先日、不動産投資をしている知人から、Zillowの物件情報をスプレッドシートへ手入力する作業に土曜の午前中を費やした、と連絡がありました。住所、価格、担当エージェント名を1件ずつ転記していたそうです。本人は「まるで石器時代に戻ったみたい」と笑っていましたが、同様の負担を抱える利用者は少なくありません。あるRedditの投稿でも、競合調査でZillowのデータを集める作業を「スプレッドシートに延々とコピペするだけの原始人状態」と表現しているユーザーがいました。https://www.reddit.com/r/WebScrapingInsider/comments/1rslli7/whats-the-best-way-to-scrape-zillowcom-and-how/
Zillowには約1億7,300万戸の住宅が掲載され、月間平均ユニークユーザー数は約2億2,100万人とされています。米国の物件調査で広く参照される一方、Zillowは公開APIをすでに終了しています。2026年現在、公開情報を参照した範囲では、大量データを自由に書き出せるセルフサービス型の公開リスティングAPIも確認できません。開発者向け利用規約では承認や利用条件が定められています。
そのため、物件データをまとめて扱う際は、2005年式の手作業で転記する方法に加え、用途と利用条件に合うスクレイパー拡張機能を検討することになります。本記事では、4万5,000件規模のリスティング作業も想定し、ZillowスクレイパーのChrome拡張を5つ試しました。使い勝手、取得項目、価格、ページネーション、ボット対策、エクスポート先を同じ基準で整理し、どの用途にどの製品が合うかを比較します。
そもそも、なぜZillowをスクレイピングするのか
Zillowには、売買物件、賃貸、FSBO、価格履歴、エージェント情報、周辺環境、学区データが、1つの画面にまとめられています。投資家、エージェント、ホールセラー、アナリストが初期調査で参照する情報源のひとつです。NAR 2025 REALTORS Technology Surveyによると、REALTORが新しいテクノロジーを導入する最大の理由は「時間の節約」で、その割合は66%です。一方、BiggerPocketsの比較物件に関するフォーラム回答では、ZillowやRedfinから「情報を寄せ集めてスプレッドシートに落とし込む」方法が今も紹介されています。https://www.biggerpockets.com/forums/48/topics/852901-how-do-i-finds-comps
フォーラム、製品ページ、ユーザー同士のやり取りを見ると、主な用途は次のように整理できます。
| 役割 | 取得するもの | 目的 |
|---|---|---|
| 不動産投資家 | リスティング情報 + 価格履歴 | 比較物件分析、利回りスクリーニング、CAGR計算 |
| ホールセラー | FSBO物件 + 所有者/エージェントの連絡先 | アプローチとリード獲得 |
| エージェント/ブローカー | 競合リスティング + エージェント詳細 | 市場動向の把握と顧客向けレポート |
| 市場アナリスト | 価格情報 + エリア/トレンドデータ | 地域市場の方向性をモニタリング |
選定時に見るべきなのは、Zillowの情報量だけではありません。必要な項目を、手入力の工数を増やさず、分析や営業活動に使える形式で取得できるかが重要です。
各ZillowスクレイパーChrome拡張を評価するときに重視したポイント
今回は、各拡張を次の8項目で比較しました。導入のしやすさだけでなく、取得範囲、費用、結果件数への対応、出力後の運用までを同じ基準で見るためです。
| 基準 | 重要な理由 |
|---|---|
| 導入のしやすさ(ノーコードか) | 利用者の多くは投資家、エージェント、アナリストで、開発者ではないため |
| 取得できるデータ項目 | 住所と価格だけでは足りず、エージェント情報、学区評価、売却履歴まで求められることが多いため |
| 無料枠と価格 | 個人投資家や小規模チームほど、予算は大きな判断材料になるため |
| ページネーション / 500件制限の回避 | Zillowの検索結果には検索条件や表示方法に応じた件数上限があるため |
| サブページ拡張 | 個別の物件ページまで入り込んで、詳細データを取れるかどうか |
| エクスポート先 | CSVは最低ライン。実務ではGoogle Sheets、Airtable、Notion、CRM向け出力が効く |
| ボット対策への対応 | Zillowにはボット対策があり、拡張機能ごとに差が出る |
| 定期スクレイプ | 投資家やアナリストは一度きりではなく、継続的な監視を必要とする |
比較表だけで最終判断せず、自分の検索条件、必要項目、想定件数で試した結果を重視してください。本記事では、この8項目を共通軸として各製品の向き不向きを整理します。

1. Thunderbit
Thunderbitは、Zillowのほか、Amazon、LinkedInなど、さまざまなWebページから表形式のデータを取得するための汎用AIウェブスクレイパーです。私たちThunderbitが自社で開発しているツールなので内部事情にも詳しいですが、得意な用途と注意点の両方を説明します。Zillowの検索結果から必要な列を短時間で試したい場合に候補となる一方、取得可否はページ構造、公開状態、サイト側の利用条件によって異なります。
Zillowで使う場合は、Thunderbit Chrome拡張をインストールし、検索結果ページで「AIで項目を提案」をクリックします。AIが価格、住所、ベッド数、バス数、エージェント名、リスティングURLなどの列候補を提示するため、内容を見直してから「スクレイプ」を実行します。ページによって列候補や取得結果が異なる場合があるため、最初の出力で必要項目が揃っているかを検証します。

AIによる項目検出
「AIで項目を提案」は、CSSセレクタやXPathを手で組まずに、抽出列の候補を作るための機能です。AIがZillowのページを読み取り、列名とデータ型を提案します。物件種別で分類したい場合や、「1平方フィートあたりの価格」を加えたい場合は、「項目AIプロンプト」で条件を調整できます。
私がZillowの検索ページで試した範囲では、初回提案のおよそ9割をそのまま利用できました。列名の変更や、見落とされた列を1つ追加する必要はありましたが、今回のテストでは約2秒で済む調整もありました。実際の精度と調整時間は、ページ構造や必要項目によって変わります。
エージェント情報、価格履歴などを取得するサブページスクレイピング
ThunderbitとZillow専用エクスポーターの違いのひとつが、サブページスクレイピングです。まずリスティング一覧をスクレイプし、続けて「サブページをスクレイプ」をクリックすると、各物件ページを巡回し、取得できた詳細データを元の表に追加します。候補には、エージェント名、エージェント電話番号、価格履歴、市場掲載日数、学区評価、HOA費用など、検索結果のグリッドに表示されない項目も含まれます。実際に取得できる項目は、ページの公開状態や構造によって異なります。
ビフォー・アフターはこんなイメージです。
| 住所 | 価格 | ベッド数 | → エージェント名 | エージェント電話番号 | 市場掲載日数 | 学区評価 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 123 Oak St | $450,000 | 3 | Jane Smith | (555) 123-4567 | 14 | 8/10 |
サブページから列を補完できれば、一覧データをアプローチ、比較分析、市場レポートに使うための追加作業を減らせます。ただし、連絡先を扱う場合は、利用目的や適用される規約も見直す必要があります。
ページネーション、クラウドモード、定期スクレイプ
Thunderbitは、クリック型のページ送りと無限スクロールに対応しています。実際にたどれる範囲は、Zillow側の検索結果構造や読み込み方法によって変わります。実行モードは次の2つです。
- ブラウザモードは、ログイン済みのChromeセッション内で動きます。Cookieやセッションを利用するページを扱いやすい一方、ブロックや検知を回避できることを保証するものではありません。
- クラウドモードは、プランや設定の範囲内で、リモート基盤から最大50ページを同時に処理します。速度を出しやすい反面、対象サイトの規約、アクセス制御、負荷を考慮する必要があります。
Zillowでは、ログイン状態や画面表示を保ったまま処理したい場合、ブラウザモードが候補になります。ただし、どちらのモードでも検知リスクはアクセス頻度やサイト側の対策に左右されます。
定期スクレイピングでは、価格の変化などを追うための繰り返し実行を設定できます。自然な言葉で間隔を指定し、スケジュールへ変換する仕組みです。利用可能な頻度や実行範囲を見たうえで、値下がりの追跡や市場監視に必要な間隔を決めます。
Excel、Sheets、Airtable、Notionへのエクスポート
Thunderbitは、Excel、Google Sheets、Airtable、Notion、CSV、JSONへのエクスポートを案内しています。無料で利用できる範囲や出力条件は、現在のプラン仕様に従います。取得したデータをCRMや既存の作業環境へ移したい場合は、必要な出力先と列形式が合うかを実データで確かめると判断しやすくなります。
今回比較した製品にはCSVを主な出力形式とするものもあるため、継続運用では、取得後の転記や連携に必要な作業も含めて比較する必要があります。
価格
2026年4月時点で、Thunderbitの料金はクレジット制を採用しており、1クレジット = 出力1行です。
- 無料プラン: 6ページ、1ページあたり最大30クレジット
- Starter: 月額15ドルで月500クレジット(または年額108ドル)
- Pro: 月額38ドルの3,000クレジットから、月額249ドルの20,000クレジットまで
無料枠を使う場合は、まずZillowの検索結果1ページで必要な列を取得し、精度と出力形式を見てから、想定件数に必要なクレジットを計算すると比較しやすくなります。
Thunderbitの強みと弱み
強み: AIによる項目検出、サブページの書き足し、定期スクレイプ、複数先へのエクスポート、ブラウザ/クラウド両対応。Zillow以外でも、ページ構造と利用条件が対応範囲に入るサイトで利用できます。複数の出力先や継続監視まで同じツールで扱いたい場合に向いています。
弱み: クレジット制なので、取得行数が多い場合は有料プランを含めた費用試算が必要です。ニッチな項目では、AIの提案を手直しすることもあります。Zillowの物件を20件だけ一度書き出す用途なら、より単純な専用ツールも比較候補になります。
2. ScrapperToolのZillow Scraper Tool
ScrapperToolの公開案内では、不動産スクレイピング向けの拡張としてZillow用モジュールが紹介されています。Chrome Web Storeから導入し、ポップアップフォームで無料トライアルを有効化した後、Zillowの検索URLをScrapperToolのダッシュボードに貼り付けて「Start Process」を押す流れです。

データ項目と出力
ScrapperToolのZillowガイドでは、取得できる項目として次が挙げられています。
- 物件名、リスティングリンク、価格
- エージェント名、エージェント電話番号、エージェントメール
- ブローカー名、ブローカー電話番号
- 寝室数、地域、物件種別、面積/サイズ
- Googleマップの場所、主要施設
公開ガイドに記載された範囲では、エージェントとブローカーの連絡先を含むため、リード候補の整理に使える可能性があります。実際の取得可否はリスティングの公開内容によって異なり、連絡先データは利用目的と適用される規約に沿って扱う必要があります。出力形式として案内されているのは、ダウンロード可能なCSVファイルです。
複数サイト対応
ScrapperToolでは、対応先として99acres、Housing、Airbnb、MagicBricks、NoBroker、Quikr、RealEstateIndiaが案内されています。これらの不動産プラットフォームも対象にする場合は、候補になります。
足りない点
- Zillowモジュールのサブページ書き足し:公開文書では確認できない
- エクスポート:公開文書で確認できるのはCSVで、Sheets、Airtable、Notion連携は確認できない
- 定期スクレイピング:公開文書では確認できない
- クラウドスクレイピングモード:公開文書では確認できない
- ページネーション:一般的な対応は案内されているが、Zillow固有の流れを説明する文書は確認できない
価格
ScrapperToolは無料トライアルと上位向けのPro版を案内していますが、Zillowページ上では明朗な価格表を公開していません。アップグレードはメール、電話、またはWhatsApp経由です。事前にコストを比べたい人にとって、この不透明さは弱点になります。
おすすめ用途: Zillowの物件からエージェントやブローカーの連絡先を手早く集めたいとき。特に、他の不動産プラットフォームのデータも合わせて欲しい場合に向いています。
3. Z Real Estate Scraper
Tidis VenturesのZ Real Estate Scraperは、Zillow向けに用途を絞った拡張です。今回比較した公開情報では、機能説明が比較的詳しく、操作ボタンはScrape、Clear Data、Downloadの3つと案内されています。

動作の仕組み
公開されている製品案内では、Zillowの検索結果ページを開き、拡張機能アイコンから「Scrape」を実行すると、自動スクロールしながら表示中のリスティングを読み込み、次の項目を抽出します。
- 日付、住所、価格、ベッド数、バス数、面積、リスティングリンク、平方フィート単価
出力先として、CSVダウンロードとGoogle Sheetsが案内されています。Google Sheetsで後続作業を行う場合は、必要な列と出力結果が合うかを試用時に検証できます。
自動リード抽出(ベータ)
製品案内では、拡張機能の設定から、個別の物件ページへ移動して詳細データを取得するベータ機能を有効化できるとされています。対象として、掲載エージェントの電話番号とメール、所有者の電話番号とメール、HOA費用、税評価、築年数、ガレージ台数、冷暖房情報などが挙げられています。取得可否は物件ページの公開内容や設定によって異なります。
製品ページには、この挙動がZillowに自動化と判断され、IPブロックにつながる可能性があると明記されています。間隔をランダム化する仕組みも説明されていますが、ブロック回避を保証するものではありません。導入判断では、取得項目だけでなく、このリスク開示も合わせて評価できます。
足りない点
- クラウドスクレイピング:公開情報では確認できず、ブラウザでの利用が案内されている
- 定期スクレイプ:公開情報では確認できない
- AirtableやNotionへのエクスポート:公開情報では確認できない
- サブページ自動化:ベータ版として案内され、IPブロックのリスクが示されている
- 無料版:1ページあたり最初の50件までと案内されている
価格
無料版ではリスト件数に制限があると案内されています。PremiumではZillowのリスティング件数上限の緩和または解除が案内され、詳細データのフルダウンロードにはElite版が必要になる場合があります。正確な価格は、見やすい公開比較表では示されていません。プラン名、件数上限、詳細データの範囲は契約時の条件によって判断する必要があります。
おすすめ用途: シンプルで軽いZillowスクレイパーが欲しい人。必要に応じて詳細ページの自動化やGoogle Sheets出力も使いたいものの、ベータ機能とブロックリスクを許容できる場合に向きます。
4. Zillow Mega Data Exporter
Zillow Mega Data Exporter(Chrome Web Storeでは「Zillow Mega Scraper」としても掲載)は、Zillowの表示結果件数への対応を主な訴求点とする専用拡張です。製品側の宣伝文句はこうです。「Zillowマップ上に表示されている物件データを、最初の800件だけでなくすべてダウンロードできる。」実際の取得範囲や条件は、公開文書だけでは判断できません。

想定される用途
このツールは、検索結果の表示件数に上限がある場面を対象にしています。広いエリアを検索し、表示される物件が一部に限られる場合に、取得範囲を広げたい利用者向けの設計です。製品側はノーコードで使える「無制限」エクスポーターとして案内していますが、「無制限」の具体的な対象、件数、利用条件は公開情報からは判別できません。
何が不明か
公開ドキュメントの薄さでは、このグループで最も情報が少ない製品です。以下は確認できませんでした。
- 出力されるデータ項目の正確な一覧
- Google Sheets、Airtable、Notionとの連携
- 定期スクレイピング機能
- サブページ書き足し
- ブラウザ型かクラウド型かの明確な説明
- 公開された有料プランの料金表
Webサイトには「Free」バッジと「Limited Time Offer」の表記がありますが、詳細がないため、実際に何が前提なのか判断しづらいのが正直なところです。
価格
無料枠はあるようですが、それ以外の価格体系は公開されていません。
おすすめ用途: いちばんの悩みがZillowの表示件数上限で、単発の一括エクスポートさえできればいい人。フル機能の業務ツールだとは期待しないほうが無難です。
5. Comp Crunch
Comp Crunchは、比較物件分析に用途を絞ったツールです。公開案内では、Zillowで検索した後に「Get Results」を押すと、CSVまたはPDFで結果を出力できます。平均、中央値、25パーセンタイル、75パーセンタイルの価格に加え、売却済み物件が時間とともにどう動いたかを示すサマリー統計も案内されています。

Comp Crunchが向いている用途
比較物件のスナップショットを短時間で作りたい場合、たとえばクライアント向けの簡易レポートや物件評価の妥当性チェックでは、Comp Crunchが候補になります。今回比較した公開機能の中では、平均、中央値、パーセンタイルなどをまとめる統計要約が特徴です。一方、大量抽出や継続監視を主目的とする場合は、別の製品も比較する必要があります。
結果件数上限の注意点
Comp Crunchは、このセットの中でZillowの結果制限を最もはっきり扱っています。Chrome Web Storeの掲載ページには、各検索結果は「最大500件、それ以下のこともある」と書かれており、すべてのリスティングが欲しいなら検索条件を変えながら何度も書き出すよう案内されています。自動ページネーションはなく、Zillowが表示する範囲の中で作業する形です。
価格に関する注意
押さえておきたい食い違いがあります。Chrome Web Storeの掲載では無料プランと有料プランの流れに触れていますが、現在のComp Crunchの料金ページでは有料プランは終了したとされています。無料機能は残っており、同社はコンサルティングとカスタムソリューションへ軸足を移しています。無料利用だけなら致命的ではないものの、事業の方向性は他のツールより読みにくいです。
おすすめ用途: 手早い比較物件のスナップショットや、エリア単位の統計的な文脈把握。大量抽出、自動化、下流ワークフロー向けには作られていません。
5つのZillowスクレイパーChrome拡張を並べて比較
ここでは、8つの評価基準を同じ表で比較します。ラベルは公開情報と今回の試用範囲を示すもので、将来の提供を保証するものではありません。✅ = 対応が案内または試用で確認できた項目、⚠️ = 一部のみ/ベータ/条件が不明瞭、❌ = 公開文書で確認できない、または明確に未対応と案内された項目です。
| 機能 | Thunderbit | ScrapperTool | Z Real Estate Scraper | Zillow Mega Data Exporter | Comp Crunch |
|---|---|---|---|---|---|
| ノーコード設定 | ✅(公開案内上) | ✅(公開案内上) | ✅(公開案内上) | ✅(公開案内上) | ✅(公開案内上) |
| 無料枠 | ✅(6ページ) | ⚠️ 無料トライアル、制限は不明瞭 | ⚠️ 無料版、50件/ページ制限 | ⚠️ 「Free」/期間限定表記 | ✅ 無料機能は継続と案内 |
| ページネーション取得 | ✅(ページ構造・設定による) | ⚠️ 広くうたうが、Zillow特有の証拠は薄い | ✅ ページ移動を自動化し、遅延あり | ⚠️ 目に見えるマップ範囲の出力に特化 | ❌ 約500件で制限と案内 |
| サブページ補完 | ✅(ページの公開状態・設定による) | ❌(公開文書で確認できず) | ⚠️ ベータ、ボット対策リスク高め | ❌(公開文書で確認できず) | ❌(公開文書で確認できず) |
| Airtable/Notionへ出力 | ✅(利用範囲はプラン・仕様による) | ❌(公開文書で確認できず) | ❌(公開文書で確認できず) | ❌(公開文書で確認できず) | ❌(公開文書で確認できず) |
| 定期スクレイプ | ✅(利用範囲はプラン・設定による) | ❌(公開文書で確認できず) | ❌(公開文書で確認できず) | ❌(公開文書で確認できず) | ❌(公開文書で確認できず) |
| クラウド + ブラウザモード | ✅(対象サイトとプラン条件による) | ❌(公開文書で確認できず) | ❌(公開文書で確認できず) | ❌(公開文書で確認できず) | ❌(公開文書で確認できず) |
| Zillow以外でも使える | ✅(対応可否はサイト構造・利用条件による) | ⚠️(複数の不動産サイト) | ⚠️(不動産特化) | ❌(Zillow専用) | ❌(Zillow専用) |
公開情報と今回の試用範囲では、Thunderbitは8項目を横断して扱える候補です。一方、行数に応じたクレジット制のため、取得件数が多い場合は費用試算が必要です。他の4製品は、連絡先取得、軽量な操作、表示件数への対応、比較物件分析など、用途を絞った候補として比較できます。
各拡張はZillowの500件表示上限をどう扱うか
結果件数への対応は、大規模な物件調査で重要になる比較項目です。ただし、表示件数は検索モード、地域、条件、Zillow側の仕様によって変わるため、単一の数値だけで製品を評価することはできません。
Zillowは検索モードにもよりますが、1クエリあたりに実用上の上限を設けており、ツールやユーザーからは概ね500〜800件の表示結果と語られています。ある州の全域や都市全体を扱う場合、あるユーザーが「特定の州にある約45,000件の全リスティングが必要だった」と書いていたように、1回の検索だけでは足りないことがあります。
各ツールの公開情報と今回の試用範囲は次のとおりです。
Thunderbit: クリック型と無限スクロールのページネーション取得、およびクラウドモードでの並列ページ処理が案内されています。ZIPコードや郡ごとに検索を分割し、各クエリの件数を抑えたうえで、ページ送りを行う方法が考えられます。実際に利用できるページネーションと実行モードは、検索結果の構造、プラン、対象サイトの利用条件に左右されます。
ScrapperTool: 大規模データ向けと案内されていますが、Zillow固有の上限への対応方法は公開文書で確認できませんでした。実際の挙動を検証できるまでは、検索条件を手動で分割する可能性も見込んでおく必要があります。
Z Real Estate Scraper: 公開案内では、ページ移動ごとに時間差を挟みながら、ページネーションされた検索結果をたどります。処理時間や取得範囲はページ数とZillow側の表示に依存します。
Zillow Mega Data Exporter: 製品側の売り文句は「Zillowマップ上に表示されている物件データを、最初の800件だけでなくすべてダウンロードする」です。表示件数の課題を直接扱っていますが、「すべて」の範囲や処理方法は公開文書からは判断できません。
Comp Crunch: 各検索で「最大500件、それ以下のこともある」と明記し、検索条件を変えて複数回出力するよう案内しています。公開案内上、自動ページネーションはありません。
実践的なコツ: 大きな州や都市圏を扱う場合は、郡、ZIPコード、価格帯などで検索を分割し、重複と欠落を記録しながら結果を統合します。ページネーションを使う場合も、対象サイトの利用規約とアクセス負荷を考慮してください。
ブラウザスクレイピングとクラウドスクレイピング:なぜブロックされる拡張があるのか
今回参照したスクレイパー利用者のコメント4件では、ZillowのPerimeterXやボット対策によるブロックが話題になっていました。あるユーザーは「標準的なHTTPクライアントは、リクエストが主サーバーに届く前にブロックされる可能性が高い」と述べています。https://www.reddit.com/r/WebScrapingInsider/comments/1rslli7/whats-the-best-way-to-scrape-zillowcom-and-how/ ただし、ユーザーコメントは個別環境の経験であり、すべてのアクセス条件に当てはまるとは限りません。
ブラウザ型とクラウド型では、実行場所、セッションの扱い、速度、サイト側からの見え方が異なります。単にVPNの有無だけでなく、アクセス頻度、対象ページ、利用規約を含めて判断する必要があります。

ブラウザベースのスクレイピング
実際のChromeセッション内で動作し、Cookie、セッションデータ、ブラウザ側で表示された内容を利用します。ログイン状態や動的な画面を扱いやすい一方、普通のユーザー閲覧と同一に見えることや、ボット対策を回避できることは保証されません。処理は画面表示に合わせて進むため、ページ数が多い場合は時間がかかります。今回の5つは、公開案内上、いずれもブラウザで利用する方式を基本としています。
クラウドベースのスクレイピング
クラウド方式はリモートサーバーから処理します。Thunderbitのクラウドモードでは、プランや設定に応じて最大50ページを同時処理できると案内されています。速度を出しやすい反面、対象サイトのアクセス制御、規約、サーバー負荷を考慮する必要があります。今回比較した公開情報では、クラウドモードも案内しているのはThunderbitです。
| 方式 | 速度 | 検知リスク | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| ブラウザスクレイピング | 中程度 | アクセス頻度、操作、サイト側対策に依存 | ログイン状態や画面表示を利用するページ |
| クラウドスクレイピング | 速い(50ページ同時) | 対象サイトの保護、設定、負荷に依存 | 許可された公開データの大量処理 |
| VPN + ブラウザ | 中程度 | VPNだけでは低減を保証できない | 組織のセキュリティ方針に沿う接続環境 |
Zillowに対する私のおすすめ: ログイン状態やブラウザ上の表示を利用する必要がある場合は、ブラウザモードが候補になります。ただし、ブラウザモードでも検知や制限のリスクは残ります。速度だけで方式を決めず、Zillowの利用規約、アクセス頻度、必要件数を先に整理してください。
Z Real Estate Scraperは、アクセス間隔を設ける設計を案内しています。Tidis Venturesはブロックリスクを明記しており、リスクがゼロだとは説明していません。この情報は、機能だけでなく運用上の制約を比較する材料になります。
サブページ補完:リスティングページに載っていないデータを取る
ZillowスクレイパーChrome拡張の多くは、検索結果ページに表示される価格、住所、ベッド数、バス数などを取得対象にしています。一方、利用者が必要とする情報には、個別の物件詳細ページにだけ表示される項目もあります。たとえば、掲載エージェント、学区評価、売却履歴、詳細な物件仕様です。
エージェント連絡先、物件履歴、HOA費用、学区評価を取得するには、各リスティングのサブページを処理できるかが比較項目になります。今回確認した公開情報では、次のように整理できます。
Thunderbit: サブページスクレイピングが案内されています。最初のスクレイプ後に「サブページをスクレイプ」をクリックすると、各物件ページを処理し、新しい列を追加します。候補には、エージェント名、エージェント電話番号、価格履歴、市場掲載日数、学区評価などがあります。取得可否はページの公開状態と構造によります。
Z Real Estate Scraper: 個別リスティングページへのベータ版自動移動が案内されています。対象項目として、エージェント/所有者の連絡先、HOA費用、税情報、築年数、構造情報などが挙げられています。ただし、ベンダーはここでIPブロックのリスクが高まると明記しています。
ScrapperTool、Zillow Mega Data Exporter、Comp Crunch: Zillowワークフローでのサブページ補完は、公開文書では確認できません。
ビフォー・アフターの差は次の例で確認できます。
| 住所 | 価格 | ベッド数 | → エージェント名 | エージェント電話番号 | 市場掲載日数 | 学区評価 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 123 Oak St | $450,000 | 3 | Jane Smith | (555) 123-4567 | 14 | 8/10 |
アプローチ、比較分析、市場レポートに使う場合は、必要な列が取得できるかに加え、連絡先の利用目的、欠損値、更新時点も検証します。
Zillowのスクレイプから実用データへ:全体ワークフロー
比較記事ではCSVダウンロードまでが中心になりがちですが、実務ではエクスポート後の整理、分析、共有、更新も必要です。あるユーザーは自分のチームを「物件データを手で取り出して、スプレッドシートにコピペしている」と表現し、さらに「レポートができる頃には、データはもう古くなっている」と述べていました。取得方法だけでなく、データを継続して使える作業環境へ渡せるかが選定ポイントになります。

役割別のエンドツーエンドの流れは次のとおりです。
| 役割 | 何をスクレイプするか | どこへ出力するか | 次に何をするか |
|---|---|---|---|
| 不動産投資家 | リスティング情報 + 価格履歴(サブページ経由) | Google Sheets または Excel | 比較物件分析、CAGR計算 |
| ホールセラー | FSBO物件 + 所有者/エージェントの連絡先 | Airtable または CRM | アプローチのシーケンスを作成 |
| エージェント/ブローカー | 競合リスティング + エージェントデータ | Notion または Sheets | 市場変化の追跡、顧客レポート作成 |
| 市場アナリスト | 賃貸物件 + 価格情報 | Google Sheets | 価格動向を継続監視 |
今回確認した公開情報と試用範囲では、ThunderbitはExcel、Google Sheets、Airtable、Notionへの出力を案内しています。無料で利用できる範囲は現在のプラン条件によります。Z Real Estate ScraperはGoogle Sheets出力を案内しています。残りの製品はCSVまたはPDFを主な出力形式としているため、必要に応じて後続の取り込み作業も見積もります。
価格変動を追う投資家やアナリストには、繰り返し取得できるかも重要です。Thunderbitでは定期スクレイピングと自然言語による間隔指定が案内されています。利用できる頻度や件数はプランと設定により異なります。今回比較した他の4製品では、公開文書から同等の定期機能を確認できませんでした。
ファイル取得だけでよいのか、更新、共有、分析まで同じ流れで管理したいのかを先に決めると、必要な製品を絞りやすくなります。
2026年にZillowをスクレイピングする際の利用規約と法的留意点
Zillowのデータ取得を検討する際は、技術的に取得できるかだけでなく、利用規約、アクセス方法、取得データの用途を分けて判断する必要があります。以下は法的助言ではなく、公開資料から読み取れる主な論点の整理です。具体的な運用については、対象地域と利用目的に応じて専門家へ相談してください。
- Zillowの物件データはWeb上で公開表示されていますが、公開表示されていることだけで、自動取得や再利用が許可されるとは限りません。
- hiQ対LinkedInの判例は、公開アクセス可能なデータとゲート付きシステムへのアクセスを区別する論点を示しています。ただし、判例の適用範囲、管轄、契約上の制限は個別に判断され、この判例だけでZillowのスクレイピングが適法だとは結論づけられません。
- Zillowは2021年前後に公開APIを終了しました。2026年時点で利用できる公式なデータ取得方法があるかは、用途と契約条件を含めて調べる必要があります。
- Zillowの利用規約は、自動クエリ、スクリーンスクレイピング、CAPTCHA回避を制限しています。ブラウザ方式やアクセス頻度の調整によって、この契約上の制限がなくなるわけではありません。
運用前に検討する項目は次のとおりです。
- 現行の利用規約と、利用可能な公式手段を照合する
- 取得対象を公開表示されている必要項目に絞る
- 個人情報、連絡先、著作権のある情報の利用目的と保存方法を定める
- 生のスクレイプデータを再配布する場合の権利と契約条件を調べる
- アクセス頻度と件数を抑え、サーバーへ過度な負荷を与えない
- CAPTCHAやアクセス制御を回避する運用を前提にしない
Thunderbitを含め、ツールの利用だけで合法性や規約適合性が保証されることはありません。コンプライアンス判断は、取得方法、データの種類、利用目的、地域、契約条件を合わせて行う必要があります。
最終結論:どのZillowスクレイパーChrome拡張を選ぶべきか
5つを比較すると、最初に決めるべきなのは、必要なデータ項目、件数、出力先、更新頻度です。その条件に応じた候補は次のように整理できます。
複数の出力先や継続運用を重視するなら: Thunderbit。AI項目検出、サブページ補完、定期スクレイプ、複数先へのエクスポート、Zillow以外のサイトでの利用を1つの流れで試したい場合に候補になります。実際の対応範囲はページ構造、プラン、利用条件によるため、まずChrome拡張の無料枠で検索結果1ページを取得し、必要な列、精度、出力形式を検証すると判断しやすくなります。
エージェント/ブローカーの連絡先項目を重視するなら: ScrapperTool。公開ガイドに記載された連絡先項目と、複数の不動産サイトへの対応が必要な場合に候補になります。価格条件、取得可否、CSV以外の後続作業も合わせて比較してください。
シンプルな操作とGoogle Sheets出力を重視するなら: Z Real Estate Scraper。3ボタンの操作、Google Sheets出力、詳細ページのベータ機能が用途に合う場合に向きます。ベータ機能を使う前に、ブロックリスクと取得件数の上限を検討する必要があります。
表示結果件数への対応を優先するなら: Zillow Mega Data Exporter。結果件数への対応を主目的とする場合の候補ですが、取得項目、料金、出力先などの公開情報が限られています。
比較物件分析に特化するなら: Comp Crunch。平均、中央値、パーセンタイルなどの統計要約を使って、比較物件のスナップショットを作りたい場合に向きます。大量抽出、定期実行、下流ツールとの連携が必要なら別の候補も比較します。
最終的な選択は、件数、予算、必要項目、運用頻度によって変わります。無料枠や試用版では、同じZillow検索結果を使い、取得件数、欠損列、出力形式、所要時間を記録して比較すると選びやすくなります。AIによる項目検出からCRMへの定期エクスポートまでを含むZillowスクレイピングの流れは、ThunderbitのYouTubeチャンネルの解説動画でも紹介しています。
FAQ
1. Chrome拡張を使ってZillowを無料でスクレイプできますか
今回参照した公開情報では、5つの拡張はいずれも無料枠、無料機能、またはトライアルを案内しています。Thunderbitは、1ページあたり最大30クレジットで6ページ分を無料で使えると案内しています。Z Real Estate Scraperには、1ページ50件までに絞られた無料版があります。Comp Crunchは無料機能が継続して利用できるとしています(ただし有料プランは終了)。ScrapperToolは無料トライアルを提供し、Zillow Mega Data Exporterは「Free」と期間限定の表記を出しています。無料範囲、取得件数、登録条件は製品ごとに異なるため、同じ検索結果1ページで比較すると判断しやすくなります。
2. Chrome拡張でZillowから実際にどんなデータが取れますか
多くの拡張は、公開案内上、検索結果から住所、価格、ベッド数、バス数、面積、リスティングURLを取得対象としています。サブページ補完では、ThunderbitとZ Real Estate Scraperのベータ機能が、エージェント名、エージェント電話番号、価格履歴、市場掲載日数、学区評価、HOA費用、税情報、築年数などを対象として案内しています。実際に取得できる項目は、製品、設定、物件ページの公開状態によって異なります。必要な項目が個別ページにある場合は、サブページ機能と欠損率を比較してください。
3. スクレイパー拡張を使うとZillowにブロックされますか
ブロックされる可能性はあります。Zillowの利用規約は自動クエリなどを制限しており、サイト側には複数のベンダーやユーザーがPerimeterX/HUMAN系と説明するボット対策があります。ブラウザ方式でも検知や制限を回避できる保証はなく、内蔵の遅延もリスクを完全には消せません。件数、頻度、取得方法を決める前に、現行の利用規約と利用可能な公式手段を照合してください。
4. Zillowの500件表示上限はどう回避しますか
検索をZIPコード、郡、価格帯、物件種別などで分割し、各結果を重複なく統合する方法があります。そのうえで、対応する製品ではページネーションを使います。Zillow側の表示上限そのものを拡張機能が必ず解消するわけではありません。公開案内では、ThunderbitとZ Real Estate Scraperはページネーション機能を備え、Comp Crunchは検索条件を変えて再出力する方式です。実際の件数は検索条件とサイト側の表示によって変わります。
5. ZillowデータをGoogle SheetsやAirtableに直接エクスポートできますか
Thunderbitは、Excel、Google Sheets、Airtable、Notionへのエクスポートを案内しています。無料で使える範囲や条件は現在のプラン仕様によります。Z Real Estate ScraperはGoogle Sheets出力を案内しています。他の3つの拡張は、今回確認した公開情報ではCSVまたはPDFが主な出力形式です。導入前に、必要な出力先だけでなく、列形式と後続の取り込み作業も比較してください。
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