10年前の自分に「スマホの開封動画や料理、スニーカーの即売りまでライブ配信で観る時代が来るよ」と言われたら、きっと冗談だと思ってエクセル作業に戻っていたはず。でも2025年の今、ライブ配信はネットの片隅の流行どころか、完全に主役級の存在です。ビジネスオーナーもマーケターも、ライブQ&Aのドキドキ感が好きな人も、ライブ配信は“人とのつながり・買い物・ストーリー共有”の新しい当たり前になっています。
数字を見れば一目瞭然。ここ5年でライブ配信の視聴者数は2倍以上に増え、2030年には市場規模が3,451億ドルに到達する見込み。今回は、ライブ配信が一時的なブームではなく、次世代のデジタル体験を牽引していることを示す最新データやトレンドを深掘りしていきます。
2025年版:ライブ配信の最新データまとめ
まずは2025年のライブ配信&SNSに関する注目の統計をざっとご紹介。要点だけ知りたい人はここをチェック!
統計 | 2025年の数値 | 出典 |
---|---|---|
世界のライブ配信市場規模 | 2024年:1,000億ドル/2030年:3,451億ドル | DemandSage |
週1回以上ライブ配信を視聴するネットユーザーの割合 | 28~30%(約11.7億人) | DemandSage |
2025年第1四半期の総視聴時間 | 297億時間 | StreamsCharts |
平均ライブ配信視聴時間 | 25.4分 | DemandSage |
オンライン動画全体に占めるライブ配信の人気度 | 3番目に人気のジャンル | DemandSage |
YouTube Liveの世界シェア | 50%以上 | StreamsCharts |
TikTok Liveの世界シェア | 27% | StreamsCharts |
Twitchの世界シェア | 16% | StreamsCharts |
ライブ配信と録画動画のエンゲージメント差 | ライブは10%高い | DemandSage |
ウェビナー参加者のリード転換率 | 20~40% | Hubilo |
ライブコマースのカート追加率 | 30~35% | Influencer Marketing Hub |
これはほんの一部。ここから、これらの数字がビジネスやマーケティング、発信者にとってなぜ重要なのかをさらに深掘りしていきます。
なぜライブ配信がビジネスやブランドに不可欠なのか
「うちのビジネスにライブ配信って本当に必要?」と迷っている方、数字がすべてを物語っています。今やライブ動画は業界問わず、マーケティング・営業・顧客とのつながりの中心的な手法です。
ライブ配信がもたらすビジネス効果(データで解説)
- 80%の人が「ブランドのライブ動画」をブログ記事より好む()
- 93%のマーケターが「動画はROIが高い」と回答。特にライブ動画はエンゲージメントでトップクラス
- ライブ配信は録画動画より約10%エンゲージメントが高い()
- Facebookではライブ動画が通常動画の6倍の反応・10倍のコメントを獲得()
- ウェビナー参加者の20~40%が有望リードに()
- ライブ配信を視聴した67%が次回イベントのチケットを購入()
ビジネス効果をまとめた表はこちら:
メリット | データ |
---|---|
エンゲージメント向上 | 録画より10%高い/Facebook Liveで6倍の反応 |
リード獲得 | ライブイベント参加者の20~40%がリード化 |
売上転換 | ライブ視聴者の67%が次回チケット購入/ライブコマースで30~35%がカート追加 |
顧客の好み | 80%がブログよりライブ動画を好む |
ブランド信頼 | 54%がブランド動画をもっと見たい/ミレニアル世代の75%がライブ配信で比較検討 |
つまり、ライブ配信は一部の大手やインフルエンサーだけのものじゃありません。データが証明する“つながり・売上・リピート”の強力な武器です。
ライブ配信をリードする主要SNSプラットフォーム
すべてのライブ配信プラットフォームが同じではありません。リーチ、エンゲージメント、B2Bリード獲得など、目的に合わせて最適な選択肢があります。
2025年注目のライブ配信プラットフォームTOP5
それぞれの特徴を見ていきましょう:
- YouTube Live
- 月間アクティブユーザー27億人超()
- ライブ視聴者の52%がYouTubeを選択()
- 世界中にリーチできて、発見性も高く、商品発表やウェビナーにも最適
- TikTok Live
- 月間ユーザー16億人()
- ライブ視聴時間の27%を占有()
- バズ狙い、インフルエンサーマーケ、ライブコマース、若い世代向け
- Twitch
- 1日あたり3,100万人のアクティブユーザー()
- 世界のライブ視聴時間の16%()
- ゲーム、eスポーツ、テック、コミュニティ重視
- Facebook Live
- 月間アクティブユーザー29.6億人
- ライブ視聴者の42.6%が利用()
- 幅広い層、地域コミュニティ、年齢層高め、双方向イベント向け
- Instagram Live
- 月間アクティブユーザー20億人超
- ライブ視聴者の33%が利用()
- インフルエンサー、ライフスタイル、ビューティー、カルチャー系に最適
おまけ: LinkedIn LiveもB2B分野で急成長中。会員9億人超、ライブ動画のエンゲージメントは通常投稿の7倍。
プラットフォーム機能比較
プラットフォーム | 収益化 | エンゲージメント機能 | 発見性 | リプレイ |
---|---|---|---|---|
YouTube | 広告、スーパーチャット | チャット、投票 | 検索、レコメンド | あり |
TikTok | ギフト、コマース | リアクション、ギフト | For Youページ | 場合による |
Twitch | サブスク、ビッツ | チャット、エモート | カテゴリ、トレンド | あり |
ブランドコンテンツ | チャット、イベント予約 | 通知 | あり | |
ブランドコンテンツ | ハート、共同配信 | ストーリー、通知 | 24h/IGTV |
視聴者のエンゲージメント:ライブ配信でのリアクション
ライブ配信を観ながら「その服どこで買ったの?」とコメントしたり、ハートを連打した経験ありませんか?ライブ配信の魅力は“リアルタイムの双方向性”にあり、データもそれを裏付けています。
- 平均視聴時間:25.4分()
- ライブ動画は録画の3倍長く視聴される()
- Facebook Liveは通常動画の10倍コメントが多い()
- 45%のユーザーが「お気に入りの配信者のライブなら有料でも観たい」()
なぜエンゲージメントが高いのか?
- リアルタイムチャットやリアクション
- パーソナルな呼びかけや名前読み上げ
- 投票やQ&A
- 「今しか見られない」FOMO(見逃し恐怖)
ただし注意点も。67%の視聴者が「画質が最重要」と回答し、50%は90秒以内に離脱()。音声や回線の質にもこだわりましょう。
ライブ配信×リード獲得:視聴者を顧客に変える方法
営業やマーケ担当者にとって、ライブ配信は単なる再生数稼ぎではありません。強力なリード獲得チャネルです。
ライブ配信のリード獲得力
- ウェビナー: 登録者の40~50%が参加し、参加者の20~40%がリード化()
- ライブ商品発表: 視聴者の33%が商品やメルマガに登録()
- ライブコマース: 73%が「ライブデモ後に購入意欲が高まる」、47%が衝動買い()
リード獲得のコツ:
- チャットや説明欄にCTA(登録・特典リンク)を固定
- ライブ視聴者限定の特典を用意
- 投票やQ&Aで参加を促す
- アーカイブ配信後もフォローアップ
私自身、ライブデモ1回で1ヶ月分の営業メール以上のリードが集まるのを何度も体験しています。2025年、顧客は“ライブ”の場にいます。
モバイルvsデスクトップ:ライブ配信はどこで観られている?
モバイルかPCか?答えは「両方」ですが、モバイルが急成長中です。
- ライブ配信視聴の27%がモバイル端末()。TikTokやInstagram、Facebookの影響で拡大中
- 若年層の60%(Z世代・ミレニアル)はテレビでライブ配信を視聴()
対策ポイント:
- 縦型動画やモバイル最適レイアウトを意識
- 字幕や分かりやすいビジュアル(音声オフ視聴も多い)
- 視聴者が端末を使う時間帯に配信を設定
結論:モバイルファーストで考えないと、成長市場を逃してしまいます。
EC業界で急拡大するライブコマース
かつては「買い物=ショッピングモール」でしたが、今やライブ配信中に「カートに追加」するのが当たり前に。
- ライブコマース売上: 2023年に世界で5,000~6,000億ドル、中国が市場の78%を占有()
- 米国のライブコマース売上: 2025年に500億ドル超へ()
- コンバージョン率: ライブ中のカート追加率30~35%()
- 平均注文額: ライブコマース中は12~15%増加()
人気ジャンル: ファッション、美容、家電、食品、不動産まで拡大中。
EC事業者なら「競合はどうしてる?」と自問を。彼らはすでに次のライブ配信を計画しているかもしれません。
世界のライブ配信トレンド:地域別の利用状況
ライブ配信は世界的なムーブメントですが、普及度や人気コンテンツは地域ごとに異なります。
- アジア太平洋: 2022年に視聴時間が90%増加()
- 北米: 米国の42%がライブ視聴経験あり、2024年の米国視聴者数は1億5,800万人()
- 欧州: 2022年に視聴時間が20%増加、ライブコマース普及はやや遅め()
- 中南米: 2022年にライブ視聴時間が70%増、Facebook・Instagramが強い()
- 中東・アフリカ: 一部で高い普及率、UAEはライブコマース参加率16%()
地域別の主要プラットフォーム:
- 中国: Douyin、Kuaishou、Taobao Live
- 米国・グローバル: YouTube、Twitch、Facebook、Instagram、TikTok
- 欧州: YouTube、Twitch、Facebook
ポイントは「各市場に合わせてコンテンツやプラットフォーム戦略を最適化」すること。一律対応は通用しません。
2025年のライブ配信コンテンツ:何が人気?
ライブ配信=ゲーム実況、という時代は終わりつつあります(もちろんゲームも根強い人気)。今注目のジャンルは:
- ゲーム&eスポーツ: 2024年第1四半期、Twitchで33億時間視聴()
- IRL/ライフスタイル: Twitchの「Just Chatting」が常に人気トップ。インフルエンサーQ&A、旅行、料理、日常Vlogも急増
- 音楽&エンタメ: ライブコンサート、DJ、コメディショーも大盛況
- スポーツ: 米国視聴者の29%がスポーツ配信を視聴()
- ニュース&政治: 米国視聴者の34%がニュース速報をライブで視聴
- 教育: ライブ授業、チュートリアル、ウェビナーはB2B・B2Cともに定番
プロのコツ: ハイブリッド型コンテンツが増加中。例:ライブ商品デモ→Q&A→フラッシュセールを1配信で実施。
インフルエンサー&クリエイターの影響力:ライブ配信成長の原動力
正直なところ、インフルエンサーはライブ配信のMVP。Ibai LlanosがTwitchのボクシングイベントで同時視聴385万人を集めたように()、今やクリエイターはテレビ局並みの影響力を持っています。
- 45%のライブ視聴者が「お気に入りの配信者のライブなら有料でも観たい」()
- インフルエンサーがゲスト出演するライブは、ブランド単独配信の2~3倍のエンゲージメント
ビジネスで活かすには?
- インフルエンサーとコラボ配信を企画
- 社内から“顔”となるパーソナリティを育成
- チームの個性や素の魅力を前面に。リアルさが勝負
課題とチャンス:データが示すライブ配信の現実
バズや成功だけでなく、ライブ配信には課題もあります。
主な課題
- 技術的トラブル: 67%が画質重視、50%は不具合で即離脱()
- コンテンツの飽和: 視聴の90%が上位5%のチャンネルに集中
- リテンション: 継続視聴には一貫性と工夫が不可欠
- モデレーション: チャットの荒れ対策にAIツールが必須
- 収益化&ROI: マーケターの約36%しかライブ配信やインフルエンサー活用を主戦略にしていない()
今後のチャンス
- 没入型技術: VR/ARライブ配信が登場間近
- EC連携: ショッパブル配信が標準化へ
- 多言語配信: AI翻訳でグローバル展開も容易に
- コミュニティ機能: サブスク限定チャットやバッジなど
- 高度な分析: ROIやエンゲージメントを可視化するツールの進化
まとめ:2025年ライブ配信統計から見えるポイント
ここまで読んでくれた方(しかもライブ配信中ならなおさら!)、要点をまとめます:
- ライブ配信は主流に: ネットユーザーの30%が週1回視聴、市場も急拡大
- ビジネス効果大: エンゲージメント・リード・売上転換率が高い
- プラットフォーム選びが重要: YouTube、TikTok、Twitchが強いが、ターゲットに合わせて戦略を最適化
- 多様なコンテンツ: ゲーム、ショッピング、教育、ニュースなど何でもライブ化
- インフルエンサーが牽引: クリエイターやパーソナリティが視聴・エンゲージメントを生む
- 品質が命: 技術投資・コンテンツ設計・視聴者参加がカギ
- 未来はインタラクティブ: EC、VR、AIでライブ配信はさらに進化
マーケターもビジネスオーナーも、ライブ料理番組好きな人も、データは明白。ライブ配信は“未来”じゃなく“今”の主役。まだ始めていないなら、そろそろ「配信開始」ボタンを押してみては?Wi-Fiチェックもお忘れなく。
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出典:
本記事の統計・インサイトは、、、、、など、業界の主要レポート・分析をもとにしています。
執筆:Shuai Guan(Thunderbit共同創業者・CEO)。Thunderbitでは、データ・自動化・AIで皆さんのデジタル業務を“ライブ”でもそれ以外でもサポートしています。データや自動化、AIの深掘り記事はやもぜひご覧ください。