2026年のB2B購買では、見込み客が営業担当者に接触する前に、GoogleやChatGPT、LinkedInなどを使って情報収集や候補比較を進める場面が増えています。営業現場では、ROI試算、事例、AIを活用したリード獲得に関する問い合わせへ対応する一方、購買担当者による事前調査を前提に営業プロセスを設計する必要があります。
本記事では、購買行動、マーケティング投資、コンテンツ、広告、ROI、AI活用に関する2026年版のB2B統計を50項目に整理しました。営業、マーケティング、経営の各担当者が、キャンペーン設計や営業プロセスを見直す際の参考情報として利用できます。
2026年版 B2B統計トップ10:営業チームがまず押さえる数字
はじめに、営業・マーケティングの意思決定に関係する10項目を一覧で整理します。各数値は調査対象や調査時点が異なるため、自社の市場や購買プロセスに当てはめる際は、リンク先の調査条件もあわせて参照してください。
| 統計 | 示唆 |
|---|---|
| B2B案件の86%は停滞し、81%の購買担当者が結果に不満を感じています。 | B2Bの購買では遅延や迷いが生じやすく、5人に4人の購買担当者が最終的に選んだベンダーに満足していません。従来の営業手法だけでは、購買体験の改善につながらない可能性があります(Forrester)。 |
| B2B購買担当者の67%は、営業担当なしの購買体験を好みます。 | 企業の購買担当者の3分の2は、営業担当を介さずに自分たちで進めたいと考えています。これはGartnerの前回調査の61%から上昇しており、回答者の45%は直近の購買でAIツールを使ったと答えています(Gartner, 2026年3月)。 |
| B2B購買担当者の94%が、購買プロセス中にChatGPTのようなAIツールを使っています。 | 調査対象の大半が、調査、推奨、ベンダー候補の絞り込みに生成AIやLLMを活用しています(6sense)。 |
| 勝ち残るベンダーの95%は、購買担当者の初期候補リストに入っています。 | 検討初日の候補に入ることが、受注可能性と強く関係していることを示します(6sense)。 |
| 平均的なB2B購買では、社内の利害関係者13人に加え、社外の影響者9人が関与します。 | 購買委員会は拡大傾向にあり、生成AI機能が関わる購買では、その人数がほぼ2倍になるとForresterは指摘しています(Forrester, 2026 Buyer Insights)。 |
| 米国のB2Bマーケティングおよび広告支出は、2026年に約693億ドルに達する見込みです。 | デジタルチャネルが大きな割合を占めています(B2B Marketing World)。 |
| B2B購買担当者の60%は、デジタルコンテンツだけをもとに購入判断を下しています。 | 営業担当者との接点だけでなく、購買担当者が自ら参照できる情報の整備が重要です(Marketing Beyond Borders)。 |
| B2B購買担当者の75%は、購入判断の参考にSNSを使っています。 | LinkedIn、X(Twitter)、業界フォーラムが購買調査の主要な情報源になっています(DemandSage)。 |
| B2B経営層の73%は、同業者の推薦と口コミが購買判断に最も大きな影響を与えると答えています。 | 自社サイトだけでなく、既存顧客や業界ネットワークで得られる評価も購買判断に関係します(Corporate Visions)。 |
| B2B購買の79%はCFOの承認を必要とし、ROIへの期待水準が一段と上がっています。 | 早い段階から価値と算定根拠を示すことが求められます。57%の購買担当者は3か月以内のROIを期待しています(Digital Commerce 360)。 |
B2Bマーケティング支出と投資のトレンド
B2B企業では、購買担当者による事前調査やデジタル接点の増加に対応するため、マーケティングと営業支援への投資動向が注目されています。米国では、B2Bのマーケティングおよび広告支出が2026年までに693億ドルに達する見込みです。予算配分を検討する際は、総額だけでなく、対象チャネルと期待する成果を分けて見る必要があります。
デジタル投資と従来型投資
広告予算では、デジタルチャネルへの配分が拡大しています。世界の広告費の65%はすでにオンラインが占めており、テレビの3倍に達しています。印刷媒体の比率は相対的に低下しています(B2B Marketing World)。米国では、B2Bのデジタル広告費が2024年の183億ドルから2026年には230.5億ドルへ伸びる見込みです(B2B Marketing World)。2年間で26%の増加に相当します。
一方、印刷物、ダイレクトメール、テレビ・ラジオといった従来型のB2B広告費は、2024年に約192億ドルでピークを迎える見通しです。展示会市場も回復傾向にあり、米国のB2B展示会市場は2024年に158億ドルまで戻り、コロナ前の水準を上回っています。
デジタル予算の主な配分先を見ると、B2Bマーケターにとって最も重要な有料配信手法はソーシャルメディア広告で、73%が有料SNSに投資しています(B2B Marketing World)。これに検索連動型広告、スポンサーシップ、ディスプレイ広告が続きます。
MarTechとAIの導入
MarTechとAIへの投資は拡大傾向にあります。米国のB2B MarTech支出は、2024年に前年比13.4%増の87.1億ドル、2025年にはさらに16%増えて100億ドル超に跳ね上がると予測されています(Magazine Manager)。対象にはCRM、マーケティングオートメーション、ABMソフトウェア、分析ツール、AI搭載ツールなどが含まれます。
- 米国のB2Bマーケターの60%は、2025年にAIツールとSNS広告への支出を増やす予定です(eMarketer)。
- B2Bマーケターの半数以上が、すでにAI駆動のツールを使っていると答えています。用途はコピーライティング支援から予測分析まで広がっています(DemandSage)。
- B2Bマーケターの66%は、今後2年でAIへの支出を増やす予定です(SerpSculpt)。
AIは、コンテンツ制作、リードスコアリング、パーソナライズ、チャットボットによる一次対応などで導入が進んでいます。私自身も、定型作業の効率化にThunderbitを使っています。具体的な用途は後ほど紹介します。
新しいB2B購買担当者:行動、期待、意思決定
現在のB2B購買では、複数の関係者が参加し、デジタルチャネルやAIを使って事前調査を進める傾向があります。一人の意思決定者だけで完結するとは限らず、購買委員会、同業者からの評価、オンライン上の情報が判断に影響します。
AIを活用するB2B購買担当者の増加
B2B購買担当者の94%が、購買プロセスでChatGPTのようなAIツールを使っています(6sense)。約29%は検索エンジンよりAIツールから調査を始めることが多く、半数以上はGoogle検索の前にAIを使ってベンダー候補を絞り込んでいます(LinkedIn)。
AIの利用は、購買サイクルの迅速化とも関係しています。84%の購買担当者が、AIのおかげで意思決定が速くなったと答えています。一方で、86%の購買はいまだに停滞し、多くの購買担当者があとから選択を悔やんでいます(Forrester)。AIは情報収集や候補整理を支援しますが、意思決定の妥当性を保証するものではありません。
購買委員会とネットワークの影響
平均的なB2Bの購買グループは、いまでは社内の関係者13人と社外の影響者9人で構成され、生成AI機能が絡む購買では、その人数がほぼ倍になります(Forrester, 2026 Buyer Insights)。社内参加者が6人以上いる購買では、94%が「人数が多いことに明確なメリットがある」と答えています。複数の視点を取り入れ、社内で判断根拠を共有しやすくなることが背景にあります。72%の購買では、IT、財務、エンドユーザー、オペレーションを巻き込む「高複雑性」グループが関わっており(Corporate Visions)、経営層の73%は同業者の推薦が意思決定に最も大きく響くと答えています(Corporate Visions)。
ベンダーのWebサイトを主要な情報源として信頼している購買担当者は、わずか9%にとどまります。 その代わりに、同業者との対話、ユーザーレビュー、独立した専門家の意見が参照されています。企業側では、既存顧客からの評価や業界コミュニティでの評判を、購買担当者が検証できる形で提示することが課題になります。
2026年のB2Bコンテンツマーケティング:購買判断に影響する要素
デジタルコンテンツは、B2Bの購買担当者が候補を調べ、比較するための主要な情報源です。B2B購買担当者の60%は、デジタルコンテンツだけをもとに購入判断を下しています(Marketing Beyond Borders)。さらに、80%以上が営業に話す前に最低でも5本のコンテンツに目を通しています。
B2Bの意思決定を動かす主要コンテンツ
- 事例記事と顧客成功ストーリー: 42%の購買担当者が、最も影響力のあるコンテンツ形式だと答えています(LinkedIn)。
- 短尺動画: B2Bマーケターの78%が動画を活用しており、購買担当者の支持も急速に伸びています(Embryo)。
- 詳細ガイド、ホワイトペーパー、比較コンテンツ: 65%の購買担当者が、比較コンテンツが意思決定に影響したと答えています(SellersCommerce)。
- ウェビナーとオンラインイベント: 購買プロセス中にウェビナーへ参加するのは、約3人に1人です。
- 同業者レビューと推薦文: 55%の購買担当者が、特に役立つと感じています。
SNSとインフルエンサーマーケティングの役割
B2B購買担当者の75%は、意思決定の過程でSNSを利用しています(DemandSage)。また、62%が、ブランドのSNSコンテンツが購入に影響したと答えています(Amra & Elma)。LinkedInの利用比率は高く、B2Bマーケターの95%がオーガニックコンテンツに使い、B2Bのソーシャル経由リードの80%を生み出しています(Amra & Elma)。
インフルエンサーマーケティングも利用が広がっています。B2Bでは、業界の専門家、オピニオンリーダー、既存顧客と連携し、自社だけでは接点を持ちにくい層へ情報を届ける手法として使われます。
B2B広告:チャネル、成果、クリエイティブのトレンド
AIでB2Bリード獲得を自動化 Get Started Free
B2B企業でもデジタル広告への投資が進む一方、高額案件や複数部門が関わる商談では、対面イベントやダイレクトメールも使われています。チャネルは一律に選ぶのではなく、対象企業、購買段階、案件単価に応じて組み合わせる必要があります。
デジタル広告:B2B予算の行き先
- 世界の広告費の65%は、すでにオンラインです(B2B Marketing World)。
- 米国のB2Bデジタル広告費は、前年比でおよそ25%伸びています。
- 主要チャネルは、ソーシャルメディア、検索連動型広告、プログラマティックディスプレイです。
- 特定企業を狙うアカウントベース広告は、コンバージョン率の向上を目的として活用されています。
オフラインチャネル:イベント、展示会、ダイレクトメール
- 展示会とイベントは回復傾向にあります。 米国のB2B展示会市場は2024年に158億ドルに達しました。
- 経営層の52%は、イベントが他のどのチャネルよりも高いROIを生むと答えています(UPrinting)。
- ダイレクトメールは、高単価のターゲット、とりわけアカウントベースマーケティングで再評価されています。
B2B購買ジャーニー:認知から購入まで
いまのB2B購買ジャーニーは、まっすぐ一本道ではありません。主導権は購買担当者の側にあり、営業が呼ばれるのは後半になりがちです。候補が絞り込まれたあとでようやく声がかかることもあります。
初期候補リストと第一印象の重み
- 92%の購買担当者は、少なくとも1社の候補を最初から意識した状態でジャーニーを始め、41%はすでに本命の1社を頭に入れています(Corporate Visions)。
- 受注したベンダーの95%は、検討初日の候補リストに入っています(6sense)。
- 81%の購買担当者は、営業との初回面談を迎える前に、すでに希望のベンダーを決めていました。
意思決定の停滞と案件の失速:摩擦をどう減らすか
- B2B購買プロセスの86%は停滞または遅延します(Forrester)。
- 74%の購買担当者は、直近の購買で「選択肢や進め方が多すぎて」決めにくかったと答えています(Corporate Visions)。
- 61%の購買担当者は、法務・購買部門が購入を遅らせた、または止めたと答えています(Digital Commerce 360)。
ROI、測定、そしてB2Bマーケティングの成功
予算が増えるほど、マーケティング投資の説明責任も重くなります。CEOやCFOに対して、各施策がパイプラインや売上にどう寄与したかを、共通の指標と算定条件で示す必要があります。
B2Bのマーケティング・営業成果を測る主要指標
- パイプラインと売上のアトリビューション: マーケティング施策がパイプラインと売上にどの程度寄与したかを説明できる指標を設計します。
- リード転換率とパイプライン速度: 継続的な改善効果を見るため、転換率と各段階の所要時間を追います。
- 顧客獲得単価(CAC)と顧客生涯価値(LTV): CACとLTVのバランスを見ながら、獲得施策の採算性を評価します。
- 早期のROIへの期待: 57%の購買担当者は3か月以内のROIを期待し、11%は即時のROIを求めています(Digital Commerce 360)。
- 顧客維持と拡大: NRR(純売上継続率)は、既存顧客からの継続・拡大状況を見る指標の一つです。
AIとMarTechによるB2B営業支援の変化
AIとMarTechは、情報整理、候補の優先順位付け、記録作成などの定型業務を支援します。営業チームは、出力結果を人が検証する運用を残したうえで、顧客との関係構築や複雑な課題の整理に時間を配分しやすくなります。
AI搭載の営業ツールと自動化
- 見込み客情報の収集: Thunderbitのようなツールでは、WebサイトやSNS上の公開情報からリード候補を抽出する作業を支援できます。小規模なページでは数秒で抽出を開始できる場合がありますが、所要時間や取得項目はページ構成、アクセス条件、設定によって異なります(リード獲得を成功させるためのウェブスクレイピング実践ガイド)。
- 予測分析とリードスコアリング: 製品、設定、学習データに応じて、有望なリードの優先順位付けや失注リスクの把握を支援します。判断結果は営業担当者が検証する必要があります。
- 営業担当向けAIアシスタント: フォローアップメールの下書きや通話メモの要約など、対象業務を定めて利用すると作業時間の短縮に役立ちます。
- チャットボットとバーチャルアシスタント: 製品や契約範囲によっては、営業時間外の一次対応やリードの分類に利用できます。複雑な質問や重要案件は担当者へ引き継ぐ設計が必要です。
- 営業サイクルの支援: AIを使った接触設計やパーソナライズは、対象顧客と評価指標を定めたうえで、案件進行への効果を検証します。
AI Webスクレイピングが営業の見込み客開拓に適するかを判断するには、まず対象ページ1件で取得項目、精度、出力形式を照合するとよいでしょう。Thunderbit Chrome Extensionを試すか、AIを活用した営業ワークフローについてブログをご覧ください。
要点まとめ:これらのB2B統計が営業チームに意味すること
営業の見込み客開拓でAIを使う方法 Get Started Free
これらのデータを実務に反映する際は、自社の購買プロセス、対象顧客、関係部門、評価指標に照らして優先順位を決める必要があります。主な検討事項は次のとおりです。
- 購買担当者の調査方法に合わせる: 対象顧客がセルフサービスを重視する場合は、営業担当者に連絡する前でも参照できる情報と導線を整えます。
- 早い段階で候補に入る: ブランド認知、専門的なコンテンツ、既存顧客からの紹介を、初期調査で見つけやすい形にします。
- AIの対象業務を決める: 調査、文案作成、リードの優先順位付けなど、目的と人による検証工程を定めて導入します。
- 意思決定の複雑さを減らす: 選択肢、比較軸、導入手順を整理し、関係者が同じ判断材料を共有できるようにします。
- 購買を進めやすくする: 稟議資料、ROI試算、比較表、導入チェックリストなど、購買担当者の社内調整に必要な情報を用意します。
- 初期対応の運用を見直す: 問い合わせへの応答時間と担当者への引き継ぎ基準を定め、対応漏れを減らします。
- 優先対象からパーソナライズする: すべての接点を一律に変えるのではなく、重要な企業、役割、購買段階から内容を調整します。
- 部門をまたいで連携する: 営業、マーケティング、カスタマーサクセスの役割と共有情報を定め、購買体験の分断を減らします。
- 価値を数字で示す: ROIの前提、算定期間、データ源を早い段階で合意し、商談中も同じ条件で説明します。
- 摩擦が生じる箇所を特定する: 各接点を点検し、法務、購買、セキュリティ、契約などで案件が止まりやすい箇所から改善します。
AI、営業自動化、リード獲得のためのWebスクレイピングを検討する場合は、用途、入力データ、必要な出力を整理してから、以下のガイドを比較材料として利用できます。
出典と参考資料
本文で参照した主な出典と、各テーマを追加調査する際の参考資料をまとめます。
- Forrester: 2026 Buyer Insights — GenAI Is Upending B2B Buying
- Forrester: The State of Business Buying, 2024
Gartnerの関連資料は、公開日とリンク先の整合性を精査するため、候補を以下に記載します。
表記違いの候補も併記します。
- Gartner: B2B購買担当者の61%が営業担当なしの購買体験を好む(前回調査・2025年6月)
- 6sense: B2B Buyer Experience Report 2025
- Corporate Visions: B2B Buying Behavior in 2026
- DemandSage: 57 B2B Marketing Statistics 2026
- B2B Marketing World: 19 B2B Marketing Stats 2025
- Digital Commerce 360: B2B Software Buyers Want Fast ROI
- Thunderbit Blog
- Thunderbit Chrome Extension
各数値を社内資料や施策判断に使う場合は、上記の出典で調査対象、公開日、算定条件を照合してください。2026年にB2B営業やAI活用へThunderbitを取り入れる際も、対象業務、扱うデータ、必要な出力を整理し、現在の製品仕様との適合性を評価することが重要です。
Shuai Guanによる執筆。Thunderbitの共同創業者兼CEOです。私は日々、営業向けのAIツールを開発し、B2Bデータを扱っています。ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
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