想像してみてください。肌寒い土曜の朝、温かいコーヒーを片手にEtsyをのぞきながら、ちょっと変わったマグカップや特別な誕生日プレゼントを探している——そんな時間を過ごしているのは、実はあなただけじゃありません。世界中の何百万人もの買い手と売り手が、毎日Etsyでクリエイティブな商品をやりとりし、活気あふれるデジタルマーケットを作り上げています。Etsyは単なるテック企業ではなく、ハンドメイドやヴィンテージ、個性あふれるアイテムが集まるオンラインの“心臓部”のような存在。そして2025年、Etsyのマーケットプレイスを支える数字たちは、そこに並ぶ商品と同じくらい面白いストーリーを語ってくれます。
SaaSや自動化の分野で長年仕事をしてきた私にとって、こうしたプラットフォームの裏側にあるデータはいつもワクワクします。Etsyの最新統計を見ていると、市場がものすごいスピードで進化しているのがよく分かります。Etsyショップを運営している人、EC業界のトレンドを追いかけている人、あるいはAmazonやShopifyのような大手とEtsyを比べてみたい人にも、2025年版のetsy 統計は必見です。
Etsy統計2025年:注目ポイント&主要データ
まずは2025年のEtsyに関する主な数字をざっくりまとめてみました。サクッと知りたい人や、次のミーティングで話題にしたい人は、このチートシートをぜひ活用してください。
- アクティブ購入者数: 約8,850万人(2025年第1四半期、前年同期比3%減/2024年Q1は9,160万人)
() - アクティブ販売者数: 約540万人(2025年第1四半期、前年同期比23%減/2024年Q1は700万人)
() - 総収益(2024年): 28.1億ドル(過去最高、前年比+2.2%)
() - マーケットプレイス収益(2024年): 20.2億ドル
() - サービス収益(2024年): 7.88億ドル(前年比+4.8%)
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- 流通総額(GMS, 2024年): 109億ドル(前年比5%減)
() - 月間ウェブサイト訪問数: 3億9,000万〜4億(2025年初頭)
() - 主なトラフィック国: アメリカ(全体の53〜58%)
() - 購入者属性: 女性59%、18〜44歳が66%
(, ) - マーケティング費用(2024年): 8億5,660万ドル(収益の30%)
() - テイクレート(2025年Q1): 23.3%(過去最高)
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Etsy購入者:2025年のユーザー像
Etsyの購入者数は今も圧倒的ですが、コロナ禍のような爆発的な伸びは落ち着いてきました。2025年第1四半期のアクティブ購入者数は約8,850万人で、前年の9,160万人からやや減少()。それでも2019年の2倍近い規模で、市場が安定期に入ったこと、そしてコロナ特需が一段落したことが分かります。
注目したいのは、その裏で起きている“入れ替わり”です。2025年Q1だけで新規購入者480万人、休眠から復帰した購入者650万人が加わりました()。一方で、常連購入者(年6回以上購入&年間200ドル以上利用)は620万人と、前年から11%減少()。“出入りが激しい”一方で、コアなファン層はしっかり根付いています。
Etsy購入者の属性
Etsyの購入者層は、クリエイティブで若い女性が中心。マーケターにとっては理想的なターゲットです。
- 性別: 女性59%、男性41%()
- 年齢: 18〜44歳が66%、最大ボリュームは25〜34歳()
- 地域: 米国が中心ですが、海外購入者も増加中。現在GMSの約25%が米国外から()
また、Etsyアプリ経由の購入が急増し、GMSの44%を占めるまでに()。購入目的はギフト需要が多く、2024年の全体購入の44%が贈り物関連()。“World’s Okayest Dad”マグカップのようなユニークギフトも大人気です。
Etsy販売者:成長・減少・グローバル化
ここからが本題。アクティブ販売者数は2025年Q1で約540万人と、前年の700万人から大幅減少()。その背景には、Etsyによる“質の向上”のための整理(非アクティブ・低品質アカウントの削除、アクティブ定義の厳格化)があります。残った販売者はより本気度が高く、買い手にとっても安心できる環境になっています。
購入者:販売者比率は現在約16:1()。過当競争を心配していた販売者にとっては朗報です。アメリカの個人事業主(特に女性、米国販売者の83%が女性)が中心で、29%が本業としてEtsyを運営、残りは副業や趣味で活用しています。
Etsy販売者のトレンド・特徴
- グローバル展開: 米国に次いでイギリス、カナダ、ドイツ、フランス、オーストラリアが主要市場()。
- 商品カテゴリ: ジュエリー&アクセサリー(GMSの32%)、ホーム&インテリア(19%)、アパレル(11%)、クラフト素材(9%)、ペーパー&パーティー用品(6%)()。
- カスタム・デジタル商品: 2024年のGMSの約30%がカスタム・受注生産品。デジタル商品(印刷データ等)も急成長中()。
新たな出店手数料や規約強化で、真剣な販売者が残り、初心者には少しハードルが上がっています。これからEtsyでショップを始めるなら、しっかりとした準備と“ひと工夫”が求められます。
Etsy収益2025:マーケットプレイス・サービス・成長
取引総額が減少しても、Etsyの収益はしっかり伸びています。2024年の総収益は28.1億ドルで過去最高、前年比+2.2%()。収益の内訳は以下の通り:
- マーケットプレイス収益: 20.2億ドル(取引・出品手数料など)
- サービス収益: 7.88億ドル(広告、決済、配送ラベル等)、前年比+4.8%
2025年Q1の四半期収益は6億5,120万ドルで、GMS減少にもかかわらず微増()。マーケットプレイス収益は前年比1.8%減ですが、サービス収益は7.7%増()。つまり、1件あたりの収益が増え、広告事業が好調です。
マーケットプレイス収益 vs サービス収益
Etsyのテイクレート(GMSに対する収益比率)は2025年Q1で過去最高の23.3%()、前年の21.6%から上昇。特にEtsy Adsなどのサービス収益が急成長しており、販売者は広告出稿に積極的です。
他のテック企業と比べても、Etsyの収益成長は堅実。Amazonほどの規模ではありませんが、eBayを一部指標で上回り、独自の収益モデルを築いています。
Etsyのトラフィック&ユーザー行動データ
は2025年初頭、月間3億9,000万〜4億回の訪問を記録()。これはWalmart.comを上回り、eBayやAmazonには及ばないものの、かなり高い水準です。平均セッション時間は約5分、1回の訪問で6.2ページ閲覧。直帰率は約42%と、ECサイトとしては良好な数字です()。
トラフィックのピークはホリデーやギフトシーズン。モバイルアプリの利用も過去最高で、GMSの44%を占めています()。AIによるパーソナライズも進み、ユーザーの閲覧・購入頻度がアップしています。
国別Etsyユーザー割合
- アメリカ: 53〜58%
- イギリス: 約8〜9%
- カナダ: 約5%
- ドイツ: 約4%
- フランス: 約3%
- その他: 約21%()
Etsyの海外GMS比率は年々上昇し、今や全体の25%が米国外からの売上()。特にイギリスが強く、ドイツ・フランス・カナダ・オーストラリアも成長中です。
流通総額(GMS)と収益性
Etsyの“売上総額”である流通総額(GMS)は2024年で109億ドル、前年から約5%減少()。グループ全体(子会社含む)では125.9億ドルで、パンデミック期の135億ドルから3年連続の減少です()。
それでも、Etsyの収益性は依然として高いのが特徴。2025年Q1の調整後EBITDAは1億7,110万ドル(利益率26.3%)、2024年通期の純利益は約3億300万ドル(利益率11%)()。2025年Q1は一時的な費用で赤字ですが、本業はしっかり黒字をキープしています。
Etsyの利益動向
利益を支えているのは、手数料の引き上げ、広告収入の増加、コスト管理の徹底。**粗利益率は約72%**と、マーケットプレイス型ビジネスとしてはかなり高水準です。他のテック企業と比べても、Etsyの利益率は際立っています。
Etsyの広告・マーケティング投資
Etsyは成長のための投資を惜しみません。2024年のマーケティング費用は8億5,660万ドルで、収益の約30%()。前年比13%増で、検索広告からテレビCMまで幅広く展開しています。
この積極投資の狙いは、新規購入者の獲得と休眠ユーザーの呼び戻し。特にギフトシーズンに力を入れています。Etsy Adsなどの広告事業も好調で、2025年Q1のサービス収益(主に広告)は前年比7.7%増()。データドリブンなマーケティングで、費用対効果の低いチャネルはどんどん見直し中です。
ちなみに、Etsyのホリデー広告では実際の販売者が登場し、“人の温もり”を前面に打ち出しています。
Etsyと他のテック企業:市場での立ち位置
Etsyは“クリエイティブ市場”の中で大きな存在感を放っています。アメリカのECマーケットプレイスのトラフィックランキングでは4位(Amazon、eBay、Walmartに次ぐ)で、ニッチ系競合よりも上位です()。ハンドメイド分野ではAmazon Handmadeが最大のライバルですが、Etsyは手数料(6.5% vs Amazonの15%)やコミュニティの強さで優位性があります()。
Shopifyは独立型ストアを多数支えていますが、Etsyのように買い手を集約する仕組みはありません。eBayは取扱高でEtsyを大きく上回りますが、主にコレクターズアイテムや量販品が中心です。
Etsyの**テイクレート(2025年Q1で23%)**はeBay(約13%)より高く、広告や決済などの付加価値が評価されています()。規模は小さくても、クリエイターやハンドメイド作家にとっては欠かせない存在です。
まとめ:2025年のEtsy展望
- 購入者数は安定(約9,000万人)、新規・復帰ユーザーで離脱をカバー
- 販売者数は減少も、質は向上。購入者:販売者比率も健全化
- 収益は増加傾向(手数料・広告収入の拡大)、取引総額はやや減少
- 海外展開が加速、GMSの25%が米国外に
- マーケティング投資は過去最高、購入者・販売者双方の成長を後押し
- Etsyのニッチ&コミュニティ重視が、競争激化の中で最大の強み
Etsyショップ運営者にとっては、競争がやや緩和され、チャンスが広がる状況です。買い手にとっても、Etsyのマーケットは今なお多彩でクリエイティブ。EC業界全体を見ても、Etsyが“らしさ”を保ちつつ利益を伸ばしている点は注目に値します。
調査方法・データ出典
本記事の統計データは、、、、、、、など、信頼できる最新情報をもとにまとめています。四半期レポートや業界ニュース、分析ツールを横断的に参照し、正確性と新しさを重視しています。
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