Trustpilotには3億6,100万件のアクティブレビューが蓄積され、掲載企業は127万社を超えます。競合分析や評判モニタリングに活用できる一方、レビューを継続的に取得するには、ログイン状態やサイト構造の変更を考慮する必要があります。最近レビューを取得しようとした方の中には、「10ページ目のログイン壁」で処理が止まったり、従来のツールがエラーを返したりした経験があるかもしれません。
ここ数週間、2026年でもTrustpilotのレビュー取得に使えるツールを、実際に手を動かして試してきました。現在はボット対策が厳しく、Next.jsベースのフロントエンドではデプロイに伴ってクラス名が変わり、未認証アクセスはレビュー10ページ目で止まる構成になっています。2025年後半のRedditスレッドでも、ストアで提供されるActorが動作しないという報告が見られました。
本記事では、Trustpilotレビューを扱うマーケティング担当者、オペレーション担当者、開発者に向けて、5つのツールを比較します。評価軸は、ログイン壁への対応、ボット対策、保守の手間、各利用者の実務ニーズへの適合度の4点です。
2026年のTrustpilotスクレイピングで確認すべき技術的な制約
Trustpilotは、HTTPリクエストを1本送り、BeautifulSoupで解析するだけで完結する静的サイトではありません。Next.jsで構築された動的レンダリングのプラットフォームであり、レビュー取得時には次の制約を考慮する必要があります。

10ページ目のログイン壁。 Web Scraper公式の2026年3月版Trustpilotガイドでは、Trustpilotはレビューを最初の10ページまで表示し、その先はログインを要求すると説明されています。レビューが2,000件ある企業なら、1ページ20件として約100ページに及びます。認証済みセッションがなければ、取得できる範囲が全体の約1割に限られます。
ボット対策。 TrustpilotはreCAPTCHA、セッション単位のブロック、CDNレベルのリクエストフィルタリング、ブラウザフィンガープリントを併用しています。Aboutページにも、「reCAPTCHAで保護されている」ことや、デバイスと操作に関するシグナルを収集することが記載されています。
動的なCSSクラス名。 Next.jsとCSSモジュールの組み合わせでは、styles_reviewCardInner__EwDq2のようなクラス名がビルド時に生成され、更新後に変わる場合があります。ScraperAPIのチュートリアルはこのセレクタを使用していますが、Trustpilot側の更新後に動作しなくなる可能性があります。
DOM構造の変更。 クラス名だけでなく、HTML階層、要素の入れ子、ラッパー、ページネーションのコンポーネントも変更される場合があります。
CSSセレクタに依存するスクレイパーは、ApifyのActor、Octoparseのワークフロー、自作のPythonスクリプトのいずれであっても、構造変更の影響を受けます。そのため、初期の動作だけでなく、変更検知と保守方法まで含めて選ぶことが重要です。
Trustpilot向けスクレイパーを選ぶときに重視した観点
今回は、単にWebページからデータを抽出できるかどうかではなく、Trustpilot特有のアクセス制限や構造変更に対応できるかを基準にしました。ここで取り上げるツールは一般的なHTMLページを取得できますが、Trustpilotでの運用条件はそれぞれ異なります。
2026年のTrustpilotを対象とした比較では、次の点を重点的に見ました。
| 基準 | Trustpilotで重要な理由 |
|---|---|
| ログイン壁への対応(10ページ目以降) | ほとんどの企業は200件をはるかに超えるレビューを持っています。10ページ制限があると、過去データの大半を取りこぼします。 |
| ボット対策への対応 | reCAPTCHA、セッションブロック、CDNフィルタリングは、取得処理を停止させる要因になります。 |
| セレクタ耐性 / 保守性 | 生成されたCSSクラスは、セレクタ依存ツールを頻繁に壊します。変更時の再設定や保守の頻度を見ます。 |
| ページネーション対応 | レビューは何百ページにも及びます。手動で1ページずつ取るのは現実的ではありません。 |
| ノーコードかコード必須か | マーケターにはクリック操作が必要で、開発者は完全な制御を求めます。 |
| 価格 / 無料枠 | 予算を意識するチームには、導入前の見通しが必要です。 |
| エクスポート先 | ビジネスユーザーには、生のJSONだけでなくGoogle Sheets、Airtable、Notionが必要です。 |

特に重要なのが、10ページ目以降へアクセスするための認証方法です。レビュー全体の取得が必要な場合、10ページ目を越えられないツールや、認証済みアクセスの設定方法が示されていないツールは、2026年のTrustpilotスクレイパーを選ぶ際の候補にしにくくなります。
Trustpilotレビュー向けスクレイパー5製品の比較表
スキル要件、ログイン壁への対応、保守性、無料枠、出力先を共通項目として整理しました。以降の価格は特記がない限り米ドル表記です。無料枠や機能条件は変更される可能性があるため、導入時には各社の最新情報と照合してください。
| ツール | スキルレベル | ログイン壁への対応 | ボット対策 | ページネーション | 無料枠 | エクスポート先 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Thunderbit | ノーコード | ブラウザモード(ログイン済みのChromeセッションを利用) | AIによる意味解析でレイアウト変更に適応 | 自動検出、複数ページ対応 | 月6ページまで無料 | Excel、Sheets、Airtable、Notion、CSV、JSON |
| Apify | ローコード | Actor依存。10ページ超ではCookie設定が必要なものもある | 内蔵プロキシローテーション、Actorごとに異なる | Actorごとに設定可能 | 月5ドル分の無料プラットフォームクレジット | JSON、CSV、Excel、XML、RSS |
| Octoparse | ノーコード(ビジュアル) | 手動でCookie / セッション設定が必要 | IPローテーション、住宅プロキシ、CAPTCHA解決(有料) | クリック / スクロールのワークフロー | 無料プラン + 14日間のプレミアム試用 | CSV、Excel、JSON、HTML、XML、データベース |
| Web Scraper | ノーコード(サイトマップ) | 制限あり。公式ガイドでもレビュー10ページ制限を記載 | 有料プランでクラウド + プロキシ対応 | 設定可能。JSクリック推奨 | Chrome拡張は無料 | CSV、XLSX |
| ScraperAPI | 開発者向け(Python) | コードレベルでセッション / Cookie管理が必要 | 4,000万超の住宅プロキシ、JSレンダリング、CAPTCHA対応 | コードベース | 7日間試用、5,000 APIクレジット | 開発者が定義(CSV、JSONなど) |
1. Thunderbit
Thunderbitは、コードを書かずにWebサイトから構造化データを取得したいビジネスチーム向けのAI搭載Chrome拡張機能です。Trustpilot向けには専用のレビュー抽出テンプレートがあり、レビュアー名、評価、レビュータイトル、本文、日付、企業からの返信を2クリックで取り出せます。
私は社内の人間なので多少のひいき目はありますが、Trustpilotのように構造変更が多いページでの保守負担を減らすことは、Thunderbitを設計した目的の一つです。ThunderbitのAIは、特定のCSSセレクタだけに依存せず、ページ内容の意味を基に抽出項目を判断します。そのため、クラス名やDOM構造が変わった場合でも、抽出設定を作り直す負担を抑えやすい設計です。ただし、認証方式やアクセス制限そのものが変わった場合は、利用可能な範囲や設定を改めて検証する必要があります。
TrustpilotのスクレイピングにThunderbitを試す
10ページ目のログイン壁への対応
ブラウザモードでは、ThunderbitはTrustpilotにログイン済みのChromeセッション内で動作します。認証済みセッションで利用者が閲覧できるページを読み取るため、別途プロキシを設定したり、Cookieを注入したり、Playwrightのセッションプールを構築したりする作業を減らせます。ただし、利用者に許可された範囲を超えて認証を回避する機能ではありません。
操作の流れは、ChromeでTrustpilotにログインし、取得対象のレビューページを開き、「AIで項目を提案」をクリックして「スクレイプ」を押す、というものです。ページネーションが正しく検出されれば、ブラウザセッションで到達できる範囲を順に処理できます。
Trustpilotのレイアウト変更に対する保守性
Trustpilotのテンプレートページでも説明しているとおり、CSSセレクタに依存する従来型のスクレイパーは、レイアウト変更後にセレクタの再設定が必要になる場合があります。Thunderbitは特定のCSSだけでなくページ内容の意味を基に抽出項目を判断し、動的コンテンツやページネーションの設定を支援します。
ScraperAPIのチュートリアルコードではstyles_reviewCardInner__EwDq2のようなクラス名を使って解析しているため、Trustpilot側の更新でクラス名が変わると修正が必要です。Thunderbitは「レビュー本文」「評価」「日付」といった項目の意味を基に候補を判定することで、固定されたdivクラスへの依存を減らしています。ただし、サイト構造やアクセス方式の大幅な変更に対して、常に無調整で動作することを保証するものではありません。
Trustpilotスクレイピング向けの主な機能
- AIで項目を提案:レビュー項目(名前、評価、日付、タイトル、本文、企業返信)の候補を提案し、手動設定の負担を減らす
- 2クリックのワークフロー:AIで項目を提案 → スクレイプ。それだけ
- ログイン必須ページ向けのブラウザモード:認証済みChromeセッション内で動作し、利用者が閲覧できる範囲で10ページ目以降にも対応
- 自動ページネーション:検出したページ送りに沿って複数ページのレビューを処理
- サブページスクレイピング:各レビュアーのプロフィールに移動し、必要に応じて取得項目を拡張
- 定期スクレイピング:評判モニタリングのために週次・月次のレビュー監視を設定
- エクスポート:Google Sheets、Airtable、Notion、CSV、JSONに対応。利用条件は現在のプランによって異なる
価格
- 無料プラン:月6ページまで、クレジットカード不要
- クレジット制:1クレジット = 1出力行
- 有料プラン:料金ページで月額約9ドルから
向いているケース:コードを使わずにTrustpilotレビューを取得し、Sheetsや業務ツールで分析したいマーケティング、オペレーション、その他のビジネスチーム。セレクタの再設定やスクレイパーの保守にかける時間を抑えたい場合の候補になります。
2. Apify
Apifyは、作成済みの「Actor」を提供するマーケットプレイスを備えたクラウド型スクレイピングプラットフォームです。Actorは、他のユーザーやApifyチームが用意したスクレイピングテンプレートです。Trustpilot向けにもコミュニティ管理のActorが複数ありますが、対応範囲や更新状況はActorごとに異なります。
選択肢が多い一方、品質にも差があります。動作するActor、提供を終了したActor、10ページ目以降でCookie設定が必要なActorがあるため、導入前に更新日、説明、実行結果を比較する必要があります。Redditで見られる「ストアのActorが動かない」という報告も、Trustpilot側の変更に対してActor固有のロジックが影響を受ける可能性を示しています。
Trustpilot用Actorと既知の制限
Apify Storeには、Trustpilot用のActorが複数掲載されています。少なくとも1つ(開発者「burbn」によるもの)は、10ページを超えるにはCookie入力が必要だと明記しています。評価が0.0のもの、利用者数が少ないもの、更新日が新しいものもあり、保守状況や信頼性を判断する際は、評価だけでなく実行履歴や最終更新日も見る必要があります。
提供を終了したActorもあります。ある古いActorは、Trustpilotの埋め込み__NEXT_DATA__ JSONを直接読み取る方式を採用していましたが、Trustpilot側のデータ構造変更後に動作しなくなりました。
ログイン壁とボット対策への対応
- ログイン壁:選ぶActor次第です。10ページ目以降にCookie注入をサポートするものもあれば、そうでないものもあります。
- ボット対策:Apifyのプラットフォームにはプロキシローテーションと、計算単位ベースのインフラが含まれます。住宅プロキシはFree / Starterプランで1GBあたり8ドルから利用できます。
- 保守:Actorが壊れたら、メンテナが直すのを待つか、別のActorに切り替えるか、専用のプライベートActorを依頼することになります。
価格
- 無料プラン:月5ドル分の前払い利用枠、クレジットカード不要
- Starter:月29ドル + 従量課金
- Scale:月199ドル + 従量課金
- エクスポート:JSON、CSV、Excel、XML、RSS(Actor依存)
向いているケース:複数のActorを比較し、Cookie設定や障害時の原因切り分けに対応できる技術寄りのユーザー。保守を外部のActor提供者だけに任せたいチームは、更新体制も含めて検討する必要があります。
3. Octoparse
Octoparseは、画面上のクリック操作でワークフローを組むデスクトップ型のノーコードスクレイパーです。位置づけは、Thunderbitの2クリックの手軽さと、ScraperAPIの開発者向けの自由度のちょうど中間。コードは不要ですが、ワークフロー自体は自分で作り、育てていく必要があります。
OctoparseでTrustpilotを取る設定
ワークフローは比較的シンプルですが、次の手動設定が必要です。
- Trustpilotの企業レビューURLを貼り付ける
- レビュー要素(タイトル、本体、評価、日付、レビュアー名)を視覚的に選択する
- 次ページボタンを使ってページネーションのループを定義する
- 待機時間を設定する(2〜5秒を目安とする設定例。対象サイトの規約とアクセス負荷を考慮する)
- 小規模ならローカル、大規模ならクラウドで実行する
ツールに慣れた人なら設定は10〜15分ほどで終わります。OctoparseはDOM要素に紐づく視覚セレクタを使うため、Trustpilotがページ構造を変えた場合は、ワークフローの調整が必要になります。
ログイン壁とボット対策への対応
- ログイン壁:手動でのログイン / Cookie / セッション設定が必要。自動では処理されません。
- ボット対策:有料プランには、IPローテーション、住宅プロキシ(3ドル/GB)、自動CAPTCHA解決(1,000件あたり1〜1.5ドル)が含まれます。
- 保守:中程度。Trustpilotがフロントエンドを更新したら、ワークフローの作り直しや調整が必要になると見ておきましょう。
価格
- 無料プラン:永久無料、10タスク、1デバイス、ローカル抽出、月最大50,000行
- Standard:月69ドル(年払い)
- Professional:月249ドル
- 14日間のプレミアム試用:クラウド抽出、スケジューリング、API、テンプレートを含む
- エクスポート:Excel、CSV、JSON、HTML、XML。上位プランではデータベースとGoogle Sheetsにも対応
向いているケース:画面上でワークフローを管理し、初期設定やページ変更時の保守にも対応したいチーム。2クリック型より細かく制御したいものの、Pythonで実装する必要まではない場合の候補です。
4. Web Scraper
Web Scraperは、サイトマップ方式でスクレイピングを行うChrome拡張とクラウドプラットフォームです。Trustpilot向けの強みは、用意済みの企業ページ用テンプレートで、企業名、カテゴリ、住所、評価、レビュー数、TrustScore、WebサイトURLといった企業レベルのデータを抜ける点にあります。
ただ、レビューのスクレイピングとなると、押さえておくべき制限があります。
既製テンプレート vs. カスタム設定
マーケットプレイスのテンプレートは、Trustpilot内のカテゴリをまたいで企業プロフィールを集める用途にはよく働きます。カスタムのレビュー抽出では、Sitemap Wizardを使ってChrome拡張内でスクレイパーを視覚的に組み立てられます。
Web Scraper公式の2026年3月版ガイドでは、URLベースのページネーションよりJavaScriptクリックでのページ送りを勧めています。Trustpilotがページ間で内容を動的に並べ替え、結果がずれてしまうためです。
ログイン壁とボット対策への対応
Web Scraperの公式ガイドでは、Trustpilotはレビューの最初の10ページまで表示し、その先はログインを求めると説明しています。ガイドはこれを既知の制限として扱っており、10ページ目以降へアクセスするための組み込み方法は示していません。
- ログイン壁:対応は限定的。レビュー10ページ制限は公式ガイドでも明記されています。
- ボット対策:クラウドプランにはプロキシ対応が含まれ、ガイドでは2〜5秒の遅延と同時実行数の抑制が推奨されています。
- ページネーション:設定は可能ですが、未認証アクセスでは実質的に最初の10ページに制限されます。
価格
- 無料Chrome拡張:ローカルスクレイピング、機能制限あり
- Project:月50ドル(5,000 URLクレジット)
- Professional:月100ドル(20,000 URLクレジット)
- Scale:月200ドルから(条件付きでURLクレジット無制限)
- 7日間の無料試用:有料クラウドプランで利用可能
- エクスポート:CSV、XLSX
向いているケース:Trustpilotの企業プロフィールを集める既製テンプレートが必要な場合、または最初の10ページ分のレビューで目的を満たせる場合。レビュー数の多い企業から全履歴を取得したい場合は、他の方法も比較対象になります。
5. ScraperAPI
ScraperAPIは、開発者向けのスクレイピング基盤です。クリック操作型ではなく、抽出・解析コードは利用者が作成し、ScraperAPIがプロキシやレンダリング処理を提供する構成です。Trustpilot向けソリューションページでは、JSレンダリング、CAPTCHA対応、4,000万超のプロキシを案内しています。
抽出ロジック、セッション管理、出力先を細かく制御したいPython開発者に向いています。一方、Trustpilotの構造変更に伴う解析コードの保守は利用者側で行う必要があります。
ScraperAPIでカスタムTrustpilotスクレイパーを作る
ScraperAPIの2026年1月版チュートリアルでは、Python + BeautifulSoupのワークフローが紹介されています。
import requests
from bs4 import BeautifulSoup
payload = {
"api_key": "YOUR_API_KEY",
"url": "https://www.trustpilot.com/review/example.com",
"render": "true",
"keep_headers": "true",
}
html = requests.get("https://api.scraperapi.com", params=payload).text
soup = BeautifulSoup(html, "html.parser")
完成版コードではpages_to_scrape = 10が設定され、公開ページを10ページまで取得する構成です。10ページ目以降を扱う場合は、開発者自身が認証済みセッション、Cookie、トークンを管理する必要があります。
ログイン壁とボット対策への対応
- ログイン壁:コードレベルでのセッション / Cookie管理が必要です。ScraperAPIがプロキシとレンダリングを処理し、認証ロジックは利用者が実装します。
- ボット対策:自動IPローテーション付きの住宅プロキシプール、
render=trueによるJSレンダリング、スマートなプロキシローテーションを通じたCAPTCHA対応。全プランで利用可能です。 - 保守:Trustpilotがクラス名を変更した場合は、解析コードの修正が必要です。チュートリアルの
styles_reviewCardInner__EwDq2セレクタも、クラス名の変更後に動作しなくなる可能性があります。
価格
- 7日間試用:5,000 APIクレジット無料、クレジットカード不要
- Hobby:月49ドル(100,000 APIクレジット)
- Startup:月149ドル(1,000,000クレジット)
- Business:月299ドル(3,000,000クレジット)
- エクスポート:コードが生成するものすべて(通常はCSV、JSON、データベース書き込み)
こんな方に最適:完全なカスタマイズを求め、自前の解析スクリプトを保守でき、セッション管理、ページネーションロジック、データ構造をプログラムで握りたい開発者。非技術ユーザー向けではありません。

Trustpilotの変更時に保守が必要になる理由と選定方法
Trustpilot用スクレイパーを選ぶ際は、現在取得できるかだけでなく、サイト変更後にどの程度の保守が必要になるかも評価します。主な変更要因は次の4つです。
-
生成されるCSSクラスの変更。 Next.jsのCSSモジュールは
styles_reviewCardInner__EwDq2のようなクラス名を生成し、デプロイに伴って変わる場合があります。固定クラスを参照するスクレイパーは、その影響を受けます。 -
DOM構造の変更。 TrustpilotではHTML階層、レビューカードの入れ子、ラッパー要素、メタデータの位置が変更される場合があります。
-
ボット対策の発動条件の変更。 reCAPTCHAのしきい値、セッショントークンのローテーション、CDNのフィルタリングルールが更新される可能性があります。
-
認証 / セッションの変更。 10ページ目のログイン壁は2025年後半に導入された、またはより厳格に運用されるようになったものです。今後、別のアクセス制限が追加される可能性もあります。
保守負担を分ける主な観点は、固定セレクタへの依存度と、変更時にどこまで再設定が必要かです。
-
セレクタベースのツール(ApifyのActor、Octoparseのワークフロー、ScraperAPIのスクリプト、Web Scraperのサイトマップ)は、指定したCSSパスやDOM要素を基に抽出します。対象要素の位置やクラスが変わると、設定やコードの修正が必要になる場合があります。
-
意味 / AIベースのツール(Thunderbit)は、レビュー本文、評価、日付といった項目の意味を基に候補を判定します。固定セレクタへの依存を減らせますが、大幅な構造変更やアクセス制限の変更まで無条件に吸収できるわけではありません。
用途別には、次のように候補を絞れます。
- 保守負担をできるだけ抑えたい場合 → AIベース(Thunderbit)
- Actorの選定と監視を行いながらクラウド自動化を使いたい場合 → Apify
- 画面上でワークフローを制御し、中程度の保守を許容できる場合 → Octoparse
- テンプレート中心で、取得対象が限定される場合 → Web Scraper
- 解析からセッション管理まで自社で制御したい場合 → ScraperAPI
取得したTrustpilotレビューをどう活かすか
レビューの取得は分析の第一歩です。取得後は、感情分析、競合モニタリング、テーマ抽出など、利用目的に合わせてデータを整理します。

感情分析
手軽な方法の一つは、レビューをGoogle Sheetsに書き出し、ChatGPT、Claude、あるいはSheetsのAI関数を使って、1件ずつポジティブ・ニュートラル・ネガティブに分類することです。さらに、苦情カテゴリ、緊急度、対応の優先度といった列を追加できます。
データが大量の場合は、CSVをChatGPTにアップロードし、「これらのレビューを感情別に分類し、代表的な引用を添えて、不満の多いテーマを上位5つ挙げてください」と依頼する方法もあります。外部のAIサービスへ送信する前に、レビュアー名やプロフィール情報など不要な個人情報を除き、組織のデータ取扱方針に適合するかを判断してください。
競合モニタリング
Thunderbitの定期スクレイピングを使うと、競合レビューを週次・月次で取得する運用を設定できます。主な追跡指標は次のとおりです。
- 平均評価の推移
- 1つ星・2つ星レビューの割合
- レビュー件数の増減
- よく挙がる不満テーマ
- 企業返信の率とスピード
評価と日付を使ったGoogle Sheetsのピボットテーブルでも、定期取得したレビューの変化を追跡できます。比較時は、取得対象期間やサンプル件数をそろえ、欠損や重複を点検してから傾向を判断します。
テーマ抽出
レビューを共通のカテゴリにまとめます。配送、カスタマーサポート、返金、製品品質、請求、アプリの使い勝手、価格 / コストパフォーマンス、不正への懸念などです。出力は、テーマ、件数、平均評価、代表的な引用、推奨アクションを並べた表にすると見通しがよくなります。
ワードクラウドだけで集計するよりも、満足や不満につながる要因を件数や評価と結び付けて判断しやすくなります。
複数企業を横断した大規模分析
カテゴリ単位の調査では、同じTrustpilotカテゴリ内の複数企業を横断してレビューを集めます。レビュー件数、評価、星の分布、テーマの広がりを、市場セグメント全体で見比べてください。企業一覧を見つけるにはWeb Scraperのテンプレートが便利ですが、レビュー単位のサンプリングはThunderbitかScraperAPIが向きます。
Trustpilotスクレイピングの法的・倫理的な注意点
私は弁護士ではなく、以下は法的助言ではありません。スクレイピングの可否やリスクは、対象データ、取得方法、利用目的、適用法令によって異なります。
Trustpilotの利用規約:規約には、Trustpilotが提供または明示的に承認した手段以外でコンテンツへアクセス・収集することや、許可のないテキストマイニング、データマイニング、Webスクレイピングに関する禁止事項が記載されています。実施前に、該当する契約条件と利用目的を照合する必要があります。
運用上の注意度を分ける目安は次のとおりです。これは法的なリスク判定ではありません。
- 比較的判断しやすいケース:自社レビューを社内分析のために取得し、Trustpilot公式のビジネスツールやAPIを使う場合。提供された手段と利用条件の範囲を確認します。
- 追加確認が必要なケース:市場調査目的で、公開されている競合ページを低頻度で取得する場合。利用規約、取得項目、保存期間、プライバシー上の義務を検討します。
- 慎重な法務判断が必要なケース:認証壁の先にある10ページ目以降を取得する、技術的制御を回避する、レビューデータを再配布する、取得したレビューをAIモデルの学習に使う場合。
個人情報保護法の観点:レビュアー名、プロフィールリンク、レビュー本文、所在地情報は、内容や利用方法によって個人データに当たり得ます。必要な項目だけを集める、社内分析ではレビュアー名をハッシュ化する、保存期間を定める、生のレビュー本文を大規模に再公開しない、といった対応を検討します。
公開データと認証済みデータ:ログインせず閲覧できるページを取得する場合と、認証後に閲覧できるデータを取得する場合では、契約・権限・プライバシー上の検討事項が異なります。認証済みセッションで閲覧できることだけで、取得や二次利用が許可されるとは限りません。
この点はツール選びにも影響します。Thunderbitのブラウザモードは利用者自身のセッションで閲覧できるページに対して動作しますが、取得の可否や用途の適法性は別途判断が必要です。ScraperAPIを使って認証処理を実装する場合も、セッション管理と取得方法の責任は利用者側にあります。
どのTrustpilotレビュー向けスクレイパーを選ぶべきか
主な利用者と運用条件ごとに候補を整理すると、次のようになります。
- コードを使わずにレビューを取得したいマーケティング担当者 → Thunderbit。2クリックで抽出を始め、Sheets / Notion / Airtableへエクスポートしたい場合に向いています。
- 設定やデバッグに対応できるローコードユーザー → Apify。Actorを比較し、必要に応じてCookieを設定し、更新後の動作を監視できる場合の候補です。
- 画面上でワークフローを組みたいユーザー → Octoparse。クリック操作で設定できますが、Trustpilot変更時の保守が必要です。
- 企業レベルのデータ、または最初の10ページで十分な場合 → Web Scraper。企業プロフィール向けの既製テンプレートを利用できます。
- 抽出処理を細かくカスタマイズしたい開発者 → ScraperAPI。解析ロジック、セッション管理、データパイプラインを自社で実装する場合に向いています。
保守負担、必要な技術スキル、取得範囲、出力先を先に決めると、候補を絞りやすくなります。このリストの各ツールには無料で試せる入口があるため、契約前に同じ企業ページと同じ取得項目で結果を比較し、精度、欠損、ページネーション、出力形式を検証するのが現実的です。
まとめ
Trustpilotのレビューデータは、競合分析、評判モニタリング、顧客インサイトの把握に活用できます。
ただし、2026年に継続して取得するには、10ページ目のログイン壁、DOMの変更、ボット対策、保守方法を含めてツールを選ぶ必要があります。また、取得できることと利用が許可されることは別のため、対象データと用途に応じて規約や権限も検討します。
コードを使わず、認証済みChromeセッションで見えているレビューを表形式にしたいビジネスユーザーにとって、Thunderbitは比較候補になります。2クリック、AIによる項目検出、認証済みページ向けのブラウザモードを備え、固定セレクタの再設定に伴う負担を抑えやすい設計です。無料で試すこともでき、月6ページまでクレジットカードは不要です。
完全な制御を求める開発者にはScraperAPIが候補になります。その中間では、Apify、Octoparse、Web Scraperがそれぞれ異なる技術要件と取得範囲に対応します。まずは1社の数ページを対象に、必要な項目の取得精度、欠損、ページ送り、出力形式を比較してから、定期運用へ広げると判断しやすくなります。
ThunderbitがTrustpilotをどう扱うか実際に見てみたい方は、YouTubeチャンネルの解説動画をどうぞ。あわせて、コード不要のWebスクレイピングやWebスクレイピングとは何かの基本を押さえたい方には、こちらのガイドが役立ちます。
FAQ
1. Trustpilotのレビューは10ページ目以降もスクレイピングできますか?
技術的には、認証済みセッションで閲覧できる範囲を取得する方法があります。ただし、ログイン後に表示できることだけで、取得や利用が許可されるとは限りません。Trustpilotは未認証アクセスを最初の10レビューページで遮断します。Thunderbitのブラウザモードはログイン済みのChromeセッション内で動作し、利用者が閲覧できるページを読み取ります。ScraperAPIではコードレベルのセッション / Cookie管理、ApifyのActorではActorに応じたCookie設定、Octoparseでは手動のログイン / Cookie設定が必要です。Web Scraperは公式ドキュメントで10ページ制限を説明しており、組み込みの対応方法は示していません。
2. Trustpilotレビューのスクレイピングは合法ですか?
一律には判断できません。Trustpilotの利用規約は、許可のない自動データ収集を禁止しています。法的・契約上のリスクは、取得方法、対象データ、利用目的、適用される法令によって異なります。自社の公開レビューを公式手段で取得する場合と、競合ページの認証壁を越えて取得する場合では、検討すべき条件が異なります。EU域内の個人データを扱う場合は、GDPRの適用も検討する必要があります。これは法的助言ではありません。大規模または商用の案件では、具体的な取得方法と用途を示して専門家に相談してください。
3. Trustpilotからどんなデータを取れますか?
代表的な項目は、レビュアー名、星評価、レビュータイトル、レビュー本文、投稿日、体験日、購入確認ステータス、レビュアー所在地、企業返信本文、会社名、TrustScore、総レビュー数、星分布、レビューURLなどです。
4. Trustpilotのスクレイパーはどれくらいの頻度で壊れますか?
一律の頻度は示せません。動作への影響は、Trustpilot側の変更内容と、ツールが依存する抽出方法によって異なります。セレクタベースのツール(ApifyのActor、Octoparseのワークフロー、自作Pythonスクリプト)は、CSSクラスやDOM構造の変更時に修正が必要になる可能性があります。ThunderbitのようなAI意味解析型ツールは、固定セレクタへの依存を減らせるため、レイアウト変更時の再設定負担を抑えやすい設計です。ただし、10ページ目のログイン壁のようなアクセス制御の変更には、どの方式でも追加対応が必要になる場合があります。
5. Trustpilotレビューを無料でスクレイピングできますか?
このリストの各ツールには、無料プランまたは試用枠があります。Thunderbitは月6ページ無料、ScraperAPIは7日間で5,000クレジットの試用枠、Web Scraperはローカル利用向けの無料Chrome拡張、Octoparseは永久無料プラン(10タスク、月50,000行)、Apifyは月5ドル分の無料プラットフォームクレジットを提供しています。対象ページ数、クラウド実行、プロキシ、出力先などの条件はツールごとに異なります。
まずは同じ企業の1〜2ページを使い、必要なレビュー項目、ページ送り、欠損、出力形式を比較すると、無料枠で目的を満たせるか判断しやすくなります。
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