ウェブサイトからデータをスクレイピングするのは合法?最新ベストプラクティス徹底ガイド

最終更新日 April 28, 2026

「Web サイトのデータをスクレイピングするのは合法なのか?」――営業、オペレーション、マーケティングのチームから、この質問を受ける機会は本当に増えました。リード獲得から競合調査まで、いまや Web スクレイピングはさまざまな業務を支える手段になっています。だからこそ、白黒はっきりした答えがほしくなるのも自然です。とはいえ、実際の法的状況はそこまで単純ではありません。ある裁判では「公開データの取得は問題ない」と判断される一方で、別の場面では「違法なデータ収集だ」と指摘されることもあります。これでは、どこまでなら大丈夫なのか不安になるのも無理はありません。

しかも今は、3 分の 2 を超える組織が分析や AI プロジェクトのために Web スクレイピングを活用しており、E コマース企業の実に とされています。一方で、LinkedIn 対 hiQ Labs のような注目訴訟も続いており、見過ごせない論点になっています。では、どうすれば Web データの価値を活かしながら、法的リスクを抑えられるのでしょうか。ここでは、ビジネスで押さえておきたい法的枠組み、コンプライアンスの確認項目、実務上のベストプラクティスを整理します。あわせて、 がどうやってコンプライアンスに配慮したスクレイピングを進めやすくしているのかも見ていきます。

Web スクレイピングは合法なのか? まず押さえたい法的な考え方

結論から言うと、Web スクレイピングの合法性は「何を取るか」「どう取るか」「どこで行うか」で変わります。一律に「合法です」「違法です」と言い切れる単独のルールはありません。実際には、不正アクセス関連の法律、プライバシー規制、著作権、さらにサイトごとの利用規約まで、複数のルールが重なっています()。

法的に問題が起きるかどうかを左右する主なポイントは次の通りです。

  • 公開データか、非公開データか: ログイン不要、課金不要で誰でも見られる情報は、比較的リスクが低い傾向があります。反対に、ログインの先にある情報へアクセスする場合は、一気に危うくなります。
  • どんな種類のデータか: 氏名、メールアドレス、SNS プロフィールのような個人データや、記事・画像のような著作物は、価格や商品仕様、事業者一覧のような事実情報よりも慎重に扱う必要があります。
  • 利用目的は何か: 社内分析や調査のために使う場合と、再公開・再販売する場合では、リスクの大きさがかなり違います。
  • サイト側のルールに従っているか: データが公開されていても、利用規約違反や robots.txt の無視が問題になることがあります。
  • 技術的な取り方が適切か: 人が閲覧するのに近いペースで取得し、CAPTCHA や IP ブロックの回避など、技術的な防御を突破しないことが重要です。 web-scraping-legality-zones.png(https://strapi.thunderbit.com/uploads/webscrapinglegalitysafevsriskzones_6ee3935a34.png) 要するに、公開された非個人データを社内利用のために取得することは、多くの地域で比較的受け入れられています。ただし、プライバシー、著作権、取得方法の強引さには大きな注意が必要です()。

世界の主要ルールをざっくり整理:データスクレイピングの法的枠組み

us-eu-china-canada-uk-australia-flags.png ここでは、Web スクレイピングに関係しやすい主要地域の法制度を簡単に見ておきます。

米国:CFAA、著作権、契約

  • Computer Fraud and Abuse Act(CFAA): 本来は不正アクセスを禁じる法律です。「権限なく」コンピューターシステムへアクセスすることを違法とします。ただし裁判所は、公開サイトの情報取得については「そもそも許可が不要なので、CFAA には当たりにくい」と整理してきました()。
  • 代表的な判例: hiQ Labs v. LinkedIn では、公開された LinkedIn プロフィールのスクレイピングは CFAA 違反ではないと Ninth Circuit が判断しました。ただし、LinkedIn 側は利用規約違反や著作権侵害を主張する余地を残しています。
  • そのほかのリスク: たとえば eBay v. Bidder’s Edge のように、1 日 10 万回ものリクエストを送るような強引な取得は、「trespass to chattels(動産侵害)」として問題視されることがあります。要するに、相手のサーバー運用を妨げたとみなされるわけです()。

欧州連合:GDPR とデータベース権

  • GDPR: 公開されている個人データであっても、個人を識別できる情報を扱うなら GDPR の対象です。利用には、同意や正当な利益などの法的根拠が必要になります。
  • Database Directive: EU では、個々の事実が著作権で保護されない場合でも、データベース全体の構成や蓄積に権利が認められることがあります。不動産サイトの全件リストのように、構造化されたデータベースの「相当部分」を取得すると、問題になる可能性があります()。

英国:UK GDPR と Data Protection Act

  • UK GDPR: Brexit 後も、基本的な考え方は EU GDPR にかなり近いままです。公開された非個人データの取得は比較的安全ですが、個人データは厳しく管理されます。
  • Computer Misuse Act: CFAA と似た性格の法律で、無権限アクセスが刑事上の問題になることがあります。

中国:PIPL と Data Security Law

  • Personal Information Protection Law(PIPL): 個人データの収集には同意が必要です。許可なく個人情報をスクレイピングするのはかなり危険です。
  • Data Security Law: データ所有者への損害や不公正競争につながる取得行為を取り締まる根拠として使われます。

そのほかの地域

  • カナダ、オーストラリア、APAC: 多くの地域で、不正アクセス規制やプライバシー保護の考え方は EU・英国に近い傾向があります。対象地域ごとの確認は欠かせません。

ここでの基本方針は明快です。公開された非個人データを、社内利用のために取得する。まずはこの範囲を守るのが安全策です()。

事前に確認したいコンプライアンスチェックリスト

スクレイピングを始める前に、最低限ここは確認しておきたい項目があります。

  1. サイトの利用規約を読む: ToS に「スクレイピング禁止」と明記されているなら、そこで立ち止まるべきです。必要なら許可を取る判断も必要です()。
  2. 公開データだけに絞る: ログインの先や有料エリアの情報は、明示的な許可がない限り対象にしないほうが安全です。
  3. robots.txt を確認する: site.com/robots.txt を見て、対象エリアがボット禁止になっていないかを確認します。法的拘束力が常にあるわけではありませんが、無視しないほうが無難です。
  4. 個人データを避ける: 名前、メールアドレス、その他の個人識別情報を扱うなら、法的根拠とプライバシー対応が必要です。
  5. 創作性の高いコンテンツを丸ごと取らない: 記事本文、画像、大量のクリエイティブ要素の再利用は著作権リスクにつながります。まずは事実情報に寄せるのが基本です。
  6. 公式 API があるなら優先する: 提供されている API の利用は、法的にも運用面でも安定しやすい方法です。
  7. 負荷をかけすぎない: サーバーを圧迫しないよう、人が見るのに近いペースで取得し、技術的制限の突破は避けます。
  8. 取得プロセスを記録する: 何を、いつ、何の目的で取得したかを残しておくと、後で説明しやすくなります。
  9. 停止要請に備える: Cease-and-desist を受けたら、すぐ止めて再評価する体制が必要です。

Thunderbit が実践する、コンプライアンスに配慮したスクレイピング

を作る際、私たちが特に重視したのがこのコンプライアンスの観点です。Thunderbit では、次のような形でリスクを下げやすくしています。

  • ブラウザベースのスクレイピング: Thunderbit は、ブラウザ上で実際に見えている情報だけを対象にします。隠れた API をたたいたり、ログイン制限を裏から回避したりはしません。見えていないものは取れない設計です()。
  • 警告表示: スクレイピングに厳しい方針を持つサイトでは、Thunderbit が警告を出します。法務チェックの代わりにはなりませんが、見落としを減らせます。
  • AI Suggest Fields: AI がページを見て、必要な項目だけを提案します。不要なセンシティブ情報を誤って取ってしまうリスクを下げやすくなります()。
  • 人に近い取得速度: ローカルでもクラウドでも、サーバーに無理な負荷をかけにくいペースで処理します。
  • 取得データをサーバー保存しない: スクレイピングしたデータは利用者の手元へ直接渡され、Thunderbit 側で保持しません。プライバシー対応の面でも扱いやすくなります。
  • 社内利用向けのエクスポート: Google Sheets、Excel、Airtable、Notion へ出力しやすく、内部分析に使う流れを作りやすい設計です。
  • Subpage と Pagination への対応: ページ遷移も実際のユーザーに近い形で行い、無理にエンドポイントを叩くような取得はしません。
  • Scheduled Scraping も節度ある運用前提: 適切な間隔での定期取得を設定でき、毎分たたくような運用になりにくいよう配慮しています。
  • 34 言語対応: UI が多言語対応なので、各国のチームでもガイダンスを理解しやすくなっています。

つまり、Thunderbit は「後からコンプライアンスを考える」のではなく、製品設計の中にコンプライアンスを組み込む 方向で作られています()。

データを取ることと、取ったデータを使い回すことは別問題

scraping-vs-reuse-copyright-risk.png ここは見落とされやすいポイントです。データを取得することと、そのデータを再公開・再販売・再配布することは、法的には別の論点になります。

  • 社内利用: 公開データを社内分析のために使うだけなら、比較的リスクは低めです。もちろん、個人データやプライバシー規制の問題は別途確認が必要です。
  • 再配布・再販売: スクレイピングしたデータを、自社サイトに載せる、製品に組み込む、外部へ販売するといった用途では、著作権、データベース権、契約違反の問題が出やすくなります。
  • 著作権とデータベース権: 米国では、事実そのものは著作権保護の対象外でも、その選択や配置に保護が及ぶ場合があります。EU・英国では、データベースの「相当部分」の取得が問題になることがあります。
  • Fair Use: 米国法にはフェアユースの考え方がありますが、大量の本文やコンテンツをそのまま貼り付けるのは、通常は安全とは言えません。
  • 出典表示: 公開利用するなら出典を示すのは大切です。ただし、出典を書いたから合法になるわけではありません。
  • 生データをそのまま売らない: スクレイピングした加工前データを商品として売るのは、特にリスクが高い行為です。データそのものより、そこから得られる示唆に変換するほうが安全です。

実務では、スクレイピングしたデータは社内インテリジェンスや意思決定に使う。外部に出す必要があるなら、集計・加工・変換したうえで、必要な許可が要るかを確認する。この順番が基本になります()。

判例から学ぶ、法的リスクの避け方

実際の事例を見ると、どこで問題になりやすいのかがよく分かります。

LinkedIn vs. hiQ Labs

  • 何が起きたか: hiQ Labs は、公開された LinkedIn プロフィールをスクレイピングし、従業員離職分析のサービスを作っていました。LinkedIn は差し止めを図りましたが、裁判所は「公開データの取得は CFAA 違反ではない」と判断しました。
  • 学べること: 米国では、公開データの取得には一定の法的防御余地があります。ただし、利用規約違反やプライバシーの論点は別に残ります()。

eBay vs. Bidder’s Edge

  • 何が起きたか: Bidder’s Edge は eBay のオークション情報を非常に高頻度で取得していました。1 日 10 万リクエストというレベルです。eBay の利用規約や robots.txt に反していたこともあり、差止めが認められました。
  • 学べること: 公開データでも、取得が攻撃的すぎたり、明示的なルールに反していたりすると、違法と判断される余地があります()。

Facebook(Meta)vs. Power Ventures

  • 何が起きたか: Power Ventures は、ユーザー同意を根拠に Facebook データを取得していましたが、Facebook がアクセス停止を求めて IP ブロックした後も取得を続けました。裁判所はこれを「無権限アクセス」と判断しました。
  • 学べること: サイト運営者から「やめてほしい」と明確に言われた後に続行すると、一気にリスクが高まります。

コンプライアンスを守って運用されている例

EU の価格比較サイトの中には、事実情報だけを取得し、オプトアウトに配慮し、データベース全体を丸ごと取らない形で運用しているところがあります。大きな訴訟に発展していないこと自体が、公開・非個人・節度ある取得 がひとつの現実的なラインであることを示しています。

Thunderbit ならどう防げるか

Thunderbit の警告表示、レート制御、ブラウザベースの設計は、こうした典型的なミスをかなり減らしやすくします。危ないサイトへの気づきを与え、初期設定の段階から丁寧な取得を促せるからです。

ビジネス利用前に回したいセルフチェック

次のスクレイピング案件を始める前に、簡単でもいいのでこのチェックは回しておきたいところです。

  • 対象データは公開情報か。(ログイン不要か)
  • サイト利用規約は確認したか。(スクレイピング禁止条項はないか)
  • robots.txt を見たか。(対象エリアが拒否されていないか)
  • 個人データを扱っていないか。(扱うならプライバシー対応があるか)
  • サイトの大部分を丸ごと取得していないか。(データベース全体取得は避ける)
  • 利用目的は明確か。(社内利用か、外部再利用か)
  • 取得方法は穏当か。(人に近い速度で、技術的回避をしていないか)
  • 公式 API を確認したか。(使えるなら API を優先する)
  • 停止要請に応じられる体制か。(Cease-and-desist を受けたら止められるか)
  • データの保管方法は適切か。(アクセス制限、保護体制があるか)
  • 取得記録を残しているか。(いつ、何を、何のために取得したか)

この中にひとつでも曖昧な点があるなら、そこで一度止まって確認するのが賢明です()。

Thunderbit を使った、コンプライアンスに配慮した実務フロー

thunderbit-ai-web-scraper-chrome-extension.png Thunderbit を使う場合の、比較的安全な進め方も整理しておきます。

  1. 事前確認: robots.txt と利用規約を確認します。明確な禁止が見当たらなければ、次に進みます。
  2. Thunderbit を起動: 対象ページを開き、 を立ち上げます。
  3. AI Suggest Fields を使う: AI に、必要そうな項目を提案してもらいます。個人データが紛れていないかは必ず確認します。
  4. 項目を調整する: 本当に必要な列だけに絞ります。集めすぎないことも大切です。
  5. スクレイピングを実行する: 「Scrape」を押すと、Thunderbit がページ構造に沿って、人に近いペースでデータを取得します。
  6. 必要なら下層ページも取得する: Subpage 機能で情報を補強できますが、ここでも対象は公開情報に限るのが基本です。
  7. エクスポートする: Google Sheets、Excel、Airtable、Notion へ出力し、社内分析に回します。
  8. 必要に応じてスケジュール設定: 過度に短い間隔ではなく、適切な頻度で定期取得を設定します。
  9. 記録を残す: 何を、いつ、何のために取得したかを残しておきます。

Thunderbit は、各ステップでコンプライアンス上の注意点があれば気づけるように設計されています。何も分からないまま進める状態にはなりにくいはずです。

Web データの価値は大きい。ただし、ルールを前提に使うことが欠かせない

Web スクレイピングは、事業成長に直結する強力な手段です。ただし、何をしてもよい世界ではありません。法律の全体像は複雑でも、押さえるべき原則は比較的はっきりしています。

  • まずは公開された非個人データを、社内利用のために取得することを基本にする。
  • 始める前に、利用規約、robots.txt、関係法令を確認する。
  • 個人データや創作性の高いコンテンツは、法的根拠とプライバシー対応がない限り避ける。
  • のようなコンプライアンス配慮型ツールを使い、実務フローの中でリスクを下げる。
  • 取得プロセスを記録し、停止要請があればすぐに対応できる状態にしておく。

コンプライアンスを特別な作業ではなく、日々の運用習慣にできれば、Web データの価値を活かしながら、余計な法的トラブルは避けやすくなります。実際にどれくらい進めやすいかを見たいなら、 のが早いかもしれません。あとで法務に説明する側の人も、きっと助かるはずです。

Web スクレイピング、コンプライアンス、自動化についてさらに知りたい場合は、 も参考になります。

Try AI Web Scraper for Compliant Data Extraction

FAQs

1. どの Web サイトでも自由にスクレイピングしてよいのでしょうか。
必ずしもそうではありません。公開されている非個人データを社内利用のために取得するのは、多くの地域で比較的許容されやすい一方、個人データ、著作物、ログインの先にある情報の取得は高リスクです。着手前に、利用規約と地域の法令を確認する必要があります()。

2. スクレイピングと、取得データの再利用はどう違うのでしょうか。
スクレイピングはデータを集める行為です。再利用は、それを公開、販売、配布することを指します。社内利用のほうが安全性は高く、再公開や販売になると、著作権、データベース権、契約違反の問題が出やすくなります()。

3. Thunderbit は、どのようにコンプライアンス対応を助けてくれますか。
Thunderbit は、ブラウザ上で見えている情報だけを対象にし、リスクの高いサイトでは警告を出し、関連性の高い項目だけを提案し、サーバーへ過度な負荷をかけないペースで処理します。取得データを保持しない点も、社内利用向けに扱いやすいポイントです()。

4. Cease-and-desist を受け取ったら、どうすればよいですか。
まずは直ちにスクレイピングを停止し、案件全体を見直してください。明確な停止要請の後に続行すると、不正アクセス関連法や契約違反の問題として、かなり不利になります()。

5. 公開されている個人データなら、取得しても問題ないのでしょうか。
そのまま自由に使えるわけではありません。GDPR や CCPA のようなプライバシー規制は、公開されている個人データにも及びます。同意や正当な利益などの法的根拠が必要で、取得後の取り扱いにも注意が必要です()。

This guide is for informational purposes only and does not constitute legal advice. For complex or high-stakes projects, consult a qualified attorney familiar with data and privacy law in your jurisdiction.

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Shuai Guan
Shuai Guan
ThunderbitのCEO | AIデータ自動化の専門家 Shuai GuanはThunderbitのCEOであり、ミシガン大学工学部の卒業生です。テックとSaaSアーキテクチャの分野で約10年にわたる経験をもとに、複雑なAIモデルを実用的なノーコードのデータ抽出ツールへと落とし込むことを得意としています。このブログでは、ウェブスクレイピングや自動化戦略について、実践で鍛えた率直な知見を共有し、より賢くデータドリブンなワークフローの構築を支援します。データワークフローの最適化をしていないときは、写真撮影という趣味にも同じく細部へのこだわりを注いでいます。
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