少し前のことですが、コーヒーを片手にデスクで空っぽのスプレッドシートを眺めていたんです。営業チームからは「競合の価格データが欲しい」、マーケティングからは「新しいリードが必要」、オペレーションからは「複数サイトの商品リストを“昨日までに”集めて」と頼まれる。ネット上にデータは溢れているのに、集める作業は本当に骨が折れる。もしあなたもコピペ作業に追われているなら、安心してください、同じ悩みを持つ人はたくさんいます。
でも、今は状況が大きく変わりました。ウェブスクレイピングは一部のエンジニアの趣味から、ビジネスのど真ん中に進化。JavaScriptやNode.jsは、ちょっとした自動化から本格的なデータパイプラインまで、あらゆる自動化の中心的な存在です。ただ、ツールが進化しても「最初の一歩」はやっぱりハードルが高い。ビジネス担当、データ好き、手作業にうんざりしている人、どんな人にも役立つように、このガイドではエコシステムや主要ライブラリ、よくある課題、AI活用のメリットまで分かりやすくまとめました。
JavaScriptとNode.jsでウェブスクレイピングがビジネスに欠かせない理由
まず「なぜ必要なのか」から。2025年にはウェブデータは「あれば便利」じゃなく「なきゃ困る」存在に。最新の調査では、と回答し、がウェブデータ収集に使われています。ウェブスクレイピングを含むオルタナティブデータ市場はすでにで、今後もどんどん成長していく見込みです。
なぜここまで注目されているのか?主なビジネス活用例を挙げてみます:
- 競合価格調査・EC: 小売業者は競合サイトの価格や在庫を自動で取得し、。
- リード獲得・営業支援: 営業チームはディレクトリやSNSからメール・電話番号・企業情報を自動収集。
- 市場調査・コンテンツ集約: アナリストはニュースやレビュー、口コミデータを集めてトレンド分析や予測に活用。
- 広告・アドテク: 広告業界では広告掲載状況や競合キャンペーンをリアルタイムで監視。
- 不動産・旅行: 物件リストや価格、レビューを収集し、査定や市場分析に利用。
- データ集約プラットフォーム: 複数ソースからデータを集め、比較ツールやダッシュボードを構築。
こうした用途で、JavaScriptやNode.jsは特に動的なウェブサイトに強く、非同期処理が得意なので大規模なスクレイピングにもピッタリ。豊富なライブラリが揃っているので、簡単なスクリプトから本格的なシステムまで柔軟に作れます。
基本ワークフロー:JavaScriptとNode.jsでウェブスクレイピングする流れ
ウェブスクレイピングの基本的な流れを整理しましょう。シンプルなブログでも、JavaScriptで描画されるECサイトでも、基本のステップは同じです:
- リクエスト送信: HTTPクライアント(axios、node-fetch、gotなど)でページを取得
- レスポンス受信: サーバーからHTMLやJSONを受け取る
- 動的コンテンツ対応: JavaScriptで描画される場合はPuppeteerやPlaywrightなどのヘッドレスブラウザで最終的な内容を取得
- HTML/DOM解析: cheerioやjsdomでHTMLをパースし、扱いやすい構造に変換
- データ抽出: セレクタや正規表現で必要な情報を抜き出す
- データ保存: ファイル、データベース、クラウドなどに保存
それぞれのステップに最適なツールやコツがあります。次の章で詳しく見ていきましょう。
JavaScriptで使える主なHTTPリクエストライブラリ
スクレイピングの最初の一歩はHTTPリクエスト。Node.jsにはいろんな選択肢があります。代表的なものを紹介します:
1. Axios
PromiseベースのHTTPクライアント。多機能で幅広く使えます。
1const axios = require('axios');
2const response = await axios.get('https://example.com/api/items', { timeout: 5000 });
3console.log(response.data);
メリット: 機能が豊富、async/await対応、自動でJSONパース、インターセプターやプロキシも簡単
デメリット: やや重め、データ処理がブラックボックス化しやすい
2. node-fetch
Node.jsでfetch APIを実装。シンプルでモダンな書き心地。
1import fetch from 'node-fetch';
2const res = await fetch('https://api.github.com/users/github');
3const data = await res.json();
4console.log(data);
メリット: 軽量、フロントエンドJS経験者に馴染みやすい
デメリット: 機能は最小限、エラー処理やプロキシ設定は手動
3. SuperAgent
老舗のHTTPライブラリ。チェーン式APIが特徴。
1const superagent = require('superagent');
2const res = await superagent.get('https://example.com/data');
3console.log(res.body);
メリット: 実績豊富、フォーム送信やファイルアップロードも対応
デメリット: APIがやや古め、依存関係が大きい
4. Unirest
シンプルで言語非依存のHTTPクライアント。
1const unirest = require('unirest');
2unirest.get('https://httpbin.org/get?query=web')
3 .end(response => {
4 console.log(response.body);
5 });
メリット: 書き方が簡単、サクッとスクリプトを作りたい時に最適
デメリット: 機能は限定的、コミュニティは小さめ
5. Got
高機能・高速なHTTPクライアント。大規模用途にも対応。
1import got from 'got';
2const html = await got('https://example.com/page').text();
3console.log(html.length);
メリット: 高速、HTTP/2やリトライ、ストリーム対応
デメリット: Node専用、APIがやや複雑
6. Node標準のhttp/https
昔ながらの方法も健在:
1const https = require('https');
2https.get('https://example.com/data', (res) => {
3 let data = '';
4 res.on('data', chunk => { data += chunk; });
5 res.on('end', () => {
6 console.log('Response length:', data.length);
7 });
8});
メリット: 追加依存なし
デメリット: コールバック多用、冗長、Promise非対応
プロジェクトに合ったHTTPクライアントの選び方
選ぶポイントは以下の通り:
- 使いやすさ: AxiosやGotはasync/await対応で書きやすい
- パフォーマンス: Gotやnode-fetchは高速・高並列処理に強い
- プロキシ対応: AxiosやGotはプロキシ設定が簡単
- エラー処理: AxiosはデフォルトでHTTPエラーをthrow、node-fetchは手動チェックが必要
- コミュニティ: AxiosやGotは事例やサポートが豊富
おすすめの使い分け:
- 簡単なスクリプトや試作: node-fetchやUnirest
- 本番運用: Axios(多機能)またはGot(高性能)
- ブラウザ自動化: PuppeteerやPlaywrightが内部でリクエスト処理
HTML解析・データ抽出:Cheerio、jsdomなど
HTMLを取得したら、次は解析。ここでパーサーの出番です。
Cheerio
サーバーサイド版jQueryのような存在。静的HTMLの解析に最適。
1const cheerio = require('cheerio');
2const $ = cheerio.load('<ul><li class="item">Item 1</li></ul>');
3$('.item').each((i, el) => {
4 console.log($(el).text());
5});
メリット: 超高速、jQueryライクなAPI、崩れたHTMLも扱える
デメリット: JavaScript実行不可、HTMLのみ解析
jsdom
Node.js上でブラウザのDOMを再現。簡単なスクリプト実行も可能。
1const { JSDOM } = require('jsdom');
2const dom = new JSDOM(`<p id="greet">Hello</p><script>document.querySelector('#greet').textContent += ", world!";</script>`);
3console.log(dom.window.document.querySelector('#greet').textContent);
メリット: スクリプト実行可、DOM APIが充実
デメリット: Cheerioより重く遅い、完全なブラウザではない
正規表現やその他の解析手法の使いどころ
正規表現は「ピンポイント抽出」に便利ですが、HTML全体の解析には不向き。主な用途:
- テキストからパターン抽出(メール、電話番号、価格など)
- データのクリーニングやバリデーション
- scriptタグやテキストブロックからのデータ抽出
例:テキストから数値を抽出
1const text = "Total sales: 1,234 units";
2const match = text.match(/([\d,]+)\s*units/);
3if (match) {
4 const units = parseInt(match[1].replace(/,/g, ''));
5 console.log("Units sold:", units);
6}
HTML全体の解析には必ずDOMパーサーを使いましょう。
動的サイト対応:Puppeteer、Playwright、ヘッドレスブラウザ
最近のウェブサイトはJavaScriptで描画されることが多く、欲しいデータが初期HTMLに含まれていない場合も。そんな時はヘッドレスブラウザの出番です。
Puppeteer
Google製のNode.jsライブラリ。Chrome/Chromiumを自動操作。
1const puppeteer = require('puppeteer');
2const browser = await puppeteer.launch();
3const page = await browser.newPage();
4await page.goto('https://example.com');
5const title = await page.$eval('h1', el => el.textContent);
6console.log(title);
7await browser.close();
メリット: Chrome完全再現、APIが分かりやすい、動的コンテンツに強い
デメリット: Chromium限定、リソース消費大
Playwright
Microsoft製の新しいライブラリ。Chromium、Firefox、WebKit対応。
1const { chromium } = require('playwright');
2const browser = await chromium.launch();
3const page = await browser.newPage();
4await page.goto('https://example.com');
5const content = await page.textContent('h1');
6console.log(content);
7await browser.close();
メリット: 複数ブラウザ対応、並列処理が得意、自動待機機能
デメリット: 学習コストやや高め、インストールサイズ大
Nightmare
Electronベースの古い自動化ツール。APIは簡単ですが、今はメンテナンスされていません。レガシー用途のみ推奨。
ヘッドレスブラウザの比較
項目 | Puppeteer (Chrome) | Playwright (マルチブラウザ) | Nightmare (Electron) |
---|---|---|---|
対応ブラウザ | Chrome/Edge | Chrome, Firefox, WebKit | Chrome(旧) |
パフォーマンス・拡張性 | 高速だが重い | 高速・並列処理に強い | 遅め・安定性低い |
動的スクレイピング | 優秀 | 優秀+多機能 | シンプルなサイト向け |
メンテナンス状況 | 活発 | 非常に活発 | 廃止予定 |
おすすめ用途 | Chrome専用スクレイピング | 複雑・マルチブラウザ対応 | レガシー・簡易用途 |
アドバイス: 新規・複雑案件はPlaywright推奨。Chrome専用ならPuppeteerも有力。Nightmareは古いスクリプトの保守用。
補助ツール:スケジューリング、環境管理、CLI、データ保存
実際のスクレイピングは「取得・解析」だけじゃありません。以下の補助ツールも活用しましょう:
スケジューリング:node-cron
定期実行を自動化。
1const cron = require('node-cron');
2cron.schedule('0 9 * * MON', () => {
3 console.log('毎週月曜9時にスクレイピング実行');
4});
環境管理:dotenv
APIキーや設定値をコード外で管理。
1require('dotenv').config();
2const apiKey = process.env.API_KEY;
CLIツール:chalk, commander, inquirer
- chalk: コンソール出力の色付け
- commander: コマンドライン引数の解析
- inquirer: 対話式プロンプト
データ保存
- fs: ファイル(JSON, CSV)への書き出し
- lowdb: 軽量JSONデータベース
- sqlite3: ローカルSQLデータベース
- mongodb: 大規模用途のNoSQLデータベース
例:JSONファイルに保存
1const fs = require('fs');
2fs.writeFileSync('output.json', JSON.stringify(data, null, 2));
JavaScript/Node.jsによる従来型ウェブスクレイピングの課題
正直なところ、従来のスクレイピングには悩みも多いです。主な課題は:
- 学習コストが高い: DOMやセレクタ、非同期処理、ブラウザの癖まで理解が必要
- 保守が大変: サイト構造の変化でスクリプトが壊れやすい
- 拡張性に限界: サイトごとに個別スクリプトが必要で「万能」は難しい
- データ整形が手間: 取得データのクリーニングや重複排除が大仕事
- パフォーマンス制約: ブラウザ自動化は大規模処理に不向き
- ブロック・対策: サイト側のbot対策やCAPTCHA、ログイン制限
- 法的・倫理的リスク: 利用規約やプライバシー、コンプライアンスの確認が必須
Thunderbitと従来型ウェブスクレイピングの違い:生産性が劇的に変わる
ここで本題。もしコードもセレクタも保守も不要だったら?
それを実現するのがです。私自身が共同創業者として開発したサービスですが、ビジネスユーザーが「データだけ欲しい」を叶えるために作りました。
Thunderbitの強み
項目 | Thunderbit (AIノーコード) | 従来型JS/Nodeスクレイピング |
---|---|---|
セットアップ | 2クリック・ノーコード | スクリプト作成・デバッグ |
動的コンテンツ | ブラウザ内で自動対応 | ヘッドレスブラウザで手動対応 |
保守性 | AIが自動で変化に追従 | コードを都度修正 |
データ抽出 | AIが項目を提案 | 手動でセレクタ指定 |
サブページ取得 | 1クリックで自動 | サイトごとにループ処理 |
エクスポート | Excel, Sheets, Notion等 | ファイル/DB連携を手動実装 |
後処理 | 要約・タグ付け・整形も自動 | 追加コードや外部ツール必要 |
利用者層 | ブラウザが使えれば誰でも | 開発者限定 |
ThunderbitはAIがページを読み取り、項目を提案し、数クリックでデータを取得。サブページやレイアウト変更にも自動対応し、要約・タグ付け・翻訳も可能。ExcelやGoogle Sheets、Airtable、Notionへのエクスポートも簡単です。
Thunderbitが特に活躍するシーン:
- ECチームの競合SKU・価格調査
- 営業チームのリード・連絡先収集
- 市場調査担当のニュース・レビュー集約
- 不動産業者の物件情報取得
高頻度・ビジネス必須のスクレイピングにはThunderbitが圧倒的な時短に。大規模・独自要件の開発には従来型も有効ですが、多くのチームにとって「欲しいデータをすぐ手に入れる」最速の選択肢です。
や もぜひチェックしてみてください。
2025年版:JavaScript & Node.jsウェブスクレイピング主要ライブラリ早見表
JavaScriptスクレイピングのエコシステムをざっとまとめると:
HTTPリクエスト
- : Promiseベース・多機能HTTPクライアント
- : Node.js用fetch API
- : 高速・高機能HTTPクライアント
- : 実績豊富なチェーン式リクエスト
- : シンプルなHTTPクライアント
HTML解析
- : 高速・jQueryライクなHTMLパーサー
- : Node.jsでブラウザ風DOMを再現
動的コンテンツ
- : ヘッドレスChrome自動化
- : マルチブラウザ自動化
- : Electronベースのレガシー自動化
スケジューリング
- : Node.jsでcronジョブ
CLI & ユーティリティ
- : ターミナル出力の装飾
- : CLI引数パーサー
- : 対話式CLIプロンプト
- : 環境変数ローダー
データ保存
- : 標準ファイルシステム
- : 軽量JSON DB
- : ローカルSQL DB
- : NoSQL DB
フレームワーク
- : 高機能クローリング・スクレイピングフレームワーク
※最新のドキュメントやGitHubもこまめにチェックしましょう。
JavaScriptウェブスクレイピングを極めるためのおすすめリソース
さらに深く学びたい方へ、厳選リソースを紹介します:
公式ドキュメント・ガイド
チュートリアル・講座
オープンソースプロジェクト・サンプル
コミュニティ・フォーラム
書籍・総合ガイド
- O’Reilly「Web Scraping with Python」(言語を問わない基礎理解に)
- Udemy/Coursera「Node.jsでのウェブスクレイピング」講座
※最新版や新刊情報もこまめにチェックを。
まとめ:チームに最適なアプローチを選ぼう
まとめると、JavaScriptとNode.jsはウェブスクレイピングにおいて圧倒的な柔軟性とパワーを持っています。簡単なスクリプトから大規模クローラーまで作れますが、その分「保守の手間」もつきもの。独自要件やエンジニアリソースがある場合は従来型スクリプトが最適です。
一方、ビジネス担当・アナリスト・マーケターなど「とにかくデータが欲しい」人には、ノーコードAIツールThunderbitが最適解。Chrome拡張で数分でデータ取得・構造化・エクスポートが可能。コードもセレクタも不要、ストレスフリーです。
どちらを選ぶべきか?エンジニアチームや独自要件があればNode.jsツールボックスを。スピード・手軽さ・インサイト重視ならThunderbitを。どちらにせよ、ウェブはあなたのデータベース。思い切ってデータを活用しましょう。
もし行き詰まったら、どんな達人も最初は空白のページと一杯のコーヒーから始めたことを思い出してください。楽しいスクレイピングライフを!
AIスクレイピングやThunderbitの活用事例をもっと知りたい方はこちら:
質問や体験談、スクレイピングの失敗談などもコメントやご連絡でぜひお寄せください。ウェブを自分だけのデータプレイグラウンドにする皆さんの話を聞くのが大好きです。
好奇心とカフェインを忘れずに、賢くスクレイピングを楽しみましょう!
よくある質問:
1. 2025年にJavaScriptとNode.jsでウェブスクレイピングを行う理由は?
今のウェブサイトの多くはJavaScriptで作られています。Node.jsは高速で非同期処理が得意。AxiosやCheerio、Puppeteerなど豊富なライブラリで、シンプルな取得から動的ページの大規模スクレイピングまで幅広く対応できます。
2. Node.jsでウェブサイトをスクレイピングする一般的な流れは?
基本はこの流れです:
リクエスト → レスポンス処理 → (必要に応じてJS実行) → HTML解析 → データ抽出 → 保存・エクスポート
各工程ごとにaxios、cheerio、puppeteerなど専用ツールが活躍します。
3. JavaScriptで描画される動的ページをスクレイピングするには?
PuppeteerやPlaywrightなどのヘッドレスブラウザを使いましょう。ユーザーが実際に見る画面をそのまま取得できます。
4. 従来型スクレイピングの主な課題は?
- サイト構造の変化
- bot対策や検知
- ブラウザリソース消費
- 手動でのデータ整形
- 長期的な保守コスト
これらが大規模・非エンジニア向けの運用を難しくしています。
5. コード不要のThunderbitはどんな時におすすめ?
スピード重視・手軽さ重視・コードの保守を避けたい場合に最適。営業・マーケ・リサーチなど、複雑・多ページサイトから素早くデータを抽出・構造化したいチームに特におすすめです。