Thunderbit と MontFerret の比較:エージェント型 Web スクレイパー vs オープンソースのブラウザ自動化フレームワーク

最終更新日 August 19, 2026
Thunderbit と MontFerret の比較:エージェント型 Web スクレイパー vs オープンソースのブラウザ自動化フレームワーク
AI要約
Thunderbit と MontFerret は、操作方法と保守責任の面で大きく異なります。Thunderbit は、許可されたページ上でビジネスユーザー向けに、エージェント型の One Click Extract ワークフローを提供し、自動で開始され、構造化データを生成します。Run Now は任意です。MontFerret は、宣言的な FQL クエリと開発者主導の実行を軸にした、オープンソースのブラウザ自動化・スクレイピングフレームワークです。比較の重要ポイントは、セットアップ、ページ操作、クエリロジック、出力、デプロイ、メンテナンス、API、スケジューリング、コスト、そして管理型ノーコード抽出とプログラム可能なブラウザ自動化基盤のどちらを選ぶかです。

数週間前、社内 Slack で誰かがリンクを貼って「え、これってあの Ferret と同じ?」と聞いてきました。違います。実は Ferret という名前は、Apple のビジョンモデルにも、NOAA のデータツールにもあり、さらに MontFerret というオープンソースのブラウザ自動化フレームワークもあります。開発者が FQL と呼ばれるものを使ってスクレイピング用のスクリプトを書くためのツールです。これらは互いに関係がなく、もし今まさに「Thunderbit vs MontFerret」で調べているなら、あなたも同じような混乱にぶつかっているはずです。

なので、まずここを整理しましょう。私は Thunderbit を運営していて、ここで話しているのはあくまで MontFerret との比較です。つまり montferret.dev にある宣言的な Web スクレイピングプロジェクトのこと。Apple のものでも、NOAA のものでもありません。正直、名前のややこしさを抜ければ、この比較はかなり面白いです。というのも、Thunderbit と MontFerret は同じ顧客を奪い合っているわけではないからです。解決している課題も、想定しているユーザーも違う。そこが実際のポイントだと思っています。

先に結論

詳細に入る前に要点だけ言うと、Thunderbit は、どんなページでも素早く構造化データに変換できるよう設計された、管理型のエージェント型 Web スクレイパーです。ブラウザ拡張、Web AppOpen APIMCP ServerCLI まで揃っています。MontFerret はオープンソースのブラウザ自動化フレームワークで、FQL(Ferret Query Language)でクエリを書いてページをスクレイピングしたり操作したりします。

ここでもう1点だけ補足しておきます。実際にこれで20分ほど無駄にする人を見たことがあるので……今回の焦点は MontFerret プロジェクトのみです。Apple の Ferret ビジョンモデルでも、NOAA の Ferret データ可視化ツールでもなく、Google 検索でたまたま出てくる他の「Ferret」でもありません。対象は montferret.dev だけです。

一覧で比較

ThunderbitMontFerret
主な利用者非エンジニアのビジネスユーザー(営業、オペレーション、GTM など)+開発者開発者 / エンジニア
セットアップ拡張機能を入れる、または Web App を開くGo/Ferret ランタイムを入れ、Chrome のデバッグポートを設定
操作方法One Click Extract を押すだけ。あとはエージェントが処理DOM/CDP に対して FQL クエリを書く
クエリ言語なし。自然言語で項目を調整FQL(ArangoDB AQL に着想を得た言語)
ブラウザ自動化対応済みで許可されたページ上で管理型に実行Chrome DevTools Protocol で自前管理
抽出ロジックエージェントによるページ解析自分で書く明示的なセレクタ、ループ、フィルタ
デプロイブラウザ拡張 / Web App / クラウドセルフホスト。インフラは自分で持つ
スケジューリング対象プランで対応自分で構築・管理
メンテナンス製品側が対応自社チームが責任を持つ
ライセンス有料 SaaS(クレジット / プラン制)オープンソース。実行自体は無料
総コストサブスクリプション費用ソフトは無料でも、インフラ+エンジニア工数が必要

Thunderbit とは?

私は、これまで Web スクレイピングをしたことがない人にも Thunderbit を何度も説明してきました。よく使う言い方はこうです。開いてもよいページを開いて、ボタンを1つ押すと、Thunderbit がそのページで重要なデータを判断してくれる。

実際の流れはこうです。One Click Extract を押します。エージェントがページを検出し、内容を読み、構造を分析して、役に立ちそうな項目を準備します。たとえば商品名、価格、連絡先など、そのページが実際に提供している情報です。その後に Run Now が表示されます。すぐに実行することもできますし、何もしなければ自動で開始されます。つまり、意図的なクリックは1回だけ。スキーマ作成も、セレクタ作成も、コードも不要です。

Thunderbit

これは Thunderbit Chrome Extension の基本的な流れで、多くの人が最初に触れる形です。ただし、これだけではありません。抽出内容をさらに調整したい場合、たとえば見落とした項目を追加したい、形式を整えたいといったことも、普通の指示文でできます。Thunderbit は、対応ページであればページネーションやサブページの情報補完も自動で処理し、Excel、Google Sheets、Airtable、Notion などへも出力できます。

開発者向けには、さらに裏側の仕組みがあります。Thunderbit Web App によるクラウド抽出、プログラムから使える Open API、Claude や Cursor のような AI エージェントに接続できる MCP Server、ターミナルやコーディングエージェント向けの CLI です。つまり、拡張機能はノーコードの入口ですが、Thunderbit は単なるブラウザ用ツールではなく、複数の入口を持つ本格的な抽出プラットフォームです。

正直な注意点もあります。ここは誇張したくないのではっきり言いますが、「ワンクリック」は、許可されている対応ページでの話です。あらゆるボット対策、あらゆるログイン制限、あらゆる特殊な例外を必ず突破できるわけではありません。

MontFerret とは?

MontFerret はまったく別のタイプのツールで、実際にその設計思想には敬意を持っています。オープンソースの宣言的 Web スクレイピングシステム で、ボタンをクリックする代わりに FQL(Ferret Query Language)でクエリを書きます。プロジェクト自身は、ArangoDB の AQL に着想を得た言語だと説明しています。

MontFerret

公式ドキュメントによると、このシステムはいくつかの主要コンポーネントで構成されています。FQL パーサー、コンパイラ、ランタイム、標準ライブラリ、ユーザー関数レジストリ、メモリ内 HTML ドライバ、Chrome DevTools Protocol(CDP)ドライバ、そしてコマンドラインインターフェースです。やることが多そうに見えますが、実際その通りです。ただ、それがまさに狙いでもあります。MontFerret は、ページをどのようにスクレイピングするかを細かくコードレベルで制御したい開発者向けに作られています。

JavaScript で描画されたコンテンツや、実際のブラウザ操作を伴う処理を行うには、Chrome か Chromium をデバッグポートを開いた状態で起動し、MontFerret が CDP 経由で通信できるようにする必要があります。そこまで準備できれば、FQL クエリの中でループ、フィルタ、CSS 風のセレクタ、ページ移動、クリックや入力操作、構造化された戻り値などを表現できます。要するに、ブラウザ自動化ロジックをクエリ言語で包んだようなものです。

トレードオフも明確です。MontFerret はブラウザやネットワーク周りの低レベルな処理をかなり抽象化してくれますが、それでも FQL を学び、クエリを書いてテストし、ランタイムを自分で運用する必要があります。ここには「クリックしたら項目を自動で見つけてくれる」瞬間はありません。毎回、何をさせるかを正確に指示する必要があります。

根本的な違い:管理型エージェント製品 vs クエリ言語フレームワーク

最初の構造化データを得るまでの速さ

ここが最も分かりやすい差です。Thunderbit なら、最初の結果まで数秒です。One Click Extract を押し、エージェントがページを解析し、処理は自動で走ります。Run Now は任意です。MontFerret では、まずクエリを書くところから始まります。シンプルな FQL スクリプトでも、セレクタ、クエリ構文、CDP ドライバが対象ページでどう動くかを理解する必要があります。これは MontFerret の欠点ではなく、出発点が根本的に違うだけです。片方は「エージェントに考えさせる」、もう片方は「何をするかを自分で書く」方式です。

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カスタムなブラウザ自動化と制御

視点を変えると、MontFerret は精度の面で強みがあります。多段階のフォーム入力、ページ状態に応じた条件分岐、独自のリトライ処理など、非常に具体的な動きをするスクレイパーが必要なら、FQL でそのレベルまで制御できます。Thunderbit のエージェント型アプローチは「このページで有用な情報を取る」には最適ですが、汎用のブラウザスクリプト言語として設計されているわけではありません。複数ページにまたがるワークフローで、独自の分岐ロジックが必要なら、それは MontFerret の得意分野です。

デプロイとメンテナンスの責任

ここは意外と見落とされがちな部分です。Thunderbit では、サイトのレイアウトが変わっても、エージェントが毎回ページを再解析するため、ハードコードされたセレクタに依存するよりも適応しやすくなっています。とはいえ、あらゆるリデザインで必ず動くという保証ではありません。一方 MontFerret では、サイトの DOM 構造が変わると、FQL クエリのセレクタが壊れることがあります。その場合、誰かが気づき、デバッグし、修正する必要があります。手書きスクレイパーでは、オープンソースであっても、そのメンテナンス責任はずっと残ります。

実際の利用シーン

1回きりのビジネス向け抽出

たとえば営業オペレーション担当者が、今日中にディレクトリサイトから企業リストを取り出したいのに、エンジニアが空いていないとします。Thunderbit はまさにこういう用途のためにあります。ページを開き、One Click Extract を押して、Google Sheets に出力し、そのまま作業終了。1回だけの作業のために FQL を書く人はいません。

開発者が作る、繰り返し使えるブラウザ自動化

今度は、競合の価格ページを毎晩チェックし、特定のネストされたデータを解析して、独自の変換ロジック付きで社内システムに流し込む監視パイプラインを、エンジニアリングチームが作るケースです。ここでは MontFerret の宣言的なクエリ方式がかなり有効です。FQL を一度書けば、何をしているかが明確で、パイプライン全体を自分たちで管理できます。

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動的な多段階サイトのワークフロー

ログイン、複数ページの遷移、画面上の状態に応じた条件付き操作が必要なサイトでは、MontFerret の CDP ドライバと明示的なクエリロジックによって、そうした処理を正確にスクリプト化できます。Thunderbit も、対応していて許可されたページであれば、ページネーションやサブページの補完は処理できますが、任意の多段階ブラウザワークフローを扱う汎用スクリプトツールとして作られているわけではありません。

API や AI エージェントとの統合

より大きなワークフローの一部として構造化された Web データを取りたい AI エージェントを作っているなら、Thunderbit の MCP Server は Claude Code や Cursor のようなツールに直接つなげられます。MontFerret もカスタムスタックに組み込むことはできますが、その統合レイヤーは既製品ではなく、自分たちで作る必要があります。

信頼性、柔軟性、メンテナンス

ここはかなり正直に話します。多くの比較記事が雑になりがちな部分だからです。Thunderbit のエージェント型ページ理解は、ハードコードされたセレクタの保守負担を減らせるので本当に便利です。エージェントが CSS パスのような壊れやすい指定に頼るのではなく、毎回ページ構造を読み直すからです。ただし、「エージェント型」は「魔法」ではありません。対応していて許可されたページで動作しますが、サイトや状況によっては期待通りに抽出できないこともあります。

MontFerret の明示的なクエリ/自動化ロジックは、ある意味ではより予測しやすいです。自分で書いたクエリだから、何をしているかが分かるからです。ただ、その分、土台となるページが変わると壊れやすくなります。たとえばサイトが div を section に置き換えたら、セレクタが静かに壊れることがあります。そして、データが空か間違って返ってくるまで気づかないこともあります。

どちらのツールも、ボット対策を万能に突破できるとは主張していませんし、そんなことを言うツールは私なら警戒します。どちらも、自分がアクセスを許可されている範囲で使う必要があります。

価格、ライセンス、総コスト

オープンソースソフトウェアに付く「無料」という言葉は、ここでは誤解を招きやすいので、はっきり言っておきたいです。

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MontFerret はオープンソースです。導入前にはリポジトリで現在のライセンスを必ず確認してください。こうした条件は将来的に変わる可能性があるからです。ただし大枠としては、コアフレームワーク自体の利用にサブスクリプション費用はかかりません。とはいえ、「無料」なのはソフトウェアのライセンスだけです。実際には、自分たちで計算資源を用意してホストし、Chrome/Chromium のインスタンスを運用・保守し、実運用の量があるならプロキシも管理し、壊れたときの監視も行い、FQL スクリプトを作成・保守するエンジニアのコストも必要になります。

Thunderbit は有料プランの仕組みで動いています。正確な金額は時間とともに変わるので、最新の Thunderbit Pricing を確認してください。ただしこの費用には、管理されたブラウザ/クラウド実行、エージェント型の抽出ロジック、出力機能、API/MCP/CLI へのアクセスが含まれます。別途インフラ費を心配する必要はありません。

コスト要素ThunderbitMontFerret
ライセンス費用有料 SaaS(クレジット / プラン制)無料のオープンソース
インフラ費用プランに含まれるサーバー、Chrome、プロキシを自前で用意・運用
エンジニア工数最小限。コード不要継続的に必要。FQL の作成・テスト・デバッグ
メンテナンス負担製品側が対応自社チームが責任を持つ

本当に見るべきなのは「どちらが安いか」ではなく、「どこにコストが現れるか」です。Thunderbit では月額請求として現れます。MontFerret では、エンジニアチームのカレンダーの中に現れます。

Thunderbit を選ぶべき人

今すぐデータが必要で、すぐに動けるエンジニアがいない非エンジニアのチームメンバーなら、Thunderbit が明らかな候補です。1回限り、または継続的なビジネスデータ取得で、「セットアップ不要」が細かな制御より重要な場合も同様です。さらに、すでに AI エージェントのワークフローを作っていて、カスタム統合レイヤーを書かずに MCPCLI 経由でスクレイピングを組み込みたいなら、それは完全に Thunderbit の領域です。

MontFerret を選ぶべき人

CI/CD で動く再現性の高いスクレイピングパイプラインを作りたい開発者、あるいはデータ保管場所やコンプライアンス上の理由でセルフホスト型インフラが必要な場合は、MontFerret の宣言的なアプローチとフルコントロールが理にかなっています。また、FQL スクリプトを長期的に保守するエンジニアリング余力があり、ブラウザ自動化ロジックを細かく制御したいチームにも向いています。

両方を併用できる?

正直、できます。これは逃げの回答ではありません。私が見てきた構成では、技術チームが、厳密でバージョン管理されたロジックが必要なコアデータパイプラインには専用の FQL ジョブを使い、同じチーム内のビジネスユーザーは、個別調査、素早い出力、カスタムスクリプトを書くほどでもない探索的なデータ取得には Thunderbit を使っています。両者は競合というより、同じ広いデータ運用の異なる層にあるツールです。もちろん、両者の間に公式な統合があるわけではありませんが、アーキテクチャとしてはとても自然な分担です。

結論

一言でまとめるなら、誰が作業するのか、どれだけ時間があるのかで選ぶべきです。10分後にはデータの表が必要な非エンジニアがいるなら、Thunderbit が毎回勝ちます。勝負になりません。エンジニアがいて、宣言的でセルフホスト可能、バージョン管理できるスクレイピングパイプラインを求めていて、メンテナンスも長期的に自分で持てるなら、MontFerret は十分に優れたオープンソースの選択肢です。

これは「どちらが優れているか」の話ではありません。そう言い切るのは、読者に不誠実です。実際には、「いま本当に解決したい課題は何か」という話です。

FAQ

ここで比較している Ferret プロジェクトはどれですか? 対象は MontFerret です。montferret.dev にあるオープンソースの宣言的 Web スクレイピングフレームワークを指しています。Apple の Ferret ビジョンモデル、NOAA の Ferret データ可視化ツール、または他の「Ferret」という名前のプロジェクトとは関係ありません。

MontFerret はオープンソースですか? はい、MontFerret はオープンソースプロジェクトです。コアフレームワークにライセンス費用はかかりませんが、商用利用を検討する前には、必ずリポジトリで最新のライセンス条件を確認してください。ソフトウェア自体は無料でも、インフラやエンジニア工数のコストは別途かかります。

Thunderbit は API や MCP 連携に対応していますか? はい。Thunderbit はプログラムから利用できる Open API を提供しており、MCP Server によって Thunderbit の抽出ツールを Claude Code や Cursor のような AI エージェントホストに接続できます。さらに、ターミナルベースのワークフロー向けに CLI もあります。

非開発者にとって簡単なのはどちらですか? 迷うことなく Thunderbit です。ブラウザ拡張は、非エンジニアでも One Click Extract を押すだけで構造化データを取得できるように設計されています。クエリ言語も、セレクタも、コードも不要です。MontFerret は FQL の習得とランタイムのセットアップが必要なので、少なくとも基本的な開発スキルを前提にしています。

より明示的にブラウザ自動化を制御できるのはどちらですか? MontFerret です。Chrome DevTools Protocol を介して DOM に対して直接 FQL クエリを書くため、ナビゲーション、インタラクション、条件分岐を非常に細かくコードレベルで制御できます。Thunderbit のエージェント型アプローチは、細かなスクリプト自動化よりも、対応ページでの高速な構造化データ抽出を重視しています。

Shuai Guan
Shuai Guan
Thunderbit の CEO | AIデータ自動化のエキスパート Shuai Guan は Thunderbit の CEO であり、ミシガン大学工学部の卒業生です。テクノロジーと SaaS アーキテクチャの分野で約10年にわたる経験をもとに、複雑な AI モデルを、実務で使えるノーコードのデータ抽出ツールへと落とし込むことを得意としています。このブログでは、ウェブスクレイピングや自動化戦略について、実践で磨かれた率直な知見を共有し、より賢くデータ主導のワークフローを構築できるよう支援しています。データワークフローの最適化から離れているときは、同じこだわりと観察眼を写真への情熱にも注いでいます。
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Thunderbit と MontFerret の比較オープンソースの Web スクレイパーエージェント型 Web スクレイパー
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Thunderbit · AIウェブデータエージェント

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