは直接連携

チームが Google Sheets、Airtable、Notion を中心に回っているなら、Thunderbit のネイティブ直保存はかなり便利です。OAuth 設定も追加プランも不要です。Octoparse の Google Sheets 出力もありますが、Professional 限定でセットアップが必要です。データベースやクラウドストレージ向けには、Octoparse の上位プランの方が選択肢は多めです。

Thunderbit vs Octoparse:結局どちらを選ぶべき?

はっきりした結論を出すと約束したので、ここで明言します。曖昧にせず、「状況次第」で終わらせません。

Business research operations and developer personas routed by workflow needs

ペルソナ別の結論マトリクス

ペルソナおすすめ判断理由
リード獲得を行う個人マーケターThunderbitブラウザからスプレッドシートまでの最短ルート。One Click Extract と Field AI Prompts(分類、翻訳)で後処理が少ない。Airtable / Notion / Sheets へのネイティブ出力も便利。
競合価格を追う EC アナリストOctoparseスケジューリングの柔軟さ、複雑なカタログ向けのループ/分岐、回避対策、人気小売サイト向けの大きなテンプレートライブラリ。
定期的なクラウド実行が必要な小規模データチーム用途次第。中規模なら Thunderbit、高並列なら OctoparseThunderbit は初期コストが低いが、行数に応じてクレジットが増える。Octoparse Standard($828/年)は 3 つのクラウド処理 + 定額サブスク + アドオン。
データパイプラインを構築する開発者Thunderbit(AI エージェント連携重視)/ Octoparse(大規模タスク管理重視)Thunderbit の MCP ServerCLI は Claude、Cursor、ターミナル作業と相性が良い。Octoparse の API は数百のクラウドタスク管理に強い。
データセット収集を行う研究者Octoparse Free(量重視)/ Thunderbit(使いやすさ重視)Octoparse Free は月 50,000 行まで $0 でローカル出力可能。Thunderbit は覚えやすいが、無料枠を超えるとクレジット消費が発生する。

すぐ使える判断ガイド

  • ブラウザからスプレッドシートまでを、できるだけ早く、学習コスト少なめで進めたいならThunderbit から始めるのがおすすめです。One Click Extract と、Sheets / Airtable / Notion へのネイティブ出力は、一般的な用途ではかなり強力です。
  • 条件分岐、ボット対策、XPath 制御、大量のクラウドスケジューリングが必要なら、Octoparse の方が向いています。複雑な抽出ジョブを明示的に組み立てるには、ワークフロービルダーが役立ちます。
  • 開発者で、AI エージェントのワークフローを組むなら、Thunderbit の Open APIMCP ServerCLI を評価してください。新しいですが、現代的な AI パイプライン向けに設計されています。
  • 予算が最優先で、デスクトップアプリでも構わないなら、Octoparse Free はローカルの手動抽出用途で本当に使えます。ただし、クラウド、スケジューリング、高度機能には Standard($828/年)以上が必要です。

FAQ:Thunderbit vs Octoparse

初心者には Thunderbit と Octoparse のどちらが向いていますか?

一般的な流れでは、Thunderbit の方が意思決定が少なくて済みます。One Click Extract でエージェントがページを解析し、タスクは自動で始まり、最後に出力するだけです。セレクタ設定も XPath もワークフローグラフも学ぶ必要がありません。Octoparse の Auto-detect も初心者の助けにはなりますが、ビジュアルワークフロービルダーや XPath 編集は、単純な表以上のことをしようとすると学習コストが上がります。スクレイピング未経験なら、最初のハードルが低いのは Thunderbit です。

Thunderbit と Octoparse は無料で使えますか?

はい、どちらも無料プランがありますが、内容はかなり違います。Thunderbit の無料枠はクレジット数に制限があります(最新の付与量は 料金ページ で確認してください)。Octoparse Free は、10 タスク、同時ローカル実行 2 つ、1 回の出力で最大 10,000 行、月 50,000 行のエクスポートに対応しますが、クラウド実行なし、スケジューリングなし、ファイル出力のみです。少数の小さな作業を超えると、どちらのプラットフォームでも制限に当たり始めます。

Octoparse は Mac で使えますか?

はい。2026年7月時点の 10.1.1 では、Octoparse は 正式版の macOS クライアント を提供しており、macOS 10.15 Catalina 以降に対応しています。もうベータではありません。macOS インストーラは約 226 MB です。Linux と ChromeOS には対応していません。

Thunderbit はログインが必要なページもスクレイピングできますか?

はい。Thunderbit の Browser Scraping モードは、今使っているブラウザセッションと Cookie を利用するため、Chrome や Edge ですでにログイン済みなら、そのページに直接アクセスできます。別途ログイン設定は不要です。CRM、会員制ディレクトリ、サプライヤーポータルなど、権限のあるページで使えます。Cloud Scraping モードは公開ページ向けで、ブラウザセッションは引き継ぎません。

大規模スクレイピングにはどちらが向いていますか?

「大規模」の定義によります。Octoparse のクラウド基盤は、Professional($2,988/年)で最大 20 の同時クラウド処理、Enterprise で 40+ をサポートし、スケジューリング、IP ローテーション、住宅回線プロキシも使えます。Thunderbit のクラウドモードは公開ページで最大 50 の同時ページ を扱えますが、クレジット消費は行数に比例して増え、月 50,000 行超は公開最大年額枠を超えるため Business / カスタムプランが必要です。ボット対策が必要で、長期的に大量・高並列のクラウドスクレイピングをするなら、Octoparse の方が成熟しています。中規模で、出力までの速さや AI ベースの抽出が重要なら、Thunderbit も十分に強いです。

参考リンクと関連情報

さらに詳しく知る

Ke
Ke
Thunderbit の CTO | シニアデータサイエンティスト & ML エキスパート 機械学習とデータサイエンスで約10年の経験を持つ Ke Shen は、コロンビア大学の卒業生であり、Walmart Labs の元シニアデータサイエンティストです。Python、R、Java、統計学における深い専門性は同業者からも高く評価されており、理論段階の複雑な AI アルゴリズムを本番運用レベルのアーキテクチャへと落とし込むための、実践に裏打ちされた知見を共有しています。
Topics
Thunderbit vs OctoparseノーコードWebスクレイピングWebスクレイピングツール
目次
Thunderbit · AIウェブデータエージェント

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