Thunderbit と Data Miner の比較:エージェント型抽出か、再利用可能なレシピか?

最終更新日 August 18, 2026
Thunderbit と Data Miner の比較:エージェント型抽出か、再利用可能なレシピか?
AI要約
Thunderbit と Data Miner はどちらも Web ページから構造化データを抽出できますが、セットアップの考え方が異なります。Thunderbit はエージェント型の One Click Extract で現在のページを解析して自動実行するのに対し、Data Miner は行・列・ナビゲーション用セレクタから作る再利用可能な公開・汎用・プライベートのレシピに依存します。この比較では、一覧取得、ページネーション、詳細ページのクロール、ブラウザ実行、エクスポート、自動化、料金、レシピ保守、そして非技術系チームとセレクタベースの細かな制御を好むユーザーそれぞれに最適な選択肢を検討します。

Data Miner は、10年以上にわたって多くの Chrome 拡張フォルダにひっそりと入り込み、独自のスクレイピング「レシピ」を積み上げてきた人たちを支えてきました。コードを書かずに Web サイトから表を取り出す方法を聞くと、フォーラムで何度も名前が挙がるのを見てきました。ちゃんと使えるツールです。ただし同時に、「ノーコード」と言っても実際には「コードは書かないけれど、ロジックは自分で組み立てる」という意味になり得る、という好例でもあります。

実際、Google で「Thunderbit vs Data Miner」と検索する人が本当に知りたいのはそこです。自分で再利用可能なルールを作りたいのか、それともページの解釈まで任せられるエージェントが欲しいのか。そこでこの記事では、よくあるように Data Miner を紹介したあとで唐突に Thunderbit の宣伝へ切り替えるのではなく、両者を同じ表で並べて、きちんと比較していきます。

Thunderbit と Data Miner をひと目で比較

最初にお伝えしておくと、私は Thunderbit を運営しています。そのため、見方にはある程度のバイアスがある前提で読んでください。ただし、この表では、どちらのマーケティングページが言いたいことではなく、それぞれのツールが実際に何をするのかを正直に並べるよう努めました。

カテゴリData MinerThunderbit
抽出方式CSS/HTML セレクタで組み立てる手動「レシピ」エージェント型 AI。One Click Extract をクリックすると、ページを解析して自動実行
初回設定自分用のレシピを作成、または公開レシピを見つけてプレビューセレクタもスキーマも不要。対応ページでは意図的な 1 回のクリックだけ
ページネーションList Recipe に「Next」セレクタを追加対応ページでは互換性のあるページ送りを自動処理
詳細ページの補完2 つのレシピを使うワークフロー:List Recipe → URL を保存 → Detail Recipe → Crawl対応するサブページ補完を同じ表に統合
ログイン必須ページ認証済みブラウザセッションで見えている内容を取得可能認証済みブラウザセッションで見えている内容を取得可能
エクスポートCSV、Excel、クリップボード、Google Sheets(有料プラン)対応先へのエクスポート(Sheets、Airtable、Notion)に加え、ダウンロードにも対応
自動化の幅ブラウザ自動化、次ページ自動化、カスタム JS、自動クロールブラウザ/クラウド実行、対応環境でのスケジュール実行、Open APIMCP ServerCLI
再利用性レシピは共有・再利用可能。大規模なコミュニティライブラリありAI が毎回ページを再解釈。管理するレシピライブラリは不要
価格体系月間ページクレジット制。利用量に応じた段階課金プラン制。最新料金を参照
向いているケース安定した定常ターゲットで、すでに使えるレシピがある場合新しいページやバリエーションの多いページ、非技術系ユーザー、素早い単発作業

これをここまで明確に並べた記事は、他にはほとんどありませんでした。検索される頻度を考えると、かなり不思議な空白です。

Thunderbit とは?

Thunderbit は、私が「エージェント型 Web スクレイパー」と呼ぶものです。ここでいう「エージェント型」が重要なのは、単にクリックを自動化するだけではなく、人間のようにページを理解し、どのデータが重要そうかを判断するからです。Chrome 拡張機能をインストールし、閲覧権限のあるページを開いて、One Click Extract をクリックします。必要な操作は本当にこれだけです。エージェントがページを読み、役立ちそうな項目を見つけ、自動で実行を始めます。すぐに開始したい場合は Run Now を押せますが、何もしなくても自動で動き始めます。

Thunderbit公式サイトのスクリーンショット

これを作ったのは、以前の職場で非技術系のメンバーが、スクレイピングツールに「セレクタを定義してください」と言われた瞬間に詰まってしまうのを何度も見て、うんざりしたからです。CSS セレクタが何かを知らない人は多いですし、正直、知っている必要もないはずです。

拡張機能だけでなく、Web App、プログラムから利用したい開発者向けの Open API、Claude や Cursor などの AI エージェント連携に使える MCP Server、そしてターミナルベースの自動化に使える CLI もあります。対応ページでは、ページネーションを処理し、一覧から詳細ページのデータを補完して、すべてを 1 つの表にまとめられます。

Data Miner とは?

Data Miner は歴史が長く、より定着したツールで、まったく別の考え方――レシピ――を中心に設計されています。レシピとは、保存された手順の集まりで、要するに行や列にマッピングされたセレクタ群を、特定サイトの HTML 構造に結びつけたものです。Data Miner のヘルプでは、レシピには 3 種類あると説明されています。公開レシピ(他のユーザーが共有したもの)、汎用レシピ(複数サイトで広く使えるようにしたもの)、そしてプライベートレシピ(自分で作成するもの)です。

Data Miner

サイトでは、15,000 以上の人気サイトをカバーする50,000 件超の公開レシピがあるとしていますが、興味深いことに、別のページでは「60,000」とも書かれています。ここは「数万件」とだけ言っておいて、数え方の厳密さについては読者の判断に委ねましょう。

Data Miner では、Page Scrape、Next Page Automation、URL Crawl(URL の一覧をまとめて取得する用途)、自動フォーム入力、そして上級者向けのカスタム JavaScript が使えます。ブラウザ内で動作するため、ログイン済みセッションで見える内容を、手動閲覧と同じように取得できます。さらに Enterprise 顧客にはサーバー側実行の विकल्पもあります。

本当の違い:実行時のページ理解か、保存済みレシピか

ここが、多くの比較記事が雑になりがちなポイントだと思います。たいていは「Data Miner はレシピ駆動、Thunderbit は AI 駆動」とだけ書いて終わりです。具体例もなく、実際のイメージも湧きません。

runtime-vs-recipes

Thunderbit は解釈をエージェントに任せます。 新しいページを開くたびに、AI がその場でページを見直します。そのサイト専用の固定ルールブックを参照しているわけではなく、DOM を読み取り、構造を理解し、どのデータが重要かを判断します。つまり、初めて見るページでもセットアップはほぼ不要です。その一方で、毎回の実行時に AI が都度考えるため、保存済みスクリプトを再生するのとは違い、毎回リアルタイムの処理が発生します。

Data Miner はセレクタの手順を再利用します。 一度レシピが作られれば――自分で作ったものであれ、他人が作ったものであれ――ロジックはすでに固定されているので、再実行は高速です。ただし、Data Miner 自身のドキュメントも認めているように、サイトの HTML が変わるとレシピが壊れることがあります。その場合、スクレイピングではなくセレクタのデバッグになります。

どちらの方法も「ワンクリック」になり得る条件: Data Miner は、あなたの対象サイトにぴったり合う公開レシピがすでに存在し、それが今も動いていれば、確かにワンクリックになり得ます。ただし、そこには大きな「もし」があります。Thunderbit のワンクリックも、エージェントが正しく解釈できるページに限っての話です。インターネット上のすべてのサイトで保証されるわけではなく、強いボット対策があるサイトや特殊なレイアウトでは難しい場合があります。

どちらのツールも「簡単さ」を独占してはいません。ただ、簡単さの定義が違うだけです。片方はコミュニティが作った近道、もう片方は実行時の解釈です。

実際のワークフロー比較

シンプルな表を取得する場合: Data Miner では、まずそのサイト用の公開レシピがあるか確認し、プレビューして一致すればスクレイピングします。なければ、Easy Finder を使って行と列を手動で組み立てます。Thunderbit なら One Click Extract を押すだけで、表構造を自動で検出させられます。

subpage-vs-two-recipe-crawl

商品一覧やディレクトリ一覧でページ送りする場合: Data Miner では、List Recipe にナビゲーション用のセレクタを追加して、「次へ」が何かを認識させる必要があります。Thunderbit は、対応ページであればこの手作業なしにページ送りを処理できます。

一覧の各行を詳細ページで補完する場合: ここはワークフローの違いが最もはっきり出る部分です。Data Miner のCrawl ドキュメントでは、かなり多段階の流れが説明されています。まず詳細ページの URL を集めるための List Recipe を作成し、URL 一覧を保存し、別途 Detail Recipe を作り、両者をつなぐ Crawl ジョブを作成し、URL を検証して実行し、最後にエクスポートします。動くには動きますが、2 つのレシピを使う複数ステップの作業です。Thunderbit の対応するサブページ補完は、詳細ページのデータを同じ表へまとめ込みます。レシピを組み合わせる手間はありません。ただし正直に言うと、これはエージェントがうまく解析できるページでのみ安定して動きます。

認証済みログインの裏で作業する場合: どちらのツールもブラウザセッションで見えている内容を扱うので、正規にログインしているアカウントであれば、両方とも表示されている情報を取得できます。認証を魔法のように突破するわけではなく、画面にレンダリングされたものを扱っているだけです。

自動化、拡張機能、開発者向けアクセス

Data Miner の自動化はブラウザ内にあります。次ページ自動化、自動 URL クロール、そして自分でスクリプトを書ける人向けのカスタム JavaScript です。Google Sheets 連携は有料プランで利用できます。Enterprise 顧客は、すべてをクライアント側で動かす代わりに、Data Miner のサーバーで実行することもできます。

Thunderbit の提供範囲は、別の方向に広がっています。ブラウザやクラウドでの実行に加え、対応環境でのスケジュール実行、バックエンド連携向けの Open API があります。そして、見た目以上に重要なのが MCP Server です。MCP により、AI エージェント(Claude Code、Cursor など)が自分のワークフローの一部として Thunderbit を直接呼び出せます。AI エージェントがより大きなパイプラインの中で構造化された Web データを取得する必要があるなら、これは「ブラウザ拡張にカスタム JavaScript を書いた」というのとは、かなり違う能力です。

もちろん、Data Miner のカスタム JS は、細かい制御をしたい上級者にとって本当に便利です。ただし、それは公開 API や、エージェントから呼び出せる MCP サーバーとは同じカテゴリではありません。

エクスポート、プライバシー、データの扱い

Data Miner は、CSV、Excel、クリップボード、または有料プランで Google Sheets にエクスポートできます。料金 FAQ では、スクレイピングしたデータを販売・共有しないと説明されています。また、ブラウザ実行の Crawl ドキュメントでは、通常の自動クロール中にデータが Data Miner のサーバーへ保存されることはないとされており、ジョブ完了後に自分で保存する前提です。Enterprise のサーバー側ジョブは、まったく別の実行モデルです。

Thunderbit は、Google Sheets、Airtable、Notion などの対応先や標準ダウンロード先にエクスポートでき、ワークフローに応じてブラウザ実行とクラウド実行の両方を提供しています。

どちらのアーキテクチャが一律に「よりプライベート」と言い切れるとは思いません。何をスクレイピングするのか、どれだけ機密性が高いのか、どの実行モードを選ぶのかで変わります。データの機密性が重要なら、比較記事を鵜呑みにするのではなく、契約前にベンダーへ確認する価値があります。

料金:ページ上限とレシピ作成コスト

執筆時点での Data Miner の現行料金は以下の通りです。

プラン価格ページ数/月
Free$0500(いくつかのドメインは制限あり)
Solo$19.99/月500
Small Business$49/月1,000
Business$99/月4,000
Business Plus$200/月9,000
Enterprise個別見積もり個別見積もり

クレジットは毎月リセットされ、繰り越しはできません。さらに FAQ によると、無料プランの 500 ページ上限を超えると、アップグレードするまで無料アカウントがロックされる場合があります。これは、プロジェクトの途中で知るには重要な情報です。

Data Miner をレビューする際にほとんど触れられない点として、カスタムレシピ開発を有料サービスとして販売していることもあります。単一のカスタムレシピは 1 回限りで $150、複数階層のレシピ(一覧から詳細まで追うクロールに必要なタイプ)は 1 回 $300、さらに高度なものは見積もり制です。対象サイトに使える公開レシピがなく、自分で作りたくもないなら、サブスク代に加えて実費が発生します。

total-cost

Thunderbit の最新料金については、ここで私が数字を書き並べるよりも、料金ページ を直接確認してください。プランは変わるものですし、古い情報を渡すより、一次情報を見てもらう方が確実です。

実は、より大きなコスト要因は、どちらのプランも表示価格そのものではありません。かかる総時間です。レシピを作成し、維持するには、給料を時間換算に入れない限り、かなりの工数が消えます。エージェント型の再解釈ならその保守負担は避けられますが、毎回 AI が新しく処理するため、別種のコスト(人の時間ではなく計算コスト)が発生します。

どちらを選ぶべき?

Thunderbit を選ぶべき人: 非技術系である、新しいページをスクレイピングしたい、あるいはレシピを作る・探す作業を丸ごと飛ばしたい人です。例えば、ディレクトリからリード一覧を取る営業支援担当、競合の価格ページを毎週確認する市場調査担当、とにかく準備なしで今すぐデータが欲しい人に向いています。

Data Miner を選ぶべき人: 定常的で安定した対象があり、公開レシピがすでに存在して動いている場合、あるいは細かなセレクタ制御を本気で楽しめて、サイト改修のたびにレシピを組み直すのも苦にならない人です。カスタム JavaScript に慣れたパワーユーザーにも合っています。

両方使うべき人: 既存の Data Miner レシピがすでに動いているレガシー案件と、新しくてバリエーションの多い対象が混在しているチームです。こういう場合、古いレシピはそのまま運用し、新しいものは Thunderbit で試す、という使い分けをしているチームを実際に見てきました。多くの「vs」記事が示すような、どちらか一方だけを選ぶ世界ではありません。

最終結論

結局のところ、エージェント型の解釈か、再利用可能なレシピか、という違いに尽きます。そして、どちらの方法があらゆる場面で絶対的に優れているわけでもありません。Data Miner は、根気よくサイトごとに投資することで、繰り返し実行を非常に速くしてくれます。Thunderbit は、初回結果までの速さに強く、その代わりサイトをレシピのように「記憶」し続けるわけではありません。

私の率直なおすすめは、実際にデータが必要な認可済みの対象を 1 つ選び、両方で試してみることです。セットアップにどれくらい時間がかかるか、きれいに取れた行が何件あるか、サイトが変更を入れた後に何が起こるか(レシピは壊れ、エージェントはたいてい適応します)、そして必要ならカスタムレシピ費用も含めて実コストを計算してください。

ワンクリック版を実際に見たいなら、Thunderbit の Chrome 拡張機能 は無料で試せます。レシピ作成は不要です。

FAQ

Data Miner は本当にワンクリックですか? 対象サイト用の動く公開レシピがすでにあれば、ワンクリックになり得ます。なければ、Recipe Creator を使ってゼロから作ることになり、実際のセットアップ時間がかかります。

Data Miner にコーディングは必要ですか? 基本的なレシピなら不要です。Easy Finder を使えば、クリックして行や列を選べます。カスタム JavaScript や高度なセレクタ操作は、より細かく制御したい上級者向けの任意機能です。

Data Miner で複数ページや詳細ページも取得できますか? はい。ページ送りには Next Page Automation を、リンク先詳細ページの取得には 2 レシピ構成の Crawl ワークフロー(List Recipe + Detail Recipe)を使います。

Thunderbit は CSS セレクタを使いますか? いいえ。対応ページでは、エージェントが実行時にページ構造を解釈するため、手動でセレクタを定義する必要はありません。

ログイン後のページではどちらがうまく動きますか? どちらも認可済みブラウザセッションで見えている内容を扱うので、結果は使うツールよりも画面に何が表示されているかに左右されます。

Data Miner はページ数をどう数えますか? 各プランには月間ページクレジットの上限があります。Free と Solo は 500、Business Plus では 9,000 まで増えます。クレジットは毎月リセットされ、繰り越しはできません。

どちらかに API はありますか? Thunderbit には、開発者やエージェント向けに Open API、MCP Server、CLI があります。Data Miner の自動化は主にブラウザベースで、Enterprise 顧客向けにサーバー側オプションがあります。

どちらのスクレイパーも、すべてのサイトで使えますか? いいえ。どちらもページとの相性、権限、サイト構造に依存します。ボット対策、特殊なレイアウト、重い JavaScript レンダリングは、どちらにも制約になります。

Shuai Guan
Shuai Guan
Thunderbit の CEO | AIデータ自動化のエキスパート Shuai Guan は Thunderbit の CEO であり、ミシガン大学工学部の卒業生です。テクノロジーと SaaS アーキテクチャの分野で約10年にわたる経験をもとに、複雑な AI モデルを、実務で使えるノーコードのデータ抽出ツールへと落とし込むことを得意としています。このブログでは、ウェブスクレイピングや自動化戦略について、実践で磨かれた率直な知見を共有し、より賢くデータ主導のワークフローを構築できるよう支援しています。データワークフローの最適化から離れているときは、同じこだわりと観察眼を写真への情熱にも注いでいます。
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Thunderbit · AIウェブデータエージェント

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